
自転車愛好家が多摩・いろは坂で清掃活動、10周年の節目に片山右京も参加
山口
- 2025年12月07日
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12月6日(土)、東京・多摩市の聖蹟桜ヶ丘にある「いろは坂」周辺で、恒例の清掃活動「年末いろは坂清掃」が行われた。今年は活動開始から10回目となる節目の年である。自転車愛好家や地域ゆかりのメンバーを中心に30名あまりが参加し、落ち葉や路面に堆積したゴミを丁寧に取り除いた。取材を兼ねて参加したバイシクルクラブ編集部・山口がレポートする。
10周年でも変わらない“坂への感謝”という原点

いろは坂清掃は、落ち葉によるスリップの危険を減らすこと、そして日頃走らせてもらっている坂や地域に感謝を伝えることを目的に、長年継続されてきた活動だ。
参加者からは「もう10回目」「こんな寒い日でも、これがあるから自転車に乗る」といった声も聞かれ、10年という時間の重みと同時に、変わらない原点がにじみ出ている。編集部の山口も地元サイクリストとして、毎年ではないものの参加してきた。

いろは坂清掃はもともと、地元・桜ヶ丘の住民でサイクリストでもある中山 沢さんが発起人となり、「坂を楽しむ愛好家がいることを知ってもらおう」と始めたものだ。昼夜を問わず黙々と通り過ぎていくサイクリストは、ときに地域住民から誤解を生んでしまうこともある。そうした背景もあり、中山さんたちは地域との接点を持ちたいと考えたという。その後、地元の実業団チームFORCEの世話役である守分雄治さんらが地元サイクリストに声をかけ、参加者も増えていった。
10年続けてきたこともあって、地元の住民や道路利用者にも活動が認識され、「毎年ありがとう」と声をかけられる光景が多く見られた。地域コミュニティのメンバーから挨拶される場面もあった。いろは坂は特に落ち葉が多く、車道の路肩はもちろん、階段も歩きにくくなるのが事実である。それだけに地元から感謝されているようだ。

いろは坂は多摩丘陵の入口にある“つづら折りの名坂”

このいろは坂は多摩市の聖蹟桜ヶ丘駅近くにあり、多摩丘陵の入り口に位置するつづら折りの坂である。クルマやバスが通る生活道路でありながら、その雰囲気のよさから自転車乗りも多く走りに来る名所として親しまれている。ジブリのアニメ『耳をすませば』のロケ地として登場したことでも知られ、サイクリストだけでなく地域の人にとっても特別な場所である。

10周年の今年も片山右京さんが清掃に参加した。実業団チームTeam FORCEのメンバーを中心に、グッチャリのメンバーも加わり、坂の上から下まで声を掛け合いながら作業が進んだ。
通りがかりのサイクリストも“仲間”に。自転車で広がる輪

「途中、坂を登るサイクリストにもお声掛けして仲間に加わってもらうなど、自転車を通じた輪が広がって嬉しい限りです」と藤條たかゆき市議もSNSでコメントした。この日は、坂を登ってくる通りがかりのサイクリストにも清掃活動に加わってもらう場面があり、3人の仲間が増えた。自転車を通じて輪が広がっていく光景は、この清掃の象徴的なシーンでもある。

こうして30名近い参加者が役割分担しながら、安全第一で清掃を実施した。落ち葉があっという間に消えていった。
交通量のある坂道での作業ということもあり、参加者は声を掛け合いながら慎重に進行した。掃き掃除、落ち葉の収集、運搬などを分担し、作業は手際よく進んだ。

清掃活動は3時間弱だったが、「大勢でわいわいやりながら、あっという間に落ち葉が片付く」。そんな表現が、現場のテンポ感を物語っている。

自転車と地域の関係を育てる“続いていく活動”

最後は片山右京さんを囲んで記念撮影を行った。この日集まった自転車愛好家たちは、それぞれの会話で盛り上がっていた。
いろは坂清掃は、ただ坂をきれいにするだけの活動ではない。サイクリスト同士、そして地域が気持ちよく共存していくための、小さくて確かな接点である。10年目を迎えた今年も、集まった誰もが清掃を楽しみ、そこから新しい仲間も自然と生まれた。参加した皆さん、そして主催の皆さん、本当にお疲れさまでした!
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