
心臓破りでアタックした40歳トマ・ルバが東日本ロードクラシックで独走勝利 孫崎がリーダージャージ奪還
せいちゃん
- 2026年04月27日
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4月26日(日)、群馬サイクルスポーツセンターでJプロツアー第5戦となる「第60回東日本ロードクラシック Day2」が開催された。サバイバルな展開で絞り込まれた5名の先頭集団から、終盤の「心臓破りの坂」で鮮やかなアタックを決めた40歳のベテラン、トマ・ルバ(キナンレーシングチーム)が独走勝利。自身4シーズンぶりとなる白星を挙げるとともに、チームにレース3連勝をもたらした。
サバイバルレースとなった東日本ロードクラシック

群馬サイクルスポーツセンターの6kmサーキットを時計(正)回りで25周する総距離150kmのレース。明確な上りとテクニカルな下りが連続するパンチャー向きのコースであり、中でも最大勾配を誇る「心臓破りの坂」が毎周回選手たちの脚を容赦なく削っていく。

レースは、前週の西日本ロードクラシックで勝利しプロリーダージャージを着用する草場啓吾を擁するキナンレーシングチームを中心に、序盤から激しいアタック合戦が繰り広げられた。4周目には山本元喜(キナンレーシングチーム)や沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン)、金子宗平(群馬マンモスレーシング)ら10名の強力な逃げ集団が形成されたが、他チームのチェックが入り7周目までに吸収される。

決定的な動きが生まれたのは中盤の11周目。メイン集団が割れ、20名強の先頭集団が形成された。ここにはキナンレーシングチームがルバ、山本、草場、新城雄大の4名を送り込んだほか、Astemo宇都宮ブリッツェンも谷順成、岡篤志、沢田の3名、ヴィクトワール広島も孫崎大樹、ルーク・バーンズ、レオネル・キンテロの3名を乗せる。強力なメンバーが揃ったこの集団は協調体制を築き、後続のメイン集団とのタイム差を最大で2分近くにまで拡大した。
落車トラブルと5名への絞り込み

レースが終盤に差し掛かった18周目(残り約40km)、先頭集団を波乱が襲う。集団内で数人が絡む落車が発生し、新城や、優勝候補の一角と目されていた金子が無念のリタイア。地元チームのエースであった金子は鎖骨骨折という痛手を負うことになった。

このアクシデントをきっかけに先頭集団はさらに活性化し、20周目に入る直前にアタックがかかる。これで抜け出したのが、岡、孫崎、ルバ、風間翔眞(シマノレーシング)、馬場慶三郎(弱虫ペダル サイクリングチーム)の5名だった。

後方ではリーダージャージの草場や山本らが追走を試みるものの、合流は叶わず。先頭の5名は着実にタイム差を広げていった。

先頭集団内では、後方にリーダージャージの草場を残しているルバがローテーションへの参加を見送り、前待ちの構えをとる。一方、逃げ切りを決めたい他の4名はペースを落とすことなくローテーションを回し続ける展開となった。
満を持しての「心臓破りの坂」アタック

迎えた24周目の「心臓破りの坂」。スプリント勝負を回避したいルバが、他を圧倒するキレのあるアタックを敢行する。ここまで積極的に前を引いて脚を消費していた他の4名はこの動きに反応できず、ルバは一気に12秒のギャップを築き上げて最終周回へと突入した。

