
新城幸也らのリードアウトからラヨビッチが圧勝! 小石がアジア首位発進|ツール・ド・台湾第1ステージ
せいちゃん
- 2026年03月16日
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アジア有数のステージレース「ツール・ド・台湾(UCIアジアツアー2.1)」が3月15日に開幕。首都・台北で行われた第1ステージは、新城幸也らを擁するソリューションテック・NIPPO・ラーリがレースを完璧にコントロール。最後は新城らのリードアウトからエースのドゥシャン・ラヨビッチ(セルビア)がスプリントを制し、最初のイエロージャージを獲得した。また、逃げに乗った小石祐馬(キナンレーシングチーム)がボーナスタイムを獲得し、アジアンリーダーのブルージャージに袖を通している。
台北市のランドマークを巡る80.6kmの高速クリテリウム

長きにわたる歴史を刻むツール・ド・台湾。2026年大会には世界各国から21チーム・104名がエントリーし、UCIワールドチームのロット・アンテルマルシェ(ベルギー)を筆頭に、プロチームやアジアの強豪コンチネンタルチームが集結した。
日本勢は、キナンレーシングチーム、TEAM UKYO、愛三工業レーシングチーム、Astemo宇都宮ブリッツェン、スパークルおおいたレーシングチームの5チームが参戦。さらに海外チームに所属する新城幸也や鎌田晃輝(ともにソリューションテック・NIPPO・ラーリ)、今村駿介(ロット・アンテルマルシェ)、小山智也(ブルゴス・ブルペレット・BH)など、多くの日本人選手が顔を揃えた。

大会初日は、台北市の二二八和平公園を発着点とし、景福門などの歴史的ランドマークを巡る仁愛路の往復コース。8.91kmを9周する80.6kmのフラットなショートステージだ。平均時速が50km/hを超えるハイスピードな展開と、途中に2回設定された中間スプリントでのボーナスタイム争いが、今後の総合成績を左右する重要な要素となる。

パレード走行を終えてリアルスタートが切られると、アタック合戦が勃発。しかし道幅の広い幹線道路であるため決定的な逃げはなかなか決まらない。日本勢ではキナンの山本元喜や新城雄大が動きを見せ、ソリューションテック・NIPPO・ラーリは鎌田晃輝が集団前方に位置取って逃げの選別を行った。

レースが動いたのは中盤の残り40km地点付近。小石祐馬(キナンレーシングチーム)、ファーガス・ブラウニング(トレンガヌサイクリングチーム、オーストラリア)、コーマック・マギオ(セブンイレブン・クリック・ロードバイク・フィリピン、アイルランド)の3名が抜け出し、逃げグループを形成した。総合成績を狙う小石の目的は、中間スプリントポイントに設定されたボーナスタイム。小石らはメイン集団から約30秒のリードを保ったまま2回目の中間スプリントへ向かい、小石は2位通過で貴重なボーナスタイム2秒を獲得。目標を達成した小石とマギオは集団へと戻っていった。
新城幸也の牽引からラヨビッチが圧勝 TEAM UKYOのダマトが3位

先頭に1人残されたブラウニングに対し、メイン集団は今村駿介やロレンツ・ファンデウィンケルを擁するロット・アンテルマルシェらが鉄壁のペースコントロールを見せ、残り18kmで吸収。いよいよ各チームが隊列を組んでのハイスピードなポジション争いが幕を開けた。
残り3kmを切ると、ソリューションテック・NIPPO・ラーリが右側から完璧なラインを形成。ベン・グランジャー(イギリス)、新城幸也、ティレン・フィンクスト(スロベニア)、そしてエースのドゥシャン・ラヨビッチという強固なトレインが主導権を握る。新城は残り700m付近まで集団先頭を力強く牽引し、エースを発射する役目を完璧に果たした。
フラムルージュ(残り1km)を通過した直後、集団内で大規模なクラッシュが発生。Astemo宇都宮ブリッツェンのスプリンターである岡篤志らが巻き込まれる不運に見舞われた(残り3km以内の救済措置により同タイム扱い。岡は膝の打撲の軽傷)。

