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山小屋での時間をさらに楽しむために。アークテリクス神田ブランドストアで開催した「山あそび親睦会」をレポート

考え、行動する登山者を目指すための、きっかけやヒントが見つかるイベント「ランドネ山大学 山あそび親睦会 with ARC’TERYX」。8月は「山小屋について考えよう」をテーマに開催。山小屋はどうやって運営されているのか。泊まるときにはどんな準備が必要なのか。知っているようで知らない、山小屋のあれこれを教えてもらいました!

アークテリクス神田ブランドストア

「山あそび親睦会」の開催場所となったのは、2026年7月に「神田スクエア」内へ移転オープンした「アークテリクス 神田ブランドストア」。自然光をたっぷりと取り込むガラスのファサードが印象的な、開放感のあるモダンな空間に、アパレル、フットウエア、バックパック、アクセサリーなどのパフォーマンス製品を豊富にラインナップ。トップアスリートやガイドを招いたトークイベントやワークショップも開催され、神田・御茶ノ水エリアのアウトドアコミュニティの拠点としての役割も担っている。

東京都千代田区神田錦町二丁目2番地1 「神田スクエア」内
営業時間:11:00~20:00
定休日:不定休

蓼科山頂ヒュッテの女将に聞く、山小屋の裏側と人のつながり

ひとりめのゲストは、蓼科山頂ヒュッテの女将、米川佐和子さん。

標高2531m、八ヶ岳連峰の北端にある蓼科山。その山頂近くに建つ蓼科山頂ヒュッテを、米川さんは2015年に父から引き継ぎました。東京と長野を行き来しながら山小屋を運営していますが、「私や夫だけでは到底回っていかないので、基本的には現場のスタッフや仲間といっしょにみんなで小屋をつくっているような感覚です」と話します。

山小屋の仕事と聞いてまず思い浮かぶのは、宿泊者への対応や食事の提供。でも、実際には物資の荷上げからゴミ下ろし、設備の修繕、登山道の整備、救助への協力まで、仕事は多岐にわたります。

蓼科山頂ヒュッテでは月1度ほど、ヘリコプターで物資を運びます。1回の吊り上げで運べるのは最大約500kgで、通常はそれを2〜3回行ないます。ただ、天候によって飛べないことも。食品などは人力で運び、なかには40kgほどの荷物を背負って2往復するスタッフもいるそうです。

最近ではドローンも活用。「人力では、30kgの荷物を上げるのに2~3時間かかるところ、ドローンなら2、3分で運ぶことができます」と米川さん。とはいえ、ドローンも風が強ければ飛ばせません。山小屋の運営は、天候とのにらめっこでもあります。

山の上では、水も貴重な資源

蓼科山頂ヒュッテでは、雨水を3つのタンクにためて、水を確保しています。タンクはひとつあたり約5トン。調理やトイレなどに使い、通常は1つのタンクを約2週間で使い切ります。

「登山では晴れていたほうが景色もよく、気持ちいいものですが、山小屋を運営する側からすると、雨も降ってくれないと困ってしまいます」

実際に雨が降らない時期には、食事の際に洗いもので使う水を節約するために一時的に紙皿を使ったことも。雨水を溜めるだけでなく、タンクの清掃やトイレの管理も必要です。だからこそ、利用する側にもできることがあります。

「水を大切に使っていただくこと、持ってきたごみは持ち帰っていただくこと、限られたスペースでは譲り合うことなど。来ていただく方のほんのちょっとした協力によっても、山小屋は支えられているのだと感じています」

山小屋は、なんでも用意されている宿泊施設とは少し違う。限られた環境のなかで、働く人と訪れる人がいっしょになって、その場所をつくっています。

山小屋で、どんな時間をすごす?

