
【山小屋泊・テント泊登山】黒部峡谷最奥の温泉小屋。「阿曽原温泉小屋(あぞはらおんせんごや)」|北アルプス山小屋大全
PEAKS 編集部
- 2026年02月27日
INDEX
下ノ廊下と水平歩道のあいだに建つ山小屋。下ノ廊下は「旧日電歩道」とも呼ばれ、電源開発の調査目的のために切り立った岩盤に切り開かれた道だ。一般登山道とは異なり、峡谷沿いの危険箇所の多いルートとなるため毎年小屋のスタッフが一部区間の整備にあたっている。
残雪状況によって作業開始できる時期が変わるため毎年開通時期が異なり、通行できるのは例年約1~2カ月ほど。なお、2024年に限っては能登半島の地震の影響によりトロッコ電車の猫又駅~欅平駅間が不通のため、水平歩道は通行できない。
またこの山域は豪雪地帯で雪崩の巣窟であることから常設の山小屋が建てられない。そのため小屋開け前の2週間ほどで小屋を組み立て、小屋閉めとともに10日間ほどで解体する。そんな背景を知りながら宿泊すると感慨深い。
\スタッフボイス/
下ノ廊下や水平歩道、2007年に開通させた雲切新道、どこを歩くにも長く、簡単なルートではないのでしっかり技術と体力を備えたうえで計画してください!
インフォメーション
| テント場 | 個室 | 自炊室 | 乾燥室 | お風呂 | 生ビール |
| ◯ | ー | ー | ◯ | ◯ | ー |
| ドコモ | au | ソフトバンク | 楽天 | 公衆電話 |
| △ | △ | △ | × | ◯ |
■連絡先
0765-62-1148
https://azohara.niikawa.com/
■営業期間
7月中旬~ 10月末
※詳細はウェブサイトにて要確認
■収容人数
48人
■標高
860m
■宿泊料金
1泊2食 ¥13,000
素泊まり ¥9,000
お弁当 ¥1,000
■水
無料
館内施設
1.山小屋入口にある衣類が干せるスペース
小屋の入口部分。正面には看板がかかり、左は受付。右側の屋根がかかった部分には衣類が干せる。取材時、大雨だったため到着早々ずぶ濡れで、濡れものはまずここに干した。

2.ゆっくりすごせる食堂兼談話室
食事の時間以外はここで本を読んだりお菓子を食べたり、自炊したり自由にすごせる。夕食後には小屋の歴史を知ることができるビデオの上映会も開催している。

3.なんと水洗トイレ!
うれしいことに、紙を流せる洋式水洗トイレが男女別で設置されている。バイオ式を採用している。電力の供給もあるため、24時間電気の点灯も可能だ。

4.トンネルを利用した乾燥室
アーチ状で天井高がある。高熱隧道の掘削当時は鍛冶場として使われていた建物で、高温に耐えられるコンクリート製。冬季間は小屋の建材などを収納している

5.うれしい無料充電コーナー
関西電力の電気供給を受けているため山奥の小屋であるにもかかわらず電気が届いている。そのため登山者も無料で充電ができるのはうれしいポイント。

高温トンネルから湧き出る温泉
阿曽原温泉小屋の魅力のひとつは黒部峡谷最奥の山の出湯に入れることだろう。小屋から5分ほど下ったところに露天風呂がひとつあり、男女別に入浴時間を分けている。夜間は混浴となる。
宿泊者は無料で入浴でき、立寄りやテント泊の場合も800円で利用できる。温泉は湯舟の奥にあるトンネルから引かれている。このトンネルは新黒三発電所への送水トンネル掘削時に土砂出し用としてつくられた横坑だ。
寒い時期には湯温が下がらないようにトンネルをシートで塞いでいるため内部はサウナのよう。外気との気温差で湯気が立ち昇っている。トンネル内にはスノコが敷かれているので、ここで着替えることができる。温泉は無色透明の単純温泉。源泉が89℃なので、湯温が熱いときはホースから引かれた沢水で調節する。
山深い黒部の景色を眺めながらの入浴は極楽。夜間、夜空を眺めながらの入浴も格別だ
浴槽の奥にはシートで覆われたトンネルがあり、湯気が立ち昇る。この内部に源泉があり、温泉が引かれている。トンネル内は脱衣所を兼ねる
食事
【夕食】この日はコロッケとアジフライ、煮物、キュウリの漬物、ひじきの煮物、豚汁。新米ご飯と豚汁はおかわりできる。日替わりのカレーは名物で、おかわりができておいしいと好評。

【朝食】日によって内容が変わる。この日の朝食はスクランブルエッグ、ウインナー、煮豆、納豆、たくあん、梅干し、味のリ、新米と味噌汁。夕食と同様、ご飯と味噌汁はおかわり自由。

部屋
客室は大部屋のみ。12畳半の部屋が4部屋あり、その日の混雑状況により各自が使えるスペースは異なる。

お土産・売店
お土産は現在ステッカー販売のみ。売店はジュースやビール、カップ酒「黒部峡」などを販売。カップ麺やおつまみも購入できる。

売店の隣にはブックスペースがあり、黒部エリアや山にまつわる書籍や雑誌が読める。

テント場
地面:土、草
テント設営数:150
利用料金:1人¥1,200

小屋の下には広々としたテント場が広がる。設営方法は岩でテントの四隅を固定するか、ペグ打ちもできる。テント場にも水場がある。テント場から温泉へ向かう階段があり、温泉までは徒歩5分ほど。テント泊の場合、予約は不要だ。
※この記事はPEAKS[2024年9月号 No.167]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
※最新の情報を直接ご確認の上ご計画ください。
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PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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