
マルコ・ファバロさんが現地からお届け! ジロ・デ・イタリア観戦の「本場の楽しみ方」を伝授
Bicycle Club編集部
- 2026年06月02日
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スポーツジャーナリストであり、エロイカツアーのガイド、さらに海外スポーツ選手の通訳も務めるイタリア人、マルコ・ファバロさん。バイシクルクラブにも度々寄稿してくれる同氏から、先日閉幕したばかりの「ジロ・デ・イタリア」の観戦レポートが届いた。
2026年大会は、ジョナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/チーム ヴィスマ・リースアバイク)がデンマーク人として初めて総合優勝を果たした記念すべき一戦。マリアローザはポール・マニエ(フランス/スーダル・クイックステップ)、ギジェルモ・トマス・シルバ(ポルトガル/カハルラル・セグロスRGA)、ジュリオ・チッコーネ(イタリア/リドル・トレック)、アフォンソ・エウラリオ(ポルトガル/バーレーン・ヴィクトリアス)へと受け継がれ、総合首位争いは日ごとに変化。終盤の第14ステージでヴィンゲゴーが首位に立つと、そのままローマまでマリアローザを守り抜き、歴史的な総合優勝を成し遂げ、多くのファンを熱狂させた。
そんな歴史的な大会の熱気を、現地イタリアで体感したマルコさんがレポート。テレビ中継では伝わらない街の盛り上がりや観戦のコツなど、現地ならではの魅力を紹介!
ジロ・デ・イタリアの一日! 太陽と音楽、そしてピエーヴェ・ディ・ソリゴのスプリントフィニッシュ

スポーツには「観る」ものと「体験する」ものがある。私にとって2026年ジロ・デ・イタリア第18ステージのフィニッシュは、間違いなく後者だった。
ファイ・デッラ・パガネッラからピエーヴェ・ディ・ソリゴへ向かうこのステージは、フランスのポール・マニエ(Soudal Quick-Step Pro Cycling Team)がスプリントを制したが、この日の魅力は、プロ選手たちがゴールへ飛び込んでくる瞬間だけではなかった。
ジロを本当に楽しみたいなら、早めの到着は絶対条件!

私は友人たちと一緒に現地へ向かい、正午ごろに到着した。180km先のステージ開始のおよそ1時間前。太陽はすでに強く照りつけ、空気には「もうすぐ夏が来る!」と感じさせる独特の匂いが漂っていた。ゴールは17時過ぎの予定で「早すぎる」と思う人もいるかもしれない。だがジロを本当に楽しみたいなら、早めの到着は絶対条件だ。

まずひとつめの理由はゴール付近のベストポジションを確保するため。そしてもうひとつの理由は、公式グッズ売り場をじっくり見るためだ。キャップ、ボトル、ピンク色のTシャツなど。オンラインでは見つからないような限定グッズが、驚くほど手頃な価格で並んでいる。ファンにとってはまさに宝探しのような空間だ。しかし何より大事なのは、ジロの本当の面白さは「選手が到着するずっと前から始まっている」ということだ。
ジロによって別世界に変わった街

今回、最も印象的だったのはピエーヴェ・ディ・ソリゴという街の変化だった。人口1万人、普段はプロセッコの産地として知られる静かな街。それが、この日だけはまるで別世界になっていた。

平日の昼間にもかかわらず、旧市街は巨大なお祭り会場のようだった。子どもから高齢者まで、家族連れも友人グループも、みんなピンク色のウェアやグッズを身につけて歩いている。レストランは朝から満席。店先も店内もジロ仕様に飾り付けられ、街全体がレースを歓迎していた。

普段は車が走る通りも、この日だけは歩行者と自転車のための巨大な空間へと変わる。たった数時間だけ、この街は完全に「自転車の街」になるのだ。これこそがジロ・デ・イタリアの魔法なのかもしれない。単なるレースではなく、街そのもののリズムを変えてしまう力がある。
ジロは“待ち時間”すら面白い

ジロ観戦というと、「選手の到着を待つだけ」と思われがちだ。だが実際には、その待ち時間こそがエンターテインメント。フィニッシュエリアには大音量のポップ&テクノミュージックが響き渡り、まるで夏フェスのような雰囲気。そこへ次々とイベントが続いていく。


まず登場したのはサイクリングツアーの参加者たち。一般サイクリストが本物のフィニッシュラインを通過できる特別な演出だ。続いて小学生によるエリミネーションレース。歓声と拍手の中、子どもたちが全力で競い合う。さらに自転車を通じた相互尊重や教育活動を行った学校への表彰式も行われた。


その後も公式ジャージのファッションショー、DJによる進行、音楽、トークイベント、キャラバン隊のダンスなど、会場の熱気は途切れない。なかでも特に印象的だったのは「Giro-E」だった。
往年の名選手が走る「Giro-E」

持続可能なエネルギー利用をテーマにしたイベントで、電動アシスト自転車を使って行われるもう一つのレース。しかも参加しているのは、ジャンニ・ブーニョ、アンドレア・タッフィ、クラウディオ・キアプッチ、ダミアーノ・クネゴ、アレッサンドロ・バッラン、マルコ・カノーラなど、かつての名選手たち。レジェンドたちが目の前を走る光景には、どこか懐かしさも感じた。
ゴールを駆け抜けるピンク、黒、蛍光色の閃光! 圧倒的な数秒間!

ジロ観戦初心者が意外と見落としがちなのが、「本当のゴール位置」を把握することだ。現地ではバリケードの位置も規制エリアも変化する。だからこそ早めに行くことが大切になる。
幸運なことに、私たちはゴールラインから約25mという絶好の場所を確保できた。選手の表情が見えるほど近い。それでいて、スプリント前の緊張感も存分に味わえる距離だった。

待つこと数時間後。ついにプロトンが近づいてきた。その瞬間、会場の空気が一変した。上空を旋回するヘリコプター。サイレンを鳴らす警察車両。大音量の音楽。観客を煽り続けるDJ。そして熱狂する観客たちの叫び声。まるでロックフェスの最高潮のような空間だった。その直後、集団が信じられない速度で目の前を駆け抜ける。ピンク、黒、蛍光色の閃光。すべてはほんの数秒。だが、その数秒が圧倒的だった。

ポイント1 ジロ観戦に持っていきたいもの
ジロを本気で楽しみたいなら、現地へ行く前の準備も重要だ。レース観戦は素晴らしい体験だが、同時にかなり体力も使う。おすすめの持ち物は以下の通り。
- 水と軽食
- 日焼け止め
- 首や耳まで隠れる帽子
- 歩きやすい靴
- リュックサック(帰る頃にはグッズやパンフレット、写真、思い出でいっぱいになるからだ)
ポイント2 「ガリバルディ」を読み込め!

そして次に鍵になるのが、インターネットから無料でダウンロードできる「ガリバルディ」と呼ばれるジロ・デ・イタリア公式ガイドブック。コース情報、通過予想時刻、アクセス方法、チームエリアなど、観戦に必要な情報が細かく掲載されている。
特に重要なのがチームバスの駐車エリアだ。時にはゴール地点から離れた場所に設置されることもあるが、実はそこが最高のスポットになることがある。選手たちをすぐ近くで見られるだけでなく、タイミングが良ければサインや写真をお願いできることもある。こうした情報を事前に知っているだけで、ジロ観戦の楽しみ方は大きく変わってくる。

ここまでレポートを読んでくれてありがとう。さぁ次のステージはどこだ? すぐに準備をしよう!
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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