BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo
  • タビノリ

STORE

  • FUNQTEN ファンクテン

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

メリダ・ミッションに試乗してみた、ヒルクライムからグラベルまでこなす編集者「終の一台」

メリダのグラベルレンジに新登場した「MISSION(ミッション)」。同社のアドベンチャー系グラベル「SILEX(サイレックス)」と、ロード寄りの「SCULTURA ENDURANCE(スクルトゥーラ エンデュランス)」のあいだを埋める、スピード志向のグラベルレーサーだ。ロードレースで培った空力性能と、オフロードでの安定性を高次元で両立させた「高速グラベルバイク」として開発されている。

高速グラベルレーサー「ミッション」

ミッションはかつてミッションCXという本格レーシングシクロクロスとして存在していたバイクだ。今回、ミッションは装い新たにグラベルレーシングバイクとして登場、軽量なカーボンフレーム「ミッション CF4」を採用しており、ジオメトリーも大きく変更された。さらにエアロ形状のチューブと完全内装ケーブル、フレア形状のグラベル用コックピットなど、同社ロードレーシングモデルのノウハウを惜しみなく投入している。

舗装路ではロードバイクのような伸びの良さを発揮しつつ、オフロードでは安定感とトラクションを両立させた設計だ。

タイヤクリアランスは最大700×40C を想定し、近年の「極太タイヤ志向」一辺倒とは一線を画す。同社のサイレックスのタイヤクリアランスが最大700C×45Cであることを考えると、あえてクリアランスを絞ることで、チェーンステーを短く保ち、ロードライクなペダリングフィールと鋭い加速感を実現しているのがミッションの個性だ。軽量なカーボンホイールと組み合わせれば、ヒルクライムから高速グラベルレースまで、まさに「速さを狙えるグラベルバイク」として仕上がっている。

グラベルレースで求められるミニマムなストレージ

ダウンチューブにはストレージボックスを内蔵し、ツールや補給食をスマートに収納可能。ボトルケージ台座も複数配置され、レースからロングライドまで用途に応じた積載がしやすい。とくに、Fidlock 製ハッチを採用しているので、開閉がスムーズに行えるのも特徴だ。

フェンダーマウントもさりげなく用意されており、悪天候のトレーニングバイクとしても活用できる器用さを持つ。

コンポーネント構成は、ワイヤレス電動コンポや最新のグラベル専用コンポを中心に、上位モデルほど軽量ホイールや一体型カーボンハンドルなど、レースユースを意識したパーツアッセンブルとなっている。国内では「ミッションCF4」フレームを採用した、ミッション7000(シマノGRX 12速Di2変速機仕様、価格935,000円)とミッション4000(シマノGRX 11速機械式変速機仕様、仕様価格423,500円)の2種類の完成車をラインナップしている。これはかなり魅力的な価格設定といえる。

MISSION 7000ではMERIDA TEAM SL GR1P コックピットを採用。グラベルライドに適したステムとハンドル一体型カーボンコックピットにすることで、高いコントロール性と空力性能を維持。
リアエンドには UDH(Universal Derailleur Hanger)を採用。 スラムのオフロード用グループセットを使用することもできる

ミッション7000の詳細はこちらから

GEOMETRY

ミッション

FRAME SIZE 44 47 49 51 53
SEAT TUBE (ST) 445 470 490 510 530
TOP TUBE (TT) 522 532 543 560 571
CHAIN STAYS (CS) 419 419 419 419 419
HEAD TUBE ANGLE (HTA) 70 70 71 72 72
SEAT TUBE ANGLE (STA) 74 74 74 73.5 73.5
BOTTOM BRACKET DROP (BD) 72 72 72 72 72
HEAD TUBE LENGTH (HT) 103 117 126 137 153
FORK LENGTH (FO) 400 400 400 400 400
REACH (R) 370 377 384 391 398
STACK (S) 529 542 555 569 584
STAND OVER HEIGHT (SH) 741 764 781 798 816

