
レースだけじゃないツール・ド・ふくしま、サイクリング部門にグラベル種目やキャンプも初開催
山口
- 2026年06月14日
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2026年6月13日、福島県浜通りエリアで「ツール・ド・ふくしまサイクリング」が開催された。「ツール・ド・ふくしま」といえば、ロードレースとしても有名だが、初日の13日にはタイムトライアルレースのほか、110kmのサイクリングなど、ロングライドイベントが開催された。今回は、オフロードを走る「ならはグラベル40」が新規開催。福島県楢葉町を舞台に、林道や未舗装路を巡る約42kmのコースを楽しんだ。ここでは「ならはグラベル40」を中心に、浜通りの海と山、そして復興の今を感じながら走る特別な1日をレポートする。
復興を走るイベント「ツール・ド・ふくしまサイクリング」

UCIグランフォンドワールドシリーズ認定の市民ロードレースに加え、サイクリング部門として「いわき浜海道ライド110」「ふくしま復興ライド80」「あぶくま山岳グルメライド40」、そして今年新たに加わった「ならはグラベル40」が同時開催される。
競技志向の参加者だけでなく、地域の景色やグルメを楽しみながら走りたいサイクリストにも人気のイベントだ。 
スタート前には、ゲストライダーたちがそれぞれ参加するコースを紹介した。福島県いわき市出身で、自転車インフルエンサーとして活躍するanna(アンナ)さん、佐々木ひとみさんは「いわき浜海道ライド110」に参加。いっぽうあいあむさんは「ふくしま復興ライド80」に参加。 また、けんたさんは、今回新設された「ならはグラベル40」へ。初のグラベルライドということで、「どんな感じなのか楽しみにしています」とコメント。動画や写真を撮影しながら、参加者とともにコースを楽しんだ。

初開催の「ならはグラベル40」は初級者も楽しめるスムーズな路面

初開催となった「ならはグラベル40」は、距離約42km、獲得標高約745m。ツール・ド・ふくしまとして初めて設定されたグラベルライド種目だ。
スタートとゴールは、太平洋を一望できる天神岬スポーツ公園。数字だけ見れば比較的コンパクトなコースだが、林道や砂利道が組み込まれており、ロードライドとは違うテクニカルな楽しさが味わえる。
とはいえレースではなくライドイベント。順位を争う必要はなく、自分のペースで景色を楽しみながら走れるのが魅力だ。グラベル初挑戦という参加者も多く、幅広い年代のサイクリストが参加していた。 
天神岬スポーツ公園をスタートすると、まずは住宅地や田園地帯を抜ける舗装路区間へ。復興していく楢葉町ののどかな風景を楽しみながら進んでいくと、徐々にコースは郭公山(ほととぎすやま)近く、木々に囲まれた林道の上りへと姿を変えていく。
グラベル区間に入ると、タイヤが砂利を踏みしめる独特の感触が伝わってくる。路面は比較的締まっていて走りやすいが、時折大きめの石も現れるため油断は禁物。ハンドルをしっかり押さえながら、自転車と対話するように進んでいく。舗装路では味わえない自然との距離感。鳥の声や木々の香りを感じながら走る時間は、まさにグラベルライドならではの醍醐味だった。
3つのエイドで味わう福島の魅力

ならはグラベル40には、グラベル区間に2か所、舗装路区間に1か所の計3か所のエイドステーションが設置されていた。ツール・ド・ふくしまサイクリングは毎年エイドの充実ぶりでも知られているが、今年も期待を裏切らない内容。地元食材を生かした補給食や軽食が用意され、参加者たちを笑顔にしていた。
第2エイドでは、楢葉名物の柚子と木戸川の水を使った飲料とどら焼きが振る舞われた。 
第3エイドでは、干し芋とお芋ラテが振る舞われた。 林道の中で味わうグルメは格別。自然の中で体を動かした後だからこそ、そのおいしさが何倍にも感じられる。エイドを楽しみに参加するリピーターが多いのも納得だ。 
また、コースを通じて印象的だったのは、丁寧に補修された林道だ。昔ながらの里山と自然の風景が同居する楢葉町には、日本の原風景を感じられる光景が広がっていた。 
ゴール後はマミーすいとんと温泉でリカバリー

