BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo
  • タビノリ

STORE

  • FUNQTEN ファンクテン

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ
  • Bicycle Club BOX

レムコ・エヴェネプールが個人TT3連覇 2位以下に1分以上の差をつける驚異の走り|UCIロード世界選手権

2025年シーズンのロードレース世界王者を決める、UCIロード世界選手権が9月21日に開幕。初のアフリカ開催としてルワンダの首都・キガリを舞台とし、8日間の日程で各カテゴリーの勝者を決める。大会初日には男子エリートの個人タイムトライアルが行われ、ここ2年世界王者に君臨してきたレムコ・エヴェネプール(ベルギー)が今年も圧勝。3連覇を達成し、世界王者の証マイヨ・アルカンシエル防衛に成功した。

石畳の急坂が含まれた丘陵コース

徐々に自転車熱が高まるアフリカへ、ついに世界の頂点を決める戦いが進出。同大陸内でもロードレースに熱い国のひとつ、ルワンダがその開催地となった。同国では、毎年シーズン初めにツール・ド・ルワンダ(UCI2.1)が行われ、世界各地から参加チームが集まる人気レースに。レース開催のノウハウを持ち、ロード世界選手権に向けた準備も長く続けてきた。

Photo: Simon Wilkinson/SWpix.com

40.6kmにレース距離が設定された男子エリート個人タイムトライアルは、スタートから8km過ぎで始まるコート・ド・ニャンザ(登坂距離2.5km、平均勾配5.8%)を上ったのち、下りを経て折り返して今度は逆走。登坂距離にして6.6km、平均勾配3.5%を上って、再び長い下りへ。33km地点から始まるコート・ド・ペアージュ(2km、6%)をこなして、フィニッシュ手前2.4kmからは石畳のミュール・ド・キガリ(1.3km、6.3%)へ。これが最後で、あとはフィニッシュに向かってわずかに上って終える。平坦区間はなく、タイムトライアルを得意とする中でも、登坂力のある選手にチャンスのあるコースと目された。

ヴァイン、ファンウィルデルが好走

54選手が時間差でコースへ。第1走者を務めた地元ルワンダのシェム・ンセンギユンバが56分41秒で走り、しばしの基準タイムに。その後数人がタイムを更新。キナンレーシングチームで走るレイン・タラマエ(エストニア)は31番出走で、フィニッシュ時は暫定4番手のタイムを記録。その2人後に出走したイラン・ファンウィルデルが中間計測からタイムを塗り替えていき、フィニッシュでは52分22秒。ここから一気に水準が上がっていく。

アンドレアス・レックネスン(ノルウェー)が10.6km地点に置かれた第1計測ポイントでトップに立ったものの、その後ペースを落としフィニッシュでは21秒遅れ。大会直前の数レースを勝っているイサーク・デルトロ(メキシコ)も序盤から飛ばし、フィニッシュではファンウィルデルから4秒差。

トップタイムをさらに引き上げたのが、最後から5人目で出走したジェイ・ヴァイン(オーストラリア)。第1計測こそ2秒遅れで通過したが、中盤で一気にペースに乗せ、24km地点に設置された第2計測ポイントでトップに。その後も快調に飛ばして、フィニッシュでは51分ちょうど。ファンウィルデルのタイムを1分21秒更新しトップに立った。

Photo: Simon Wilkinson/SWpix.com

レムコが圧倒的な走り、前走ポガチャルを追い抜く

最後から2人目で出走したのはタデイ・ポガチャル(スロベニア)。この日が27歳の誕生日で、バースデーウィンを目指して走り出すと、第1計測はトップとコンマ差での通過。しかし、中盤から急激にペースダウン。第2計測で25秒遅れとすると、その後の挽回はできないまま。

一方で、会心の走りを見せたのが直近2大会を制し、最終走者として臨んだレムコ。第1計測からトップタイムを44秒更新すると、2つ目の上りをこなして到達した第2計測では1分17秒上回る。31.6km地点に設けられた第3計測ポイントは1分24秒差とした。

© Dario Belingheri /Getty Images

対照的なレムコとポガチャル。すると、最後の難所ミュール・ド・キガリで2分30秒先にスタートしたポガチャルの姿をレムコがとらえる。石畳の上りでポガチャルをパスすると、やがて振り切って先にフィニッシュへ。

Photo: Zac Williams/SWpix.com

3連覇達成には、3本指を立てた敬礼ポーズでのウイニングセレブレーション。そのタイムは49分46秒。ヴァインを1分14秒上回り、ただひとり50分切りする驚異的な走りを見せた。

Photo: Alex Whitehead/SWpix.com

最終結果はアルカンシエル獲得のレムコに続き、ヴァイン、ファンウィルデルの順で表彰台へ。ベルギー勢がワン・スリーフィニッシュで、それもジュニア時代から共闘を続けてきた2人によるものに。ポガチャルはファンウィルデルから1秒差で表彰台を逃している。なお、日本のチームで走るタラマエは21位でこの種目を終えている。

Photo: Alex Whitehead/SWpix.com

UCIロード世界選手権2025 男子エリート個人タイムトライアル 結果

1 レムコ・エヴェネプール(ベルギー)49:46(Avg. 48.948km)
2 ジェイ・ヴァイン(オーストラリア)+1’14”
3 イラン・ファンウィルデル(ベルギー)+2’36”
4 タデイ・ポガチャル(スロベニア)+2’37”
5 イサーク・デルトロ(メキシコ)+2’40”
6 アンドレアス・レックネスン(ノルウェー)+2’57”
7 ルーク・プラップ(オーストラリア)+3’03”
8 ブルーノ・アルミライユ(フランス)+3’06”
9 テイメン・アレンスマン(オランダ)+3’39”
10 シュテファン・キュング(スイス)+3’48”

SHARE

PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

No more pages to load