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大井埠頭での集団スプリントをカールステンゼンが制覇!ファッブロがTOJ総合優勝に輝く|TOJ2026

「8 PIECES, ONE FUTURE.」をコンセプトに8日間にわたって繰り広げられた第28回「ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)2026」も、いよいよフィナーレ。最終日となる5月31日(日)は、東京・大井埠頭を舞台とする「SPEEDチャンネル 東京ステージ」が行われた。熱戦の締めくくりとなる大集団スプリントをルーカス・カールステンゼン(キナンレーシングチーム、ドイツ)が制覇。そして、チームメイトと肩を抱き合ってフィニッシュしたマッテオ・ファッブロ(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ、イタリア)が、見事個人総合優勝の栄冠に輝いた。

35,000人の大観衆が詰めかけた大井埠頭。5名の逃げからレースは動く

最終第8ステージは、大井埠頭に設定された1周6.5kmのド平坦な周回コースを16周回する104km。この日、沿道には実に35,000人もの大観衆が詰めかけ、曇りのち晴れ、気温29℃という夏を思わせる熱気のなかで最終決戦の幕が切って落とされた。

ハイスピードな展開のなか、2周目に5名の選手が抜け出しに成功する。メンバーはキー・ジェーイー(トレンガヌサイクリングチーム、マレーシア)、住田悠人(VC福岡)、織田聖、南和人(ともに愛三工業レーシングチーム)、そして前日に山岳賞(レッドジャージ)獲得を確定させているフランチェスコ・カロッロ(スワットクラブ、イタリア)。

この5名はメイン集団に対して最大1分20秒ほどのリードを奪い、快調に逃げ続ける。しかし9周目、先頭グループ内で無念の落車トラブルが発生。これにより先頭は南とカロッロの2名に絞られてしまう。

ポイント賞ダーティのアタック、そしてプラデスの執念

逃げが2名となったことで、後方のメイン集団も活性化する。10周目に入ると、ポイント賞(ブルージャージ)の首位であるトンマーゾ・ダーティ(チームUKYO、イタリア)が単独でアタックを敢行。この動きによって集団のペースは一気に上がり、11周目の残り37km地点で南とカロッロは吸収された。ダーティは吸収のタイミングで再度単独で飛び出す闘志を見せたが、決定的な差をつけるには至らなかった。

レースがふりだしに戻り、迎えた12周目完了時の中間スプリントポイント。ここで総合成績を巡る激しい駆け引きが繰り広げられる。新城幸也の絶妙なアシストを受けたトンマーゾ・ネンチーニ(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ、イタリア)が先頭通過を果たすなか、総合3位のベンジャミ・プラデス(VC福岡、スペイン)が意地の3位通過。ボーナスタイム1秒を獲得し、3秒差で前を走る総合2位のカミール・ボヌー(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ、ベルギー)との差を縮め、土壇場での逆転の可能性を残した。

その後、ジャコモ・ガラヴァーリャ(スワットクラブ、イタリア)と山田拓海(シマノレーシング)が集団から飛び出して粘りの逃げを見せたが、各チームのスプリンタートレインがペースを上げるメイン集団には敵わず、最終周回に入った残り5.9km地点で吸収。勝負は大集団でのスプリントに委ねられた。

カールステンゼンのロングスプリント炸裂!ファッブロが総合優勝

残り1kmを切り、激しい位置取り争いから各チームのスプリンターが一斉に牙を剥く。その混沌とした中央のラインから、ロングスプリントで一気に先頭に躍り出たのがルーカス・カールステンゼンだった。猛追するライバルたちを力強く振り切り、先頭でフィニッシュラインに飛び込んだ。前日の相模原ステージで山岳賞を失うなど苦しい展開が続いていたキナンレーシングチームだったが、最後の最後に値千金のステージ優勝を飾った。

「この一週間はずっと苦しんできました。昨日は何かできるかと思ったんですが難しく、今日の東京が大きな目標になりました。今日レース中にした唯一のことはチームメイトの後ろで休むことでした。残り700mでは20番手くらいにつけていて、追い上げないとならず、残り500mで一度踏みました。そして残り300mという遠い距離でスプリントを開始する必要がありましたが、もう踏むしかなく、おそらく30秒間スプリントして、最後の5秒はただ粘っただけでした。勝てたかわからなかったですが、勝ててよかったです」と、カールステンゼンは安堵の表情を見せた。

