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コンパクトボディに独自技術を詰め込んだ最新型ビーコン|ピープス/ミニIPS

ビーコンなどスノーセーフティギアの専業ブランドとして、先進的な製品をリリース、業界をリードし続けているオーストリアのピープス社。

2023年には、電磁気の影響を低減する独自技術を搭載した「プロIPS」を発売し、ビーコンを新しい世代へとアップデートさせた。

このプロIPSで取り入れられた技術を搭載した、軽量、コンパクトな新モデル「ミニIPS」が2025年のウインターシーズンに新登場。バックカントリースキー・スノーボーダーに限らず、雪山登山者も注目すべきこのビーコンについて、今回は掘り下げていく。

文◉PEAKS
写真◉熊原美惠

プロIPSの普及モデルが登場

ビーコンは、雪山で雪崩に巻き込まれた際、埋まってしまった人を捜索するために使用する。文字通り、“バックカントリー”を滑るスキーヤー・スノーボーダーにとっては必携品として知られるアイテムだが、雪山登山においても雪崩と無関係でいられない。

積雪量が比較的多い雪山に向かうのであれば、その場所の雪の状況、さらに雪崩の危険度などについて下調べをして、それに合わせてスノーセーフティギアなどを用意することが望ましい。

スノーセーフティギアのひとつであるビーコンは、いくつかのメーカーからリリースされているが、代表的なメーカーのひとつがピープス社だ。このピープスのハイエンドであり、市場の最新モデルともいえるのがといえるのが、2023年にリリースされたプロIPS。IPSは、「Interference Protection System」の略で、直訳すると「干渉保護システム」となる。電磁気の干渉から機器を保護するシステムという意味であり、おもにビーコンが発するシグナルが金属やスマートフォンなどの電子機器に阻害された際、自動で正しい出力へと戻すようになっている。

プロIPSについて、詳しくは以下の紹介記事も参照を。

雪崩捜索の精度がアップした新世代ビーコン誕生|ピープス/プロIPS

雪崩捜索の精度がアップした新世代ビーコン誕生|ピープス/プロIPS

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このIPSを技術を軽量・コンパクトな筐体に詰め込んだ普及機ともいえるモデルが、今回取り上げる「ミニIPS」である。

黒いボディに黄色が映えるプロIPS(写真左)に比べ、すっきりとしたスケルトンボディでどこかスマートなイメージのミニIPS(写真右)。それもそのはず、メーカーでは一般ユーザーにも親しみを持ってもらえるように雪をイメージしてスケルトンなボディに仕上げたという。

“ミニ”とはいえど、IPS機能は親機ともいえる“プロ”と同等。ためしに、メーカー側で大きな干渉が見られたというアルミパウチに入ったゼリー飲料をビーコンの近くに置いてみると、画面上部に「IPS」と表示され、低減してしまったシグナルを正しい出力まで補正していることがわかる。

ハイエンドモデルであるプロIPSと比べ、いくつか機能が縮小されているものもあるが、そのひとつが捜索範囲。プロIPSの80mに対して、ミニIPSの捜索範囲は50mとなっている。

一般的に雪崩で雪が動く幅(走路)の平均値が80mといわれ、50mというのはその幅に少し足りない。だが、ミニIPXは縦方向と横方向を探知するアンテナの長さが同じため(通常は縦方向のアンテナの方が長い)、シグナルを捉える範囲が楕円ではなく正円に近く、効率よく捜索できるというメリットもある。

一概に捜索に関する性能が低いというわけではなく、違った特性を持っているのだ。

持ち運び&扱いやすいコンパクト・軽量な筐体

考えうる最高の機能を詰め込んだプロISは、それなりのサイズ、重量になっているが、携行しやすさも念頭に置いて開発されたミニIPSは、非常に軽量、コンパクトに仕上がっている(メーカー調べでは、2025年11月時点において市場最軽量のビーコン)。

縦×横×厚みは、プロIPSが120×75×24mmで、ミニIPSが104×74×20。縦方向の長さが16mm短く、さらに厚みが4mmも薄くなっている。

実物で厚みを比べてみると、ミニIPSの薄さが際立つ。

さらに手に持ってみると、サイズの小ささは顕著だ。プロIPSも横幅はそこまで広くないので持ちにくくはないが、ミニIPSは厚みが薄いぶん、手にすっぽりと収まり、安定感がある。

重量は、プロIPSが212gなのに対し、ミニIPSは158g(ともに電池込み)。ボディ自体の重みも違うが、プロIPSが単4電池3本で駆動するのに対し、ミニIPSは単4電池2本という違いもある。