編集長山口がミッションを試乗レビュー

ここでは新型グラベルレーサー、ミッションを実際に試乗してみた。ひと言で表現するなら「ロードバイク的な軽快さを持ったグラベルレーサー」。踏み出した瞬間から、ペダル入力に対してスッとスピードが乗っていく感覚が強く、舗装路での移動区間や下りの高速セクションでは、従来のグラベルバイクとは一線を画す伸びのよさを感じる。おそらく、従来のエンデューロロードよりも「速い」、メリダのラインナップでいえば、スクルトゥーラ エンデュランスよりもレーシングな印象だ。

ここ数年ロードレースやシクロクロスレースを離れてしまっていると、ホイールを変えればヒルクライムからグラベルまでマルチに楽しめるバイクはないかと思っていたが、まさにその答えがミッションにあった。

「ロードバイク、シクロクロス、グラベルバイクにはそれぞれ理想的なジオメトリーがあります。だから、マルチにこなせるバイクなんてありえません」まじめにレースシーンで走っているときにはそう思っていたし、いまではそれが正しいことに変わりはない。ただし、自転車の収納スペースだったり、予算だったりとレースよりも厳しいレギュレーションが存在しており、こうしたレース前のレースで、こうしたマルチに楽しめるバイクの存在は重要なのだ。

こうしたミッションの性格を決めているのはジオメトリーが大きい。とくにグラベルバイクにしてはホイールベースが1009mm(XSサイズ)と短く、切り返しはかなり俊敏な印象だ。タイトなコーナーが続くシングルトラックをテンポよく駆け抜けるシーンでは、レーシンググラベルらしい機敏さが光る。ここはオンロードを走るうえでも軽快さを失わないポイントだろう。

BB ドロップを大きめに取った設計のおかげで、荒れたダートに入ってもバイクは落ち着いており、「バイクの中に座っている」ような安定感がある。腰を落として前に踏み出すようなペダリングができるため、荒れた路面でもトラクションをかけながらぐいぐいと踏み込んでいけるイメージだ。

コンプライアンス面では、カーボンフレームとシートポストのしなりがよく効いており、細かな振動はしっかりいなしてくれる。ここはロードバイクのスクルトゥーラ同様、メリダらしい乗り味といえる。

傑作は一体成型のコックピットまわり、ただのフレアハンドルじゃない

MERIDA TEAM SL GR1P コックピットは一般的なグラベルバイクのフレアハンドルとは違い、下ハンドルを握ったときにロードバイクの感覚のまま使える形状になっている。具体的には上の写真にあるように、外側にむかってアールを描きながら曲がっているため手首に無理のないポジションがとれる。

ロードレースバイクに近い感覚で、グラベルレースを戦いたいライダーには非常にハマるハンドルバーだろう。

もっさりしない感じが最強のインプレッション

冒頭では「何でもできる万能バイク」という表現をしたが、あくまでもレーシングバイクということはお伝えしておく。いままでエンデュランスロードやオールロードという車種を試して、なんとなくもっさりとした印象をぬぐえないバイクは多かったが、このミッションは明らかに「速さとレース性能に振り切ったグラベルレーサー」というキャラクターだ。レーシングバイクが好きな自分にとって、このミッションはまさにベルトバイク。最後に住む家を「終の棲家」というなら、ミッションは「終の一台」といえるかもしれない。

もちろん、太めのタイヤを入れてさらにトレイル遊びまで考えている人には、よりマルチに楽しめるサイレックスのほうが適しているかもしれない。ただ、舗装路を含むミックスコースを、とにかく速く、気持ちよく集団走行を楽しみたいという自分にとっては、いまもっとも魅力的な一台はミッションといえる。さらにフレームセット価格33万円というのは、現実的でかなり魅力的な内容といえる。

ミッション7000の詳細はこちらから

問:メリダジャパン https://www.merida.jp/

 

SHARE

PROFILE

山口

Bicycle Club / 編集長

山口

バイシクルクラブ編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。47歳を迎えた現在ではレースだけではなく、サイクリングを楽しむためために必要な走行環境やサイクルツーリズムなどの環境整備などにも取り組んでいる。

山口の記事一覧

バイシクルクラブ編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。47歳を迎えた現在ではレースだけではなく、サイクリングを楽しむためために必要な走行環境やサイクルツーリズムなどの環境整備などにも取り組んでいる。

山口の記事一覧

No more pages to load