
マウンテンバイクに乗りたいキッズの“はじめて”を応援!MTB Challenge静岡伊豆ステージ

Bicycle Club編集部
- 2025年10月04日
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2025年9月21日、静岡県伊豆の国市「川の駅伊豆城山」にて、「JPF Presents MTB Challenge 2025 第3回 静岡伊豆ステージ」が開催された。全国4会場で6回開催されるこのシリーズは、競技大会という枠を超え、子どもたちが“自転車って楽しい!”と感じる“はじめて”の体験を届けることを目的とした大会だ。
まずは「自転車との出会い」を作る機会
今回の舞台は、狩野川神島公園内に常設されたオフロードコースの一部を利用して行われた。1周約1kmのコースを使い、午前中はカテゴリ別の20分キッズレース、午後には60分・90分の耐久レースが行われた。地元のキッズをはじめ、「Merida Kids Club」などのクラブチームが参加。さらに、デフリンピック開催を2カ月後に控えた「日本ろう自転車競技協会」のメンバーも調整のために参加し、会場は多様な層の熱気に包まれ、子どもたちの笑顔と歓声が絶えない一日となった。
“体験”から“競技”へ 親子で楽しむスポーツの入り口
実行委員会の一員であるJPFが目指すのは、競技者だけでなく、まだ自転車に乗り始めたばかりの子どもたちとその家族が、気軽に参加できる場の創出だ。JPFは競輪をはじめ、公営競技場の運営を行っている会社だが、近年は地域活性化やスポーツ振興にも力を注いでいる。そのJPF包括運営部の清水さんはこう語る。
「このイベントは、いわゆる“アスリート育成パスウェイ”(幼少期から段階的に多様な運動体験を積むことで、将来的な競技力や健康的なライフスタイルにつなげていく考え方)に基づき、年齢に応じた適切な体験を子どもたちに提供することを目的としています。特に小学生期はバランス感覚が大きく発達する時期であり、オンロード走行やスピード・持久力の習得に先立って、バランスを養うマウンテンバイクを取り入れることを重視しています。
また、勝敗にこだわる競技に入る前に、まずは自転車本来の“楽しさ”を体験してほしいと考えています。楽しさがなければ競技は続きませんし、幼少期に多様な体験を積んでおくことが、将来プロとして勝ちにこだわる選手になったときの“懐の深さ”にもつながります。こうした取り組みを、将来の競技力向上につながる“裾野づくり”の活動として位置づけています。
こうした姿勢は、競技性を追求するだけでなく、「身体能力の発達を意識したスポーツ体験」としての価値を重視しており、スポーツ振興の新しい形を体現しています。」

専門競技は任せ、JPFは“裾野”を支える
クップドゥジャポンやダウンヒルシリーズといった専門競技領域については、それぞれの競技団体が担っており、JPFは直接的な運営には関与していない。その代わりにJPFは、そうした競技への“橋渡し”的存在として、自転車競技にまだ触れたことのない子どもたちにサイクルスポーツ体験の機会を広げる取り組みを行っている。
「MTB Challengeは、公営競技の運営に携わるJPFにとって、自転車競技法が掲げる“体育の振興”や“地域の振興”という理念を、自社のノウハウを生かして具体化する取り組みです。」と清水さんは語る。
競輪場というフィールドを活かし、体験から競技へとつながる“熱”を生み出すことが、JPFの強みであり使命だ。千葉JPFドームのような競技性の高い施設では、育成・強化の場としての展開も視野に入れている。
「千葉では千葉JPFドームに隣接するパンプトラックも活用しながら、普及から育成・強化まで、より多様な自転車体験を提供していきたいですね」と清水さん
次回は富山・京都へ——“はじめて”の連鎖を全国へ
今年度の「MTB Challenge」は全6回を予定しており、次回は富山、京都での開催が控えている。JPFは今後も、地域の子どもたちが自転車に親しむきっかけをつくりながら、競技への入口としての役割を果たしていくことを目指している。
元プロ選手との交流や多様なアプローチを通じて、“遊び”から“競技”へとつながる新しいスポーツ振興の形が、ここから生まれている。
MTB Challengeの詳細はこちら
https://www.jpf.co.jp/jpfnews/jpf-presents-mtb-challenge2025_3/
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Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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