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80歳にして自転車で47都道府県走破、小泉昭男自普協会長が東海道を走って伝える自転車の楽しさ

3月1日、大阪・大阪城公園。80歳を迎えたサイクリストが「東海道五十七次」へとペダルを踏み出した。これは4月から導入される自転車の青切符制度を前に、一般財団法人日本自転車普及協会会長で元参議院議員の小泉昭男氏が、自転車本来の楽しさと健康寿命を伸ばす力を“走って伝える”挑戦「全国自転車交通安全行脚」の集大成である。大阪をスタートに、小泉会長をはじめとする有志が、京都、滋賀、岐阜(一部中山道経由)、愛知、静岡、神奈川を経て、東京・日本橋を毎週末約50kmほどを刻みながら目指す。

自転車への青切符導入を前に「東海道五十七次」を走る理由

写真提供:自転車活用推進研究会

今回の「東海道五十七次」は、小泉会長による「全国自転車交通安全行脚」の最終章だ。2024年9月26日にスタートしたこの行脚は、東海道を除く主要幹線を巡り、各地の道府県庁を訪ねながら約2,000kmを走破してきた。その締めくくりが、今回の東海道五十七次である。

今回の行脚の背景には、この4月に施行される自転車への青切符制度、そして2027年5月に愛媛県で開催が決まった世界最大の自転車都市政策会議「Velo-city2027愛媛」への理解と協力を求める狙いもある。

「青切符制度が始まる4月がやってきます。その前に、もう一度、自転車の素晴らしさを伝えたいと思ったんです。青切符は罰するためのものではない。教育なんです。自転車の立ち位置を社会の中でしっかり認めてもらうための制度だと思っています」と小泉会長。青切符の導入が自転車利用の促進を阻害してしまっては本末転倒だ。制度の本質は、利用者一人ひとりの意識を高めることにある。

そしてゴールは東京・国土交通省とし、自転車活用推進本部長である金子恭之大臣を訪問し、サイクリストとしての思いを届ける予定だ。

60歳からはじめた自転車で1年で12kg減量、命を救われた

写真は小泉純一郎氏が総理の時のもの。右下の質問席に座っているのが小泉昭男氏で、この頃の体重は90kgを超えていた

小泉会長と自転車の出会いは、健康がきっかけだった。

「健康管理のために歩き始めたんですが、膝を痛めてしまってね。なかなか体重が落ちなかったんです」そんなとき、娘から言われた。「お父さん、自転車に乗ればいいんじゃない?」それがきっかけでした。その一言が人生を変えたのだという。

2004年、参議院議員に初当選した小泉会長は、ある決断を下した。多忙を極める国会議員としての生活が始まるそのタイミングで、移動手段の中心を車から自転車へと切り替えたのである。国会までの距離は片道約25km。往復にすれば約50kmという決して短くない道のりだ。それを、ほぼ毎日走るという選択だった。

当時の体重は93kg。議員として活動する中での会食や不規則な生活も重なり、決して軽い体ではなかったという。しかし、自転車通勤を始めて1年。体重は12kg減少した。わずか1年での変化である。周囲からは「大丈夫か」「どこか悪いのではないか」と心配されるほどだったというが、本人はいたって健康そのもの。むしろ体調は日に日に良くなっていった。

健康診断での出来事は今でも鮮明だという。

「エコーを見ていた先生がね、『消えましたね』って言うんです。何がですかって聞いたら、『脂肪肝です』と。ああ、自転車が命を救ってくれたんだと思いました。最初の1年で12kg痩せました。そこから徐々に落ちて、合計で27kg。体重は青年時代の64kgまで戻りました。スーツは3回作り直しましたよ」

生活習慣病をすべて克服し、生命の危機から救ってくれた自転車。その素晴らしさを伝えたい。それが今回の「全国自転車交通安全行脚」のきっかけとなった。

議員時代は自転車活用推進法成立に邁進

自転車活用推進法成立の中心にいた一人が小泉昭男氏である。当時、参議院議員として超党派で組織された「自転車活用推進議員連盟」に幹事として所属。同連盟内に設置された「自転車活用プロジェクトチーム(PT)」の初代座長に就任し、2013年12月、法案の原型となる提言書を取りまとめた。