混沌とした最終盤を抜け出したのは、圧倒的なスプリント力を見せつけたラヨビッチだった。TEAM UKYOも素晴らしい連携からアンドレア・ダマト(イタリア)と寺田吉騎を絶好の位置に引き上げたが、完璧に発射されたラヨビッチが先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた。2位にリアム・ウォルシュ(シーキャッシュ・ボディラップ、オーストラリア)、3位にダマトが入り、日本勢ではキナンのルーカス・カーステンゼン(ドイツ)は8位、TEAM UKYOの寺田は9位に食い込んだ。

小石祐馬がアジアンリーダー獲得「今日の2秒が重要になる」

鮮やかな勝利でイエロージャージを獲得したラヨビッチについて、アシストとして勝利に貢献した新城幸也は「予定通りにベン、僕、ティレン、ドゥシャンの順で先頭を譲ることなく、僕も残り700mぐらいまで先頭で役目を果たした。全員が良い仕事をしてくれた結果が実って良かった」とチームの完璧な連携を振り返った。

また、逃げに乗って見事にボーナスタイムを獲得した小石祐馬(キナンレーシングチーム)は、個人総合でも6位につけ、アジア最上位選手に与えられるブルージャージ(ベストアジアンライダー)を獲得した。「総合を狙う選手として何ができるかを考えたら、中間スプリントでボーナスタイムを獲ることだった。明日以降も僅差の戦いが続くと予想しているので、今日得た2秒がすごく大きな意味を持つと考えている」と語り、翌日以降の山岳ステージを見据えた。
翌日の第2ステージは、桃園市をスタートし内陸の山岳地帯へと向かう123.31km。後半に2級山岳が連続する今大会の「クイーンステージ」であり、総合争いが本格化する。小石のブルージャージ防衛や、各チームの総合争いに期待がかかる。
ツール・ド・台湾2026 第1ステージ リザルト
1位 ドゥシャン・ラヨビッチ(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ、セルビア) 1時間35分54秒
2位 リアム・ウォルシュ(シーキャッシュ・ボディラップ、オーストラリア)
3位 アンドレア・ダマト(TEAM UKYO、イタリア)
4位 ティボー・ベルナール(ロット・アンテルマルシェ、ベルギー)
5位 ティレン・フィンクスト(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ、スロベニア)
6位 マティス・グリゼル(ロット・アンテルマルシェ、フランス)
7位 ポール・エヌカン(エウスカルテル・エウスカディ、フランス)
8位 ルーカス・カーステンゼン(キナンレーシングチーム、ドイツ)
9位 寺田吉騎(TEAM UKYO、日本)
10位 ロドリゴ・アルバレス(ブルゴス・ブルペレット・BH、スペイン)
個人総合成績(イエロージャージ)
1位 ドゥシャン・ラヨビッチ(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ、セルビア) 1時間35分44秒
2位 リアム・ウォルシュ(シーキャッシュ・ボディラップ、オーストラリア) +1秒
3位 アンドレア・ダマト(TEAM UKYO、イタリア) +6秒
4位 ファーガス・ブラウニング(トレンガヌサイクリングチーム、オーストラリア) +7秒
5位 ニル・ヒメノ(エキポ・ケルンファルマ、スペイン) +8秒
6位 小石祐馬(キナンレーシングチーム、日本)
7位 ディラン・ホプキンス(ルージャイ・インシュランス、オーストラリア) +9秒
8位 コーマック・マギオ(セブンイレブン・クリック・ロードバイク・フィリピン、アイルランド)
9位 ティボー・ベルナール(ロット・アンテルマルシェ、ベルギー) +10秒
10位 ティレン・フィンクスト(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ、スロベニア)
ポイント賞(グリーンジャージ)
リアム・ウォルシュ(オーストラリア、キャッシュ・ボディラップ)
アジアンライダー賞(ブルージャージ)
小石祐馬(キナンレーシングチーム、日本)
チーム総合成績
ロット・アンテルマルシェ
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PROFILE
せいちゃん
稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている
稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている



















