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Teenage Brewing(ティーンエイジブルーイング)/埼玉県|山とクラフトビール〜ブルワーを訪ねて、特急で!〜

下山後の一杯はどんな飲みものでもおいしい。とくにシュワっとする、地元ならではのクラフトビールは格別です。そんな特別なビールを作っているブルワーさんを訪ねて、そのおいしさ、魅力をちょっとだけ深く紹介します。

紹介してくれたのは

オーナー 森大地さん

Teenage Brewing / Taproom “bekkan”
住所:埼玉県比企郡ときがわ町馬場435-1
https://www.instagram.com/teenage_bekkan/

10代のときのワクワク感を缶に詰めて

いつもどおり、撮影の〝前日〟に編集の山﨑さんより撮影当日のスケジュールが送られてきた。今回は埼玉県の比企郡にある愛宕山を登ってから、お目当てのブリュワリーに行くとのこと。私はなんとか山登りを回避するつもりだったが、今回はランドネ編集長からも「山に登らせよう」という圧力がかけられているとのことで、いろいろと用意していた言い訳たちは、心にしまい、覚悟を決めた。

翌日は指定されていた6時34分発の電車に乗って、明覚駅へ(早すぎるぅ)。拝島で八高線への乗り換え時間が10分あったので、山登りに向けてカロリーの摂取が必要だった私は、迷わず駅構内にあった吉野家にイン。牛丼並に卵を摂取する、タンパク質を意識したパーフェクトな朝食だ。爪楊枝をくわえたまま、ギリギリ八高線に乗り込み、予定どおり明覚駅に到着。山﨑さんと合流し、愛宕山へ向かう。駅から登山口まで20分ほどあるき、いざ登山開始。

気合いを入れて第一歩を踏み出す。最初からかなりの急勾配だ。モモに乳酸がたまり始める。呼吸も荒い。「なぜ人は山に登るのだろう」。そんな哲学的な問いが頭をよぎる。それでも一歩、また一歩と足を前に出す。負けるな自分。がんばれ自分。何度も諦めそうになったが、ついに登頂を果たす。登山口から山頂まで約10分のできごとだった(牛丼を食べていた時間とおなじ時間)。ランドネ読者のみなさんにとってはマリオがクリボーを潰すくらいの労力だろうが、私にとってはクッパを倒すくらいの大きな成長。大パノラマ……というよりも、さっき通った民家の屋根や畑が見下ろす田舎ビューを眺める。登山時間10分にしては、きれいな景色だった。

じつはここからが大変だった。下山してから、ときがわ町にあるティーンエイジブルーイングまで徒歩で40分を〝歩く〟と言う。山﨑さんにタクシーを懇願するも、却下され、畑しかない田舎道を歩き続けた(山登り!よりきつかった)。

そして、ついにティーンエイジブルーイングへ。出迎えてくれた代表の森大地さんは、もともと音楽レーベルやライブハウスを運営し、自身もミュージシャンとして活動してきた方であり、音楽関連の仕事をやっていたにも関わらず、40代を迎え、「別の燃え上がるなにかをゼロから始めてみたい」と考え、2023年にブルワリーを立ち上げたという。ビール造りのこだわりにも驚かされた。思いどおりの味にならなければリリースを延期し、レシピを改めてもう一度醸造しなおすこともあるという。

▲「世界一のビールを目指したいという心意気でやってるんで、これぐらいの規模が必要だった」と森さん。タップルームのガラス越しから大きな醸造所が見える

森さんは「ビールはライブとCDの中間みたいな存在」と話していた。飲むという体験はライブのようにその場で消えていく。しかし缶はCDのように手元に残すことができ、缶を見るたびに、その日の景色や会話を思い出すことができるという。なるほど、音楽を作ることと、ビールを造ること。一見まったく違うようでいて、森さんにとっては「手段は違うだけで、人を楽しませる」というゴールはおなじなのかもしれない。

▲多くの人に自分たちのビールを届けるため、缶での提供にこだわっている。数千万円もするカンニングマシーンを導入している

実際に森さんは昨年、アーティストとしてフジロックのステージに立った。さらにおなじ年、ブリュワーとしてフジロックのオフィシャルビールの醸造にも携わった。音楽を続けた先にフジロックがあり、クラフトビールの先にもフジロックというゴールが待っていたというのは、あまりにドラマチックな話だった。これからのティーンエイジブルーイングの未来がじつに楽しみである。

ティーンエイジブルーイングをあとにし、武蔵嵐山で途中下車。気になっていた中華料理屋「三宝」で餃子をつまみながら、ぼんやり。森さんは音楽とビールで、フジロックという夢を叶えていた。私は餃子でどこにたどり着くのだろう。私にとってのフジロックとは……。その答えはわからなかったが、目の前の餃子はとてもおいしかった。

下山後の一杯は……

KILLER TUNE

  • 1,500円
  • スタイル:DDH IPA
  • アルコール度数:約6.0%
  • サイズ:500㎖

缶を開けた瞬間、トロピカルな香りが飛び出す。飲み干したあとも余韻が続く。キラーチューンという名も伊達じゃない。「ラベルは昔のCDのジャケ買いに近い」と森さんは言う。期待以上の一杯だった。

おすすめの山

愛宕山

明覚駅の近くには、愛宕山がふたつある。今回向かうのは、山頂近くで景色が開けるほう。駅から川沿いをのんびり歩き、登山口に到着。急坂ではあるけれど、木の階段や草刈など、道は整備されているので歩きやすい。開けたところで、ひとやすみするのもいい。

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PROFILE

オガサワラガク

ランドネ / 餃子超人

オガサワラガク

餃子に魅了され、あらゆる手段で餃子情報を発信する、餃子愛好家。ビールについてもかなり詳しい。登山は始めたばかり。

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