
尾瀬沼の命の活動といま会える鳥たち|まだ知らない尾瀬ストーリー#20
HagiwaraMai
- 2026年06月05日
“尾瀬”と聞くと思い描く景色はどんなものでしょうか?
「湿原と山と木道」という景色を思い浮かべる方が多いかもしれません。尾瀬はその景色があまりにも有名で、その成り立ちや歴史、その周辺地域のこと、そこに関わる人々のことはほとんど知られていません。じつは尾瀬には感動的なストーリーがいくつもあるのです。
尾瀬をこよなく愛するOze Nature Interpreterの私が、尾瀬のさまざまなストーリーをお届けします!
一瞬のきらめきとミステリアスな鳥
もしかしたらどの山域でもそうかもしれないけれど、今年は尾瀬も“早い”です!
なんやかんや忙しく、尾瀬沼に行くことができていなかったのですが、6月2日についに尾瀬沼に行ってみたらびっくり……。標高1,660mの尾瀬沼のミズバショウの花は、すでに見頃をすぎ、実になり始めていました!

例年であれば、この時期に尾瀬のミズバショウたちは見頃になり、葉っぱはまだ小さくさらには真っ白な仏炎苞と黄色いたっぷりとした花粉もまだまだ見られる時期。「早い、早い」と聞いて、きっとそうなんだろうなぁと思っていましたが、実際に行ってみると少雪の影響を目の当たりにしたような気がします。



とはいえ、真っ白な仏炎苞(ブツエンホウ)と黄色い花粉がまだまだ見られるミズバショウもありますので、もしこれから尾瀬を訪れようとされている方は、ぜひ探してみてくださいね!

さぁさぁ、「雪が少ないからなぁ」とか「ミズバショウ以外も早いなぁ」とか、いろいろと考えるとキリがないので笑、目の前で懸命に生きるかわいい命たちもご紹介します!








と、アップし出したらきりがないくらい、たくさんの植物が、競うように命の活動をしています。よく、「ミズバショウ終わっちゃったなぁー」という声を聞きますが、お花の時期は植物たちにとって一瞬のきらめき。むしろ、お花が咲いていないときのほうが長いことを思い出して、植物のいろんな姿を観察していただけたらうれしいです。

植物の中には数年経たないと、花が咲かないものがありますが、まさに、私たちの目の前でくり広げられる植物の活動は奇跡でしかない。
そうそう、最近行なうようになった「オンライン尾瀬を学ぶ会」で花生態学のお話をすることがあるのですが、植物たちには人間の目には見えていないストーリーがたくさん隠されているんです!このような植物学の一分野を知り、その視点から尾瀬を見てみるとお花だけでなく、自然の世界を俯瞰してみられるようになるかもしれません。

さぁ、尾瀬ではあらゆるお花が開花し、春の訪れを告げるオオジシギやカッコウの鳴き声も聞こえる季節。今回はこの季節に出会うことのできる、そのふたつの鳥についてもご紹介しようと思います!

オオジシギは、雪解けの時期になると尾瀬にやってきて、暑くなってくると鳴き声を聞くことも姿を見ることもなくなる鳥です。とっても特徴的な鳴き声や音を発する鳥なので、気になる方は「オオジシギ 鳴き声」や、「オオジシギ ディスプレイフライト」などで検索してみると、オオジシギの発するおもしろい音を聞くことができると思います。
また、10年ほど前の調査で、北海道の苫小牧からニューギニア島までノンストップで飛び続ける個体がいることがわかったなど、小さな体からは想像できないようなことを成し遂げる鳥でもあります。私はこのことを知ってからこの鳥に対して、いままでよりも思い入れが一層深くなりました。

さて、尾瀬の春といえば、こちらのカッコウの鳴き声を耳にする方のほうが多いかもしれません。
どこからともなく「カッコウカッコウ……」と聞こえてきて、耳を済ませていると「ハッホウ」と鳴いていたり「カッホウ」というのもいたり、意外といろいろな鳴き方をしているカッコウがいることに気がつきます。このカッコウの鳴き声は、私たち人間にとってみたら“春の訪れ”を告げる鳥で、どこか清々しさを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ほかの鳥たちにとってみれば「うわ……カッコウだ……」となっているかも!?
私も音楽の授業で「かっこう」という歌を習ったとき、爽やかそうなイラストと曲調に、カッコウの白くてきれいな姿を想像したものでした。しかし、ビジターセンターで働いていたときにカッコウのことを調べてみると、“托卵”を行なう鳥だということと、その姿にびっくり!いままでのイメージとのギャップがすごい(笑)。そして、カッコウのミステリアスさに、逆に興味をそそられました。
このカッコウのお話はまた、「オンライン尾瀬を学ぶ会-カッコウ編-」で深くお話しようと思っていますので、興味のある方は、ぜひ私のInstagram(@oze.nature)のお知らせをチェックしてみてくださいね!
もちろんそれより前に、植物たちの命の活動とオオジシギやカッコウに会いに、尾瀬に足を運んでいただけたらうれしいです!※カッコウは、木の一番上あたりで、尾を上げながら鳴いているので、ぜひ探してみてくださいね!

【今年も”尾瀬を未来につなぐために”さまざまなイベント・プログラムを行ないます】
現時点で決定しているものをお伝えします!
■オンライン“尾瀬を学ぶ会”
「この感動を、もっと多くの人と分かち合いたい」 「ただ見るだけでなく、尾瀬の背景にある物語を知ってほしい」そんな想いから、オンラインの「尾瀬を学ぶ会」をスタートすることにしました。
インタープリターとして現地で植物や動物たちの声に耳を傾けてきた経験を活かし、画面越しではありますが、尾瀬の奥深い魅力をお届けします。
■Oze Yoga
忙しい毎日から少しだけ離れて、 標高約1,660mにある「尾瀬沼ヒュッテ」で 特別な2日間を過ごしませんか?「尾瀬に、安全に、長く通い続けるために」 。1日目は自分の身体と向き合い、2日目は尾瀬を学ぶ。 ただ歩くだけではない、特別な時間をお届けします。
■尾瀬のためにフェス
分野にとらわれないつながりをつくることが、尾瀬や自然を守るために大切だと考えています。お越しいただいた来場者さま、出店者さまそして尾瀬がつながる……。いままでにない尾瀬のつながりが尾瀬を未来につなぐと信じて。”尾瀬のためにフェス”を開催します!
■ツキノワグマについて知ろう!
”ツキノワグマに注意”が増えてしまっているいまだからこそ、正しくクマのことを知ってみませんか?ツキノワグマの生息地でもある尾瀬や山を愛するみなさんに、ぜひ知っていただきたい内容です。株式会社群馬野生動物事務所の春山さんをお招きして、お話しいただきます。
→詳細はOze Nature InterpreterのInstagramにてアップいたします!
Instagram@oze.nature
SHARE
PROFILE
ランドネ / Oze Nature Interpreter
HagiwaraMai
尾瀬高校自然環境科の卒業生であり、尾瀬のビジターセンターや山小屋、ガイド団体で働いた経歴をもつ。現在は、尾瀬をこよなく愛するOze Nature Interpreterとして尾瀬とその周辺地域の知られざるストーリーを伝える活動をしている。
尾瀬高校自然環境科の卒業生であり、尾瀬のビジターセンターや山小屋、ガイド団体で働いた経歴をもつ。現在は、尾瀬をこよなく愛するOze Nature Interpreterとして尾瀬とその周辺地域の知られざるストーリーを伝える活動をしている。



