以前は「食事ができる、寝泊まりができる」ことが山小屋の大きな役割でした。けれど、訪れる人が増え、ひとりで泊まる人や家族連れなども増えてきたそう。

「いまは、いかに快適に安心してすごせるか、そして山小屋でどんな時間をすごせるかということも、山小屋の役割になってきたと感じています」と、米川さん。

蓼科山頂ヒュッテには、アップライトピアノや音響設備があり、夕食時にはスタッフが演奏し、宿泊者がCDやレコードを持ち寄ることも。ラテアートやビアアートの提供や、秋のさんま祭りなどのイベントも行なっています。「登る目的は登頂だけではなくて、さんまを食べに蓼科山へ、というきっかけがあってもいいと思います」。山小屋は、山頂を目指した先にあるだけでなく、そこですごす時間そのものも含めて、山の楽しみ方を広げてくれる場所になっています。

山小屋泊のためのバックパッキング

続く第2部では、「アークテリクス 神田ブランドストア」の林哉毅店長が山小屋泊の装備について解説。まずは、肌に直接触れるベースレイヤー。

「ポリエステルは汗をかいても乾きやすいですし、ウールは保温性があって、においも気になりにくい。それぞれによさがあります。ただ、最終的には肌との相性もありますし、どれくらい汗をかくのか、どういう山を歩くのかでも変わってきます。僕自身はポリエステルを選ぶことが多いです」

おなじポリエステルでも、生地の厚みによって軽さや涼しさ、耐久性が変わります。

「薄ければいい、ということでもありません。軽くて涼しいものは行動中に気持ちいいいっぽうで、耐久性とのバランスもあります。歩く時間やルート、樹林帯なのか稜線なのかなどを考えると、自分に合うものを選びやすくなります」

続いて紹介してもらったのが、脱ぎ着を繰り返すより、着たまま動くことを考えたソフトシェル、ガンマフーディ。

「10月後半から11月ごろになると、ソフトシェルを使う場面が増えてきます。朝は寒くても、歩き始めると暑くなる。そういうときに、着たまま動けるものがあるとラクです。寒ければ中にウエアを重ねながら調整していきます」

ガンマシリーズをチェック

休憩中や山小屋での防寒に使うインサレーションはどう選ぶのがよいのか。

「化繊は濡れたときにも保温性を保ちやすく、ダウンは軽くてコンパクトになるのが魅力です。どちらがいいということではなく、雨に濡れる可能性があるのか、荷物をどれくらい軽くしたいのか、どれくらいの保温性が必要なのか。そうしたことを考えて選ぶといいと思います」

山小屋泊では、歩いているときと休憩中、そして朝晩で必要なウエアが変わります。素材や厚みだけでなく、「いつ、どこで使うものなのか」を考えることも、ウエア選びのポイントです。

パッキングは「使わないもの」から

山小屋泊では、着替えや防寒着など、日帰りより荷物が増えます。そこで大切なのが、使う順番を考えて入れていくこと。

「使わないものから入れていくのが基本です。山小屋に泊まるのであれば、山小屋でしか使わないもの、たとえばダウンパンツを持っていくなら、一番最初に入れてしまいます。僕はパッキングが終わったら、バックパックの中身を写真に撮っておくこともあります。次におなじような山へ行くときに、その写真を見れば、なにをどこに入れていたかがわかるので。季節や行く場所が変われば中身も変わりますが、写真を見返すと、前回なにを持っていったかも思い出せます」

さらに、防水スタッフサックをバックパックの中に入れてから荷物を詰めれば、ザックカバーと合わせて雨対策にも。中身をスタッフサックで分け、なにが入っているかをわかるようにしておくと、荷物も探しやすくなります。

山小屋を知ることから、山を考える

山小屋ですごす時間の裏側には、たくさんの人の仕事や、山の自然との付き合いがあります。水や食料を運ぶこと、建物を守ること、登山道を整えること。そして、そこを訪れる私たちも、その場所をつくるひとりです。

今回の「山あそび親睦会」は、山小屋について知るだけでなく、いつもの山歩きや、山ですごす時間をあらためて考えるきっかけになりました。「山あそび親睦会」はこれからも、山のことを知り、自分なりの楽しみ方を見つける時間を届けていきます。

\次回は11月12日にアークテリクス 大阪心斎橋ブランドストアで開催します!/

【参加者募集】秋冬の山を楽しむヒント|考え、行動する登山者を目指す「山あそび親睦会withアークテリクス」を開催します

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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