その背後には、谷垣禎一氏の存在があった。当時、自転車議員連盟会長を務めた谷垣氏は、自転車文化の定着を強く後押しし、自転車に実際に乗っている小泉会長にPT発足を直接指示した。

当時の法案名は「自転車活用基本法(仮称)」。この提言を基礎に議論が重ねられ、2016年12月、「自転車活用推進法」として結実する。日本で初めて、自転車を国家戦略として位置づけた包括的法律だ。小泉氏はその功績を評価され、2021年には自転車活用推進研究会より「九代目自転車名人」に選出されている。

自転車活用推進法は、単なる交通政策ではない。安全、健康、観光、都市政策を横断する“自転車国家戦略”の第一歩だった。その礎を築いた議論は、今も日本の自転車環境の進化を支えている。

「実際に乗らないで制度は作れないと思ったんです」その思いから小泉会長は自転車に乗り続けた。

1年に1万km、10年で10万kmを走破した

10万km達成を記録したサイクルメーター。記録できるのは99,999kmまでなので、10万kmを目前に記録を止めている

ロードバイクの魅力に取りつかれた小泉会長だが、2016年にマホガニー製のロードバイクを手に入れてから、誰にも言わずに目標を立てた。

「10年で10万km走ろうと決めました。ただ、公言すると達成できないといけないので、はじめは黙ってやろうと思いました。でも、1年に1万kmを走るのは簡単じゃないですよ。走れる日は覚悟を決めて乗らないと届かない距離です」

仕事や健康、そして天候が悪くて走れない日もあるので、走れる日は50km以上走らなければ年間1万kmは達成できない。通勤にも自転車を使った。朝も、帰りも。会合先、そして選挙区のあった神奈川県内はほぼ自転車で向かったという。

「全国いろいろなところを楽しみながら走らせてもらいました。北海道でクマが出るような場所を走ったこともありますし、トンボに道案内してもらったこともある。不思議な体験がたくさんありました」

そして2025年11月7日、ついに目標の10万kmを達成した。

速さより“ちょうどいい速度”

奥様の愛車フィアット500にテントと自転車を乗せて全国を巡っている

小泉会長の自転車人生を語るうえで欠かせないのが、奥様との旅だ。長距離を単独で走る挑戦とは別に、夫婦でゆったりと楽しむサイクリングがある。奥様の愛車は電動アシスト付きのいわゆる“ママチャリ”。一方、小泉会長はロードバイク。スピードも走行スタイルも違うが、それでいいという。

奥様の愛車・フィアットには自転車を2台積めるキャリア、そして屋根にはテントを装備。目的地まで移動し、現地で走るスタイルが基本だ。諏訪湖や山中湖など、湖畔を巡るコースがお気に入り。奥様は無理のない距離を、会長は周回コースを少し長めに走る。途中で合流し、景色のいい場所で休憩する。そんな時間の積み重ねが、二人の旅のかたちだ。

「帰りに日帰り温泉に入るのが定番ですね」。走った後の温泉は格別だという。サービスエリアで仮眠を取りながら、1泊程度の小旅行を楽しむこともある。足を伸ばしてしっかり休めば、翌日の疲労も残らない。

若い頃は速さに魅了されたが、いまは“ちょうどいい速度”を大切にしている。歩きより遠くへ行ける。車よりも風や匂いを感じられる。夫婦で並んで走れば、会話も生まれる。

「自転車は人生で一番長く付き合える道具」。その言葉の裏には、奥様と分かち合う穏やかな時間がある。競うのではなく、支え合う。小泉会長の自転車人生には、もうひとつの豊かな旅が息づいている。

そして健康についても持論がある。「はぁはぁ、ぜーぜーするような走り方では痩せません。息が少し上がるくらいで、長く続ける。それが内臓脂肪を燃やすんです」

これがダイエットにもなるし、身体にも負荷をかけないで続けられる秘密だという。

小泉会長の背中にあ交通安全、全国行脚の文字が入る

「自転車で安全!楽しさ100倍!」

 

写真提供:自転車活用推進研究会

「みんながルールを守れば、自転車は安全になる。安全になれば、健康にもつながる。青切符は、そのためのきっかけなんです」

取り締まりの強化が目的ではない。自転車の立ち位置を社会の中で確かなものにするための転換点だという。利用者一人ひとりがルールを守る。その当たり前の積み重ねが、安全をつくり、安心を生み、やがて文化になる。