それでも、ミニIPSは送信モードでアルカリ電池使用時は400時間、リチウム電池なら600時間もつので、よほどずさんな電池管理をしなければ、バッテリー切れの心配はない。

ミニIPSの特徴のひとつが、回転式のモード切替スイッチ。ストッパーを外しながらダイヤルを回すことで「SEND」と「SEARCH」に切り替わるようになっている。そのため、本体からの出っ張りが少なく、誤操作する可能性もほぼない。

見やすく操作がわかりやすいディスプレイ表示

ボディサイズに反比例して、ミニIPSはプロIPSよりも大きなディスプレイとなっている。表示される内容は基本的に同じだが、1点違いが。それは捜索する際に表示される行動指示のピクトグラムだ。

下は、捜索が50mから10mの範囲の際に表示される画面。画面上部には「スピーディな捜索を」という意味で、人が走っているイメージのピクトグラムが表示されている。

これが10~5mに近づくと、「速度を落とす」という意味で歩くイメージの表示になり、さらに5m以下になると、「ビーコンを雪面近くに下げて捜索」とわかるように、手を下げたピクトグラムが表示される。

ミニIPSのユーザーとしてビーコンに慣れていない層を意識しており、なるべくスムーズに捜索できるように、表示もわかりやすくする、という開発者の思いが込められている。

専用アプリで常に最新の状態に

ピープスでは、すべてのビーコン、さらにビーコンのシグナルを受信して音と光で捜索を助ける「iプローブ」に対応するスマートフォンアプリを用意している。

このアプリを使用すれば、デバイスのソフトウェアアップデート、さらに正常に作動するかを確認するデバイスチェックなどを自ら行なうことが可能だ。

ビーコンのデバイスチェックでは、シグナルの送信や受信、各種センサー、電池などに問題がないかテストすることができるので、シーズンインの前にはかならず実施しておきたい(下の「ハードウェアリビジョンチェック」の警告は、テスト機でチェックしたために表示されているもの)。

さらに雪崩についての解説ページや、捜索と救助の方法を解説している動画へのリンク(ドイツ語音声で字幕は英語)、さらにIPSテクノロジーに関する説明など、雪崩やビーコンについて学べるコンテンツも充実している。

割安なプローブとショベルのセット販売もあり

雪崩捜索時のその他の必須アイテムが、プローブとショベル。プローブはビーコンで捜索した埋没者を探し当てるために雪に突き刺す長いポールで、積雪量や雪の状態を調べるためにも使用される。

ショベルはもちろん埋没者を掘り出す際に必須。雪山においてはテント泊やビバーク時に雪を掘り出すなど、なにかと使用することが多い。

ミニIPSのリリースに合わせ、このプローブとショベルがセットになった「ピープスセット ミニIPS」も発売されたが、驚くべきはその価格。ミニIPSが55,000円なのに対して、セットは59,400円となっており、実質4,400円でプローブとショベルを手に入れることができる。

セットのプローブは、アルミニウム260スポーツ。丈夫なアルミ製で、長さも必要十分な260cm。一般的な捜索であれば不足のないモデルだ。

ショベルは、T640テレスコピック。モデル名の640は640gという意味で、ピープスの製品の中ではニ番目に軽いモデル。ハンドルは伸縮式となっている。

すべての雪山で遊ぶ人へ

ミニIPSは、最新のIPS技術を搭載しつつ、軽量&コンパクトに、さらに価格も55,000円というエントリー価格に抑えられている。このIPS技術は現在ピープス独自のものであり、今後、他社がこの技術に追いつくには、4~5年くらいは掛かるのではと目されているそうだ。

「せっかく購入するなら機能的に最新で、なおかつ価格も比較的手頃なものを購入したい」という新規&買い替えユーザーにとって、ミニIPSはこの上ないベストチョイス。

「Lifesavers in the Mountains」――ビーコンは山における命の恩人。

そう願うメーカーの信念から生まれた製品だからこそ、ミニは“ミニ”ではない大きな存在感を放っている。

ピープス/ミニIPS

 

  • 価格:¥55,000
  • サイズ:104×74×20mm
  • 使用電池:単4乾電池×2本(アルカリ、リチウム)
  • 電池寿命:400時間(送信モード、アルカリ電池使用時)、600時間(送信モード、リチウム電池使用時)
  • 捜索帯域幅:50m
  • 重量:158g(電池込み)

「ミニIPS」はこちらでチェック

 

企画協力◉ロストアロー www.lostarrow.co.jp/store/

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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