その後方では、リーダージャージを着るマッテオ・ファッブロがチームメイトたちと肩を抱き合いながら歓喜のフィニッシュ。富士山ステージでの圧倒的な勝利で奪った総合首位の座を最後まで守り抜き、TOJ制覇を成し遂げた。

「TOJはいいレースで、走っていて楽しかったです。また戻ってきたいですね。勝つ秘訣?ただ敵を倒せばいいんです(笑)。というのは冗談ですが、富士山ステージがとにかく重要で、他のステージでいかにタイムを失わないか、それがこのレースの勝ち方でしょうね。それにしても富士山ステージはハードでした」と、ファッブロは笑顔で8日間を振り返った。

各賞ジャージは、ポイント賞(ブルージャージ)をトンマーゾ・ダーティ、山岳賞(レッドジャージ)をフランチェスコ・カロッロ、新人賞(ホワイトジャージ)をウィル・ヒース(シーキャッシュ X ボディラップ、オーストラリア)がそれぞれ獲得した。

ダーティは「今大会で一番キツかったのはやっぱり富士山ステージです。この先はイタリア選手権を目指し、そして2032年のオリンピックを夢に見ています」と語り、カロッロは「初日と富士山が大変でした。イタリア選手権を目指しますが、最近チームのメカニックとして働き始めたので、まずはサイクリングを楽しむことが目標です」と笑顔を見せた。
新人賞のヒースは「将来的にはもっとヨーロッパのレースを走りながら、自分がどう成長していけるかを見極めたいと思います。今大会ではいなべステージが一番キツかったです」と、さらなる飛躍を誓った。

なお、日本人最高位は総合10位でフィニッシュした22歳の留目夕陽(愛三工業レーシングチーム)が獲得している。

新設された大鹿村でのチームタイムトライアルや、各ステージでの激しいドラマが生まれたツアー・オブ・ジャパン2026。8つのピースは無事に埋まり、若き才能たちが次の未来へと羽ばたいていく。

リザルト

1位 ルーカス・カールステンゼン(キナンレーシングチーム、ドイツ) 2時間11分49秒
2位 アレクサンダー・サルビー(リーニンスター、デンマーク)
3位 ティレン・フィンクスト(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ、スロベニア)
4位 山本哲央(チームUKYO、日本)
5位 孫崎大樹(ヴィクトワール広島、日本)
6位 グレアム・フリズリー(シーキャッシュ X ボディラップ、アメリカ)
7位 フランチェスコ・カロッロ(スワットクラブ、イタリア)
8位 リアム・ウォルシュ(シーキャッシュ X ボディラップ、オーストラリア)
9位 岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン、日本)
10位 岡本隼(愛三工業レーシングチーム、日本)

個人総合時間賞(グリーンジャージ)

1位 マッテオ・ファッブロ(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ、イタリア) 15時間39分24秒
2位 カミール・ボヌー(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ、ベルギー) +55秒
3位 ベンジャミ・プラデス(VC福岡、スペイン) +57秒
4位 エドアルド・セプルベダ(リーニンスター、アルゼンチン) +1分13秒
5位 ファーガス・ブラウニング(トレンガヌサイクリングチーム、オーストラリア) +1分25秒
6位 ニコロ・ガリッボ(チームUKYO、イタリア) +1分33秒
7位 アドネ・ファンエングレン(トレンガヌサイクリングチーム、オランダ) +2分10秒
8位 マシュー・グリーンウッド(シーキャッシュ X ボディラップ、オーストラリア) +2分14秒
9位 ルーク・バーンズ(ヴィクトワール広島、オーストラリア) +3分0秒
10位 留目夕陽(愛三工業レーシングチーム、日本) +3分2秒

ポイント賞(ブルージャージ)

トンマーゾ・ダーティ(チームUKYO、イタリア)

山岳賞(レッドジャージ)

フランチェスコ・カロッロ(スワットクラブ、イタリア)

新人賞(ホワイトジャージ)

ウィル・ヒース(シーキャッシュ X ボディラップ、オーストラリア)

チーム総合成績

トレンガヌサイクリングチーム

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PROFILE

せいちゃん

せいちゃん

稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

せいちゃんの記事一覧

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