小泉会長の視線は、さらにその先を見据えている。「国民全員が自転車で健康寿命を伸ばせば、医療費は大幅に削減できると思っています」25kmの通勤で体を変えた実体験があるからこそ、言葉に重みがある。自転車は趣味やスポーツにとどまらない。日常の移動を変え、生活習慣を変え、社会のコスト構造すら変える可能性を持つ。

そして今の目標は明確だ。「100歳になって、アワーレコードに挑戦したいと思っています。1時間に何km走れるか。それを目標にしています」と、挑戦はさらに広がる。

「自転車で安全!楽しさ100倍!」その合言葉のもと、小泉会長は100歳まで走り続ける。

みんなで走る東海道五十七次 仲間募集中

3月1日、大阪からのスタートの模様。有志が集まった 写真提供:自転車活用推進研究会

今回の東海道五十七次。京都〜江戸の五十三次に、大阪〜京都の四次を加えた象徴的なルートだ。歴史の大動脈をたどるこの道に、締めくくりとしての思いを込めたという。

「締めくくりは東海道にしようと決めました。できれば、各地の皆さんと一緒に走りたい」

街道は、人と人をつなぐ道だ。かつての旅人がそうであったように、いまのサイクリストもまた、土地の風を受け、人と出会いながら進む。徒歩より遠くへ行ける。車よりも街の匂いを感じられる。自転車の“ちょうどよさ”が、歴史の道と重なる。

「東海道五十七次」では下記のように応援や随行も歓迎しているが、条件がある。「完全ルール遵守でお願いします。それが今回の一番のメッセージです」。

【募集要項】全国自転車交通安全行脚・最終章

一般財団法人日本自転車普及協会 小泉昭男会長による「全国自転車交通安全行脚」の最終章として、大阪から東京へ至る東海道五十七次を走行します。

目的

  • 4月施行の自転車青切符制度への理解促進
  • 自転車による健康寿命延伸の啓発
  • 2027年開催「Velo-city2027愛媛」成功への機運醸成

東海道57次 走行日程(予定)

※天候・災害・社会情勢等により変更の可能性があります。

【第1区間】3月1日(日)

10:00集合
大阪城公園・高麗橋通り角
→ 伏見でランチミーティング(散会)
距離:約40km

【第2区間】3月14日(土)

10:00集合 びわ湖浜大津駅 港側・大津城跡石碑広場
→ 琵琶湖大橋 → 近江八幡ランチ(散会)
走行予定距離:約45km

【第3区間】3月15日(日)

10:00集合 岐阜羽島駅 北口
→ 一宮 → 熱田神宮「宮きしめん」ランチミーティング(散会)
走行予定距離:約60km

【第4区間】3月21日(土)

10:00集合 三河安城駅北口・矢総公園
→ 豊橋 → 浜名湖弁天島サイクルゲート ランチミーティング(散会)
走行予定距離:約50km

【第5区間】3月22日(日)

10:00集合 東横イン浜松駅北口 横庭
→ 浜名湖 → 掛川城周辺ランチミーティング(散会)
走行予定距離:約55km

【第6区間】3月28日(土)

10:00集合 三島駅南口 スターバックス前
→ 芦ノ湖ランチ → 箱根 → 小田原宿泊(散会)
走行予定距離:約50km(獲得標高多)

【第7区間】3月29日(日)

10:00集合 小田原城 蓮池弁財天
→ 茅ヶ崎 → 逗子/葉山ランチミーティング(散会)
走行予定距離:約55km

【最終訪問】3月30日(月)または31日

東京都庁、警察庁、国土交通省を訪問予定

主催 一般財団法人 日本自転車普及協会

伴⾛参加登録はこちらから↓
https://forms.gle/rQoUraSg2oTzveUUA

一般財団法人 日本自転車普及協会公式サイト:https://www.bpaj.or.jp/?tid=102002

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PROFILE

山口

Bicycle Club / 編集長

山口

バイシクルクラブ編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。47歳を迎えた現在ではレースだけではなく、サイクリングを楽しむためために必要な走行環境やサイクルツーリズムなどの環境整備などにも取り組んでいる。

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バイシクルクラブ編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。47歳を迎えた現在ではレースだけではなく、サイクリングを楽しむためために必要な走行環境やサイクルツーリズムなどの環境整備などにも取り組んでいる。

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