
宮里優作が明かす酷暑ゴルフの新常識 熱中症を防ぐプロの天候対策とは|The NEXT STAGE 新たな地平へ
EVEN 編集部
- 2026年06月16日
変化と進化を繰り返しながら、その先に広がる“新たな地平”に挑む宮里優作プロのインサイドストーリー。常態化しつつある酷暑。その直前の梅雨。自然の変化とも戦う優作に、ツアープロならではの天候対策をたずねた。
避け難き酷暑の対策
僕ですら日傘を差すようになりました
5月から猛暑日連発。今夏の気温も全国的に平年より高い予想――。誰もがうんざりする昨今の気候に対して、それでも試合に臨む心境を優作に聞いたことがある。
「僕らプロの選手は気温の高さに強いんですよ、絶対的に。鍛え方が普通とは違うので」
そんな答えをもらったのは、一昨年あたりの強烈な日差しを諦めるしかない真夏だった。しかし酷暑を迎える前なら違う捉え方をするかもしれない。そう考え、改めて気候対策をたずねてみた。すると、そこは優作らしく、次々いろいろ出てくる。
「プロは強いと言いましたけれど、熱中症を防ぐ意識も強いんです。まずはできるだけ直射日光を避ける。男子プロも夏場は短パンOKになって、足に熱がこもらなくて助かりますけれど、ここ数年は僕ですらブリヂストンスポーツのゴルフ用日傘を差すようになりました。
プレー中の必需品は、体を冷やすスプレーと水筒。汗をかくほど血流が悪くなるので、水分補給は大事です。夏場は2リットルの水筒を手に持って歩きます。ハーフターンまでに飲み切ってしまいますが。中に入れているのは、粉末を水に溶かすクエン酸飲料の『メダリスト』。大学時代から飲んでいます。トライアスロンの選手が好んで使っているらしいですよ。夏場に苦労を感じないのはそれのおかげかもしれません」
ちなみに『メダリスト』は、大型スポーツ用品店でも扱っているので「ぜひ」とのことだった。
「ウェアに関しては、なるべく黒っぽいものは避け、明るめの色を選びます。とくに暑い日は、パンツにインしないトップスがオススメですね。実測で2〜3度下がるそうです。あとは、汗を吸うインナーの着用。日差しを体に受け難くなるので、疲労の度合いが違います」
ウェア方面で興味深い話を聞いた。
「空調ベストってあるじゃないですか。あれを使ってみたい選手が確認したら、夏場に体を冷やす場合のみOKだったそうなんですよ。でも、ファンの音がしますよね。周りが迷惑するので、実際は使えないんじゃないかな。僕は着ません。音もそうだけど、上半身がかさばりそうでNGですね」
厳しい暑さでダメージを受けそうなコース状況についても聞いてみた。
どの試合会場も最善の準備を整えて大会を迎えるので、大きな影響はないと思いつつ。
「晴天では、気温によるコース変化を感じません。ただ、ゴルフ場はどこも日陰が少ないので、やはりプレーする僕らが注意しなければなりませんよね。水分補給はこまめに。歩く速度も考えて。体調に異変を感じたら決して無理はしないように」
まもなく全国各地で梅雨入りとなるので、雨天対策も聞いてみた。意外なことに、朝目覚めて外を確認した時、風よりも雨のほうが気になるらしい。
不利とされる状況に当たっても方法を考えなければ
「やることが増えるんですよ。クラブを握るたびグリップを拭いたり、傘を差して歩かなければならないのは大変と思ってしまいますね。レインウェアも面倒です。気温が高い日はパンツのみ。上は濡れるのを覚悟して着ません。1枚でも重ねると、アドレスでボールが遠くなるから。寒くなり始めたらウィンドブレーカーを身につけますが、それもアライメントがずれない薄手限定です」

物理的な雨粒が及ぼすプレーへの影響は?
「ボールが滑るのが厄介ですね。雨天プレーで注意するのは、大振りしないこと。雨の日は飛距離が落ちるので、それをカバーしようといつもより出力が上がりがちなんです。けれど、どっちみち飛ばないので、正確性を重視して軽く振るようにします。雨用ロフトを持ち込むプロもいますよ。僕は短く持つだけで、セッティングまでは変えませんが」
コース自体のレイアウトや景観がどうあれ、ゴルフは天候・天気から逃れられない。なおかつプロの試合は、スタート時間によって状況が異なる。そのあたりはどう考えているのだろうか。
「いやもう、ゴルフほど不公平なスポーツはありませんよね。それに文句を言っても仕方ないから、不利とされる状況に当たっても、1打でも少なくする方法を考えなければならない。経験をもとにした予測が大事になります。雨や風の日は、こういう球が出るだろうという、要は引き出しの多さ。天気が悪い日はいつもより頭を使うので、終了後のリカバータイムが長くなります。いずれにしても、体のケアが大事な時期になっていきますね」
本当にその通りだと思う。膨大な経験値や、鍛錬の果てに身に付けたスキルも、健康が保たれてこそ生かせるものだ。それを知り抜いているプロのアスリートは、身体と環境の調和を取る努力を常に惜しまないのだろう。
最後に一つ。本誌編集長が以前、スキンケアについて優作にたずねたことがあったそうだ。その際の回答は、「こんなに日に焼けている僕に聞きますか?」だったらしい。今も同じと思いながらこれまた改めて問うたら、「あまり教えたくない」と勿体ぶった答えが返ってきた。
「昨年から、高濃度水素酸素吸入器を使っているんです」
実験で使用しそうな高濃度水素酸素吸入器とは、機械で発生させた水素と酸素を吸って体内に取り込むことで、疲労回復やアンチエイジングの効果が期待できるものだという。
「暑かった日のリカバーが違うし、使い始めてからシーズンを通した違いも実感しています。これは内側からのスキンケアになるのかな。実は日焼け止めも使っているんですよ。ゴルファー向けをつくった『アフェクタス』。肌の黒さが変わるわけじゃないけれど、疲れ方が違うのは確かです」

Profile 1980年生まれ、沖縄県出身。2003年にツアープロデビュー。2013年のツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で初優勝を遂げる。2017年にはシーズン4勝を挙げて賞金王のタイトルを獲得。2年間の欧州ツアー(現DPワールドツアー)挑戦を経て、2020年から再び国内ツアーを主戦場にしている。
www.yusakumiyazato.com[大和ハウス工業所属]
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PROFILE
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スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。
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