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テーラーメイド『Hi-Toe 5』登場。軟鉄鍛造と5つのソールで、寄せの自由度がさらに広がる

寄せは、難しい。30ヤード。20ヤード。グリーン脇のラフ。薄い芝。バンカー。

ドライバーなら、多少のミスは距離で取り返せる。だが、グリーンのそばではそうはいかない。数センチの入り方の違いが、そのままスコアになる。だからウェッジには、技術が要る。いや、本当にそうだろうか。

テーラーメイドから登場する『Hi-Toe 5』は、そんな問いを投げかけてくる。2026年9月4日発売予定。シリーズを象徴する大型ハイトウ形状とフルフェースグルーブを受け継ぎながら、『Hi-Toe』として初めて軟鉄鍛造を採用したモデルだ。

ミスを消すのではない。打ち方を増やす

『Hi-Toe 5』の顔を見る。トウが高い。フェースが広い。そこへ、ヒールからトウまで溝が走る。

ウェッジを開けば、ボールはフェース中央から外れやすい。とくに高く上げようとすれば、打点はトウ側へ逃げる。その場所にもグルーブがある。

採用されたのは、『MILLED GRIND 5』にも使われるソー・ミルド・グルーブ。鋭く精密な溝形状によって、スピン性能とコントロール性能を高めている。フェースを開いた場面やトウ側でとらえた場合にも、安定したスピンを狙う設計だ。

つまり、真ん中で打つことだけを要求しない。ここが面白い。ゴルフクラブは長く、「正しく打て」とゴルファーに迫ってきた。だがショートゲームでは、正解はひとつではない。開く。閉じる。転がす。上げる。砂を取る。薄く拾う。『Hi-Toe 5』は、打ち方を矯正するより、その幅を受け止めようとしている。

雨の日にも、朝露にも。スピンは条件に左右される

もうひとつ、目を向けたい場所がある。フェースだ。

『Hi-Toe 5』はRAWフェースを採用。さらに「スピン・トレッド・テクノロジー」と呼ばれるレーザーミーリングを施している。狙いは、フェースとボールの間に残る微細な水分を逃がすこと。乾いた芝だけでなく、朝露や雨天時にも安定したスピン性能を目指した構造になっている。

ショートゲームでは、同じ30ヤードが同じ30ヤードではない。芝が濡れている。ボールが濡れている。砂が湿っている。人間の技術だけでは埋めきれない差がある。だから道具が働く余地がある。

5種類のソール。ウェッジ選びはロフトだけでは終わらない

『Hi-Toe 5』には5種類のソールグラインドが用意される。

伝統的なATV。安定性と寛容性を意識したATX。シリーズ最大幅のワイドソールを持つATW。汎用性を求めたATS。そして薄いライや硬い芝での操作性を狙ったATC

ATSとATCはカスタムメイドクラブのみの展開となる。

たとえばATWは、スクエアに構えて打つゴルファーや、ミスへの強さを重視する人を想定したワイドソール。やわらかい芝、深いラフ、バンカーで寛容性を発揮する設計だ。

一方のATCはローバウンス。薄いライや硬い芝でボールコンタクトを求めるタイプに向く。どちらが上ではない。自分がどこで困っているのか。それを知ることが、ウェッジ選びになる。

軟鉄鍛造になった意味

今回、シリーズで初めて軟鉄鍛造を採用した。

ヘッド/フェース素材は軟鉄[8620]。仕上げはシリーズらしいCOPPER。メーカーは、ショートゲームに求められるソフトな打感とフィーリングを狙ったとする。『MG5』も軟鉄鍛造のため、両モデルを組み合わせた際にも一貫した打感を意識している。

たとえばフルショットを打つロフトにはコンパクトな『MG5』。グリーン周りで球筋を作るロフトには大型ハイトウの『Hi-Toe 5』。

ウェッジを同じモデルでそろえなくてもいい。役割で分ける。その発想が、このモデルの背景にはある。

価格は31,900円。自分仕様なら『My Hi-Toe 5』もある

『Hi-Toe 5』の価格は、Dynamic Gold HT、N.S.PRO 950GH NEOともに31,900円(税込)。発売は2026年9月4日予定だ。

さらに同日から、自分好みに仕立てる『My Hi-Toe 5』の受付も始まる予定だ。

こちらはサテンクローム、エイジドカッパー、チャコールブラック、ツアーロウの4種類からヘッド仕上げを選択できる。ロゴやロフト表記などは15色からカラーを選べ、フェルールも6色を用意。ロゴは54種類。刻印方法も選べる。価格はフェルールがブラックの場合、38,170円(税込)となる。ブラック以外のフェルールは825円(税込)の追加料金が必要だ。

ウェッジは、傷が増える。フェースには跡が残る。ソールは削れる。使えば使うほど、新品から遠ざかる。だからこそ、自分で仕立てた一本には意味があるのかもしれない。スコアを縮める道具でありながら、長く付き合う道具でもある。

『My Hi-Toe 5』詳細

寄せがうまくなるとは、技術を増やすことなのか。それとも、ミスを受け止めてくれる道具を知ることなのか。

『Hi-Toe 5』を見ていると、その境目が少し曖昧になる。そこが、このウェッジのいちばん興味深いところだ。

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EVEN 編集部

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スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。

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