
洗濯機にも負けない。長年愛用しているぺツルのヘッドランプ|筆とまなざし#449
成瀬洋平
- 2026年01月21日
43歳は”魔の領域”。うっかりやらかしてしまったできごと
「しまった、やってしまった」
先日登ったマルチピッチでロープが砂砂になり、背負って登ったパック(最近、トレラン用のパックを使っているのだが、これがすこぶる良い)も砂まみれになったので、いっしょに洗濯機で洗った。ちなみに、ロープは洗ったほうが長持ちする。マムートのウェブサイトでも洗濯機で洗うことを推奨している。
パックの中から荷物を取り出し、なにも残っていないことを確認した、はずだった。しかし、洗濯を終えて手に取ると、ポロッとなにかが出てきた。それはなんと、ヘッドランプであった。
フリークライミングでのマルチピッチでは極力荷物は持ちたくない。できればパックも背負わず行動食をポケットにひとつ放り込んで登るくらいにしたい。その日は壁を登ってから山の頂上を経由して歩いて下る予定だったので、アプローチシューズなどの荷物があり、ヘッドランプもパックのポケットに入れておいたのである。
終わったと思った。愛用しているのはペツル社の「アクティックコア」というモデルで、耐水性能は IPX4 (全天候型)。あくまで「少々の雨でも大丈夫」という程度で、パッキンはついておらず「防水」ではない。洗濯機でグルグル回したら助かるはずもない。物価高のこのご時世、新しいヘッドランプを買わなければならないのか……そう思いながら恐る恐るボタンを押す。すると不思議。なにごともなかったかのようにヘッドランプはきちんと灯るではないか。なぜ壊れなかったのか、そちらのほうが不思議で何度もボタンを押すが、その度に正常に点灯してくれる。助かった。余計な出費をしなくて済む。
「さすがペツル!」
中学生のころに初めて買った、豆電球式のヘッドランプもペツルだった。以来、ヘッドランプはいつも同社のものを使っていて、これで4代目。一代平均8年くらい使っている計算になる。長持ちするのもありがたい。
ところで、そもそもの問題は確認不足で洗濯をしてしまったことである。最近なんだかうっかりが多いような気がする。角幡唯介氏曰く43歳は「魔の領域」らしい。初詣のおみくじも良くなかったし、今年はいままで以上に気をつけようと心に誓ったのだった。
著者:ライター・絵描き・クライマー/成瀬洋平
1982年岐阜県生まれ、在住。 山やクライミングでのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作したアトリエ小屋で制作に取り組みながら、地元の岩場に通い、各地へクライミングトリップに出かけるのが楽しみ。日本山岳ガイド協会認定フリークライミングインストラクターでもあり、クライミング講習会も行なっている。

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