BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo
  • タビノリ

STORE

  • FUNQTEN ファンクテン

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

E-MTBと古道を災害時のライフラインに 山守人と市川三郷町が「防災×マウンテンバイク」の連携協定締結

山梨県市川三郷町と「山守人(Yamanashi MTB 山守人)」が、これまでの地域活性化包括連携協定を更新し、新たに災害対応を見据えた協定を締結した。E-MTB(電動アシスト付マウンテンバイク)と地域に眠る山道(古道)を、災害時の緊急インフラとして活用する日本初の先進モデルだ。

「遊び」を「地域を守る力」へ 道路寸断リスクに挑む日本初の災害対応モデル

市川三郷町「市川公園MTBフィールド」にて行われた調印式の様子

山梨県市川三郷町と、同地を拠点にMTBフィールド開発や普及活動を行う「山守人(一般社団法人山守人および株式会社山守人)」が、災害対応に関する協定の調印式を行った。

これは2023年に両者が締結した協定をアップデートするもので、マウンテンバイク団体として行政と災害対応協定を結ぶのは日本初の事例となる。豪雨や地震で道路網が寸断されやすい中山間地域において、E-MTBと整備されたトレイルネットワークを「命綱」として再定義する画期的なスキームだ。

なぜ「E-MTB×山道」が防災の解になるのか

山の中に眠る古道を再生し、MTBで走ることで道としての機能を維持する

近年、全国各地で頻発する豪雨災害や地震において、中山間地域の集落が道路寸断により孤立するリスクが顕在化している。公道が通れない場合、かつて生活道として使われていた「山道(古道)」が唯一の迂回路となる可能性があるが、その多くは荒廃し、どこが通行可能か把握されていないのが現状だ。

今回の協定は、山守人が日常的に行っている「MTBによる山道の維持管理」そのものを防災力へと転換する点に最大の特徴がある。

1. 燃料不要の緊急車両としての「E-MTB」

高い走破性を誇るYAMAHA YPJ-MT Pro。災害時には強力なアシスト機能が物資輸送や移動を支える

本協定では、E-MTBを単なるレジャー用機材ではなく、「燃料不要の災害対応モビリティ」として明確に位置づけた。

採用されるモデル例として挙げられたヤマハ「YPJ-MT Pro」などの高性能E-MTBは、太いタイヤとサスペンションによる悪路走破性を持ち、人力の数倍のパワーで急勾配を登坂できる。ガソリンが枯渇するような状況下でも、太陽光発電等で充電が可能であれば活動を継続できる点は、内燃機関の車両にはないメリットだ。

これにより、災害時には安否確認、情報伝達、そして食料や医薬品などの物資輸送を担う「ラストワンマイル」の移動手段として機能する。

2. 「遊び」が道を維持し、人を育てる

市川三郷町役場職員によるMTB研修の様子。楽しみながらスキルを身につける

このモデルの秀逸な点は、新たに莫大な予算をかけてインフラを作るのではなく、「日常の遊び」をそのまま「非常時の備え」に直結させていることだ。

普段からMTBライダーたちが山道を走り、整備することで、倒木や路面状況、迂回ルートが常に把握された状態(=生きたインフラ)が保たれる。災害時には「使えることが分かっている道」として即座に運用が可能となる。

また、役場職員や消防団、地域住民が平常時の研修としてE-MTBを楽しむことで、特別な訓練を強いられることなく、機材の扱いや山岳走行のスキルを習得できる。楽しみながら地域を守る人材が育つという、持続可能な人材育成モデルも組み込まれている。

3. トレイルビルド技術を災害復旧へ応用

MTBコース造成で培われた繊細な重機操作技術は、災害時の迅速なルート確保にも役立つ

さらに山守人が保有する、MTBコース造成用のパワーショベル(竹内製作所製TB225・パワーチルト装着)も災害協定のリソースに含まれる。

複雑な3次元地形を整形するトレイルビルダーの重機操作技術は極めて繊細かつ高精度だ。この技術は、災害初動における瓦礫撤去や、寸断されたルートの啓開作業においても高いパフォーマンスを発揮する。

全国の中山間地域へ、「市川三郷町モデル」の横展開を目指す

「遊びが地域を守る力になる社会へ」

そう掲げる本協定は、市川三郷町だけの取り組みに留まらない。日本中に存在する「山道」という遊休資産と、普及が進む「E-MTB」を組み合わせることで、低コストかつ実効性の高い防災モデルを全国の自治体へ提案していく構えだ。

美しい景観と温泉、そしてMTBフィールドを持つ市川三郷町。地域振興と防災を両輪で回すこの新しいチャレンジは、自転車活用推進の新たな可能性を示していると言えるだろう。

問:山守人 https://www.minamialpsmtb.com/

SHARE

PROFILE

Bicycle Club編集部

Bicycle Club編集部

ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

Bicycle Club編集部の記事一覧

ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

Bicycle Club編集部の記事一覧

No more pages to load