日本でのキャリアも長いベテラン40歳のルバは、テクニカルな下りでも後続との差をさらに拡大。最後の心臓破りの坂も危なげなくクリアし、歓喜の独走フィニッシュを決めた。
「久々に勝つことができた。最終的に優勝を争うメンバーに絞られたのは残り40kmでのこと。草場が追いつくまで前で待つ判断をしたけど、後ろとのタイム差が広がっていると聞いて自分の仕事にフォーカスした」と語るルバ。近年は若手のメンターやロードキャプテンとしての役割を担うことが多かったが、大一番で経験と実力をフルに発揮し、2022年の古殿ロードレース以来、自身4シーズンぶりの勝利を掴み取った。次戦の最大目標であるツール・ド・熊野に向けても「チームのモチベーションも高いし、個人としてもベストを尽くしたい」と力強く語った。
後続の2位争いは、先にスプリント仕掛けた岡が馬場を振り切って先着。前戦に続く2週連続の2位となった岡は「我々他4名でどんどん回してしまい、結果として最後のルバ選手のアタックに反応しきれず、戦術面においても悔やまれる内容となりました」と振り返った。3位には弱虫ペダルサイクリングチームの馬場が入り、真岡芳賀ロードレースに続いて今季2度目の表彰台を獲得する健闘を見せた。
また、5位でフィニッシュしたヴィクトワール広島のキャプテン・孫崎は、草場とポイントで同点に並んだものの、同点規定(追いついた側が優先して獲得)によりプロリーダージャージを奪還。「勝ちを狙って走った結果、最後は悔しい形になってしまいました。ただ、今日優勝したキナンが力を見せていた中、こうやってリーダージャージを獲得できたのはプラスだと思うので、次は優勝をして最後まで守れるように頑張りたい」と語った。
なお、ネクスト(U23)リーダーは島崎将男(群馬マンモスレーシング)がキープ。敢闘賞には、ジュニアカテゴリーの距離制限(140km)でレースを降りる直前まで積極的なアタックを見せて会場を沸かせた松村拓弥(群馬マンモスレーシング)が選ばれた。
前日に行われたDay1のE1クラスタでは大前翔(Roppongi Express)が優勝し大会2連覇、Roppongi Expressとしては同大会4連覇の偉業を達成した。また、Fクラスタではリーダージャージを着る田中麗奈(IGNTZONE Racing Team)がマッチスプリントを制し、開幕から3連勝を飾っている。
リザルト
JPT(150km)
1位 トマ・ルバ(キナンレーシングチーム) 3時間35分53秒
2位 岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン) +25秒
3位 馬場慶三郎(弱虫ペダルサイクリングチーム)
4位 風間翔眞(シマノレーシング) +29秒
5位 孫崎大樹(ヴィクトワール広島) +51秒
6位 ルーク・バーンズ(ヴィクトワール広島) +1分50秒
7位 草場啓吾(キナンレーシングチーム) +2分15秒
8位 中村圭佑(ヴィクトワール広島)
9位 増田成幸(Astemo宇都宮ブリッツェン)
10位 森凰翔(レバンテフジ静岡)
Jプロツアーリーダー
孫崎大樹(ヴィクトワール広島)
ネクストリーダー
島崎将男(群馬マンモスレーシング)
敢闘賞
松村拓弥(群馬マンモスレーシング)
E1(126km)
OPN 菅野蒼羅(Astemo宇都宮ブリッツェン) 3時間5分21秒
1位 大前翔(Roppongi Express) +3秒
OPN 阿蘇来夢(Astemo宇都宮ブリッツェン) +46秒
2位 天春雄也(MaxSpeed97) +1分1秒
3位 伊藤大地(Equipe Tohoku)
4位 松本溜凪(ブラウ・ブリッツェン)
5位 高岡亮寛(Roppongi Express)
6位 木村盛義(SUBARU Cycling Team)
7位 ウィリアムス飛(ALDINA) +1分2秒
8位 山崎多真(MiNERVA-asahi)
9位 及川弘恭(ブラーゼンサイクリング倶楽部)
10位 小林毅瑠(MiNERVA-asahi)
F(72km)
1位 田中麗奈(IGNTZONE Racing Team) 2時間9分34秒
2位 大関奏音(MOPS)
3位 岡本彩那(ブラウ・ブリッツェン) +4秒
4位 鈴木友佳子(スミタ・パールイズミ・ラバネロ) +5秒
5位 遠藤杏奈(湾岸サイクリング・ユナイテッド)
6位 西山千智(High Ambition Racing Academy)
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PROFILE
せいちゃん
稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている
稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている



