無事にゴールした参加者を待っていたのは、楢葉町の郷土料理「マミーすいとん」のふるまいだった。鶏肉とたっぷりの野菜の旨味が溶け込んだ醤油ベースの汁に、もちもちとした食感のすいとんが入った一杯。グラベルライドを走り終えた体にじんわりと染み渡る。
名前の由来も興味深い。かつてサッカー日本代表が楢葉町のJヴィレッジで合宿を行っていた際、当時のフィリップ・トルシエ監督がこの料理を口にし、「故郷のおばあちゃんを思い出す懐かしい味だ」と絶賛。そのエピソードから、“マミー(おばあちゃん)の味”として親しまれるようになったという。
そして、参加特典のひとつとして「天神岬温泉しおかぜ荘」の入浴も用意されていた。大会期間中は参加者無料で利用でき、太平洋を望む露天風呂が楽しめる。グラベルライドで土埃を浴びた体を洗い流し、温泉に浸かる時間はまさに至福だった。
ライド後に温泉まで楽しめるのは、ツール・ド・ふくしまならではの魅力と言えるだろう。
NARAHA VELO BASEで旅の余韻を楽しむ

会場では同日、「NARAHA VELO BASE 2026」も開催された。
自転車系YouTuberとして人気を集めるけんたさんによるトークも行われた。自身が実際に体験したグラベルライドの魅力、そして福島・浜通りのフィールドについて語った。
映像作家の北川大介さん、ブロンプトンジャパンの合田みつひろさん、そして自転車旅メディア「INVISIBL(インビジブル)」を主宰する日向志帆さんによるトークショーも開催された。
それぞれ異なる視点から、自転車がもたらす旅の魅力や地域との関わり方が語られた。国内外で自転車旅を続ける日向さんの体験談や、映像を通して旅の価値を発信する北川さんの視点、そしてブロンプトンを活用した自由な旅のスタイルを提案する合田さんの話に、多くの来場者が熱心に耳を傾けていた。

日本唯一の“自転車×キャンプ”をテーマにした旅フェスティバルで、自転車ブランドやアウトドアメーカーのブースが並び、人気YouTuberあいあむさんとバイシクルクラブ編集長の山口によるトークショーや焚き火イベントも開催。夜には花火まで打ち上がった。
ライドを終えたサイクリストたちが焚き火を囲みながら、今日走ったルートや旅の話を語り合う光景が印象的だった。こうした交流の時間こそ、イベントライドの醍醐味かもしれない。 
走ることで見える福島の今

震災から15年を迎えた福島・浜通り。「ツール・ド・ふくしま」は単なるサイクリングイベントではなく、この土地の自然や文化、そして復興の歩みを体感できる特別なライドだった。翌6月14日にはメインレースが開催される。太平洋の景色、里山の林道、地元グルメ、温泉、そして自転車をハブとした人との交流が、このイベントの魅力だ。
また、広野町のブースでは、広野町産みかんを生かした「みかんサイダー」を販売。いわき海星高校の生徒たちが手がけた爽やかな一杯として、来場者の注目を集めていた。
イベント概要
- イベント名:ツール・ド・ふくしま2026 サイクリング部門
- 開催日:2026年6月13日(土)
- 会場:天神岬スポーツ公園(福島県双葉郡楢葉町)
- 種目:ならはグラベル40/浜海道ライド110/復興ライド80/山岳グルメライド40
問い合わせ:ツール・ド・ふくしま https://fukushima-cycle-series.jp/event12cp/103
- BRAND :
- Bicycle Club
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