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ピナレロ新型DOGMA X 最高峰エンデュランスロードを国内最速インプレ、レーシングモデルFと比較|PINARELLO

イタリアのピナレロから、エンデュランスロードの最高峰「DOGMA X(ドグマX)」の第2世代となるニューモデルが発表された。レーシングフラッグシップである「DOGMA F」と双璧をなすこのモデルは、フレーム素材に東レの次世代カーボン「M40X」を採用。独自の振動吸収機構である「X-STAYS」も2.0へと進化を遂げ、さらなる快適性と圧倒的な推進力を両立している。本記事ではフランチェスコ・カルレット氏らによる販売店向けに行われたプレゼンテーションの内容を紐解きながら、自転車ジャーナリストのハシケンによるインプレッションを通じて新型DOGMA Xの真価に迫る。

妥協なき「パフォーマンス・エンデュランス」の追求

2023年に誕生し、ピナレロのエンデュランスラインアップの頂点に君臨するDOGMA X。今回、3年の時を経て第2世代へと進化した新型は、単なる「快適なバイク」という枠には到底収まらない。

販売店向けのプレゼンテーションに登壇したフランチェスコ・カルレット氏が「DOGMA XはDOGMAファミリーのエクセレンスであり、パフォーマンスと快適性を両立する存在」と語る通り、その根底にはピナレロが長年脈々と受け継いできたレーシングブランドとしてのDNAが流れている。

開発コンセプトは「AMPLIFY EVERY EMOTION」。長距離のライドにおいてスピードと効率性、そして真の快適性を求めるライダーのために、ジオメトリやカーボンレイアップを根本から見直し、よりスムーズで、より速く、より反応性の高いライドフィールを実現すべく再設計されている。

DOGMA Fと同等の次世代カーボン「TORAYCA® M40X」を採用

新型DOGMA Xにおける最大のトピックは、ピュアレーシングモデルである新型DOGMA Fと同じく、フレーム素材に東レの次世代カーボンファイバー「TORAYCA® M40X」を採用したことだ。

M40Xはプロチーム等のテストを経て実戦投入された新積層構造のカーボンファイバーだ。これまで採用されてきたT1100GやT900、T700といった素材と比較しても卓越した引張弾性率を誇り、横方向の剛性性能が飛躍的に向上している。これにより、エンデュランスモデルでありながら、踏み込んだパワーを推進力へと変換するダイレクト感や、登坂時・加速時の優れた反応性を獲得した。

革新の「X-STAYS 2.0」と洗練されたエアロダイナミクス

DOGMA Xを象徴するリアトライアングルの意匠「X-STAYS(Xステイズ)」も、「2.0」へとアップデートを果たした。

下部のアタッチメントポイントと洗練されたジオメトリにより、ダブルアーム4点支持トップステーデザインのメリットがさらに向上。路面からの振動を4つの接続点を通じて効率的に分散させつつ、下部のリンケージがリバウンドを最小限に抑えることで、よりスムーズでコントロールしやすい乗り心地を実現している。

また、フロント周りのエアロダイナミクスも抜本的に見直されている。ケーブルを完全内装する楕円形のステアリングチューブと、DOGMA Fを踏襲する細くテーパー状のエアロダウンチューブを採用。これにより空力効率とねじれ剛性が向上し、全局面において正確なハンドリングとスピードを約束する。

さらに、タイヤクリアランスは最大35mmまで拡大。最新のチューブレスタイヤの恩恵を最大限に引き出すことが可能となり、スピードを維持したまま長距離を走破する高い安定性を獲得した。

国内最速インプレ:大人の余裕を感じる、懐の深いパフォーマンス・エンデュランスモデル

ピナレロというブランドは、いつの時代も芸術的センスと独創性が光る。設計も性能も似てくる現代のロードバイク事情にあって、力強く独自の世界観を堅持している。それがピナレロであり、DOGMAだ。

レース性能を極限まで追求したDOGMA Fに対し、DOGMA Xはエンデュランスモデルとしての立ち位置を明確にしている。シート集合部に見られるX-STAYS構造は、ドグマXのハイライトであり、その独創的な構造をもって理想とする性能にきちんと落とし込んでいる。今回、ドグマFと乗り比べながら第2世代の新型ドグマXの国内で最速インプレッションを自転車ジャーナリストのハシケンがお届けする。

まず驚かされるのは、ペダルの入力に対して無駄なく受け止めるダイレクト感が、DOGMA Fに極めて近いということだ。今作から東レのM40X高弾性カーボンを採用したことで、フレーム剛性はハイレベルに仕上がっている。

エンデュランスロードの常套句である「ソフト」や「マイルド」といった感触は皆無と言っていい。目隠しをしてペダリングフィールだけを切り取れば、DOGMA FとXの判別はつかないかもしれない。坂道でのダンシングやコーナーからの立ち上がりなど、瞬間的な加減速の場面でもFに劣らずキビキビと反応し、重たさや引っ張られるような感覚はなく非常に軽快だ。

ところが、ライディング全体を通して見ると、しっかりとエンデュランスモデルとしてのDOGMA Xの世界観が滲み出ている。等速でのクルーズシーンでは、圧倒的な安定感と安心感がライダーを包み込む。直進安定性はDOGMA Fよりも高く、サドルの上でリラックスしやすく、余裕を得やすいのだ。

DOGMA Fが隙を見せずに攻め込むようなアグレッシブなバイクであるなら、DOGMA Xは一定の余裕を持ちやすい。そのわずかな余裕が余力の積み重ねにつながり、結果的にライドの終盤まで高いパフォーマンスを発揮させてくれるだろう。これこそ、プロサイクリストではない我々一般のサイクリストにとっては最大の魅力と断言できる。

ピナレロはレーシングのFとエンデュランスのXで明確に整理しているが、Xは決して「非レースモデル」ではない。根底には長年受け継がれてきたレーシングブランドのDNAが確実に流れている。パフォーマンスを長時間発揮しやすいモデルとして守備範囲は広く、性能面でも懐が深い。大人の余裕を感じるラグジュアリーなライドシーンはもちろん、昨今盛り上がりを見せるグランフォンド系ロードレースでも大いに活躍してくれるはずだ。際立つ個性を持つパフォーマンス・エンデュランスモデルに、ぜひ注目してほしい。

美麗な4つのカラー展開とスペック

新型DOGMA Xのフレームセットは、ピナレロならではの芸術的なペイントが施された4つのカラーバリエーションで展開される。ホワイトベースに淡いパープルが浮かぶ「MOONLIGHT FROST」、深いグリーンが特徴的な「JADE ECLIPSE」、溶岩の熱を思わせるゴールドとブラックの「ETNA LUCENTE」、鮮やかなブルーが映える「AQUA VEIL」だ。

PINARELLO DOGMA X(MY2027)

価格:1,276,000円(税込 / フレームセット)

完成車イメージ(JADE ECLIPSE)
  • フレーム素材:TORAYCA® M40X カーボン
  • フォーク:ONDA フォーク(最大35mmタイヤクリアランス)
  • インテグレーテッドハンドル:MOST Talon Ultra Fast
  • BB規格:イタリアンBB
  • シートポスト:3Dプリントチタン製トップクランプ付属(セットバック18mm)
  • カラー:MOONLIGHT FROST、JADE ECLIPSE、ETNA LUCENTE、AQUA VEIL

ジオメトリー

SIZE (CE) CC L A [°] B [°] P T D R G REACH STACK
415 430 505 74.4 70 422 111 77 47 375 349.3 524.2
425 465 515 74.4 70 422 123 77 47 375 358.1 535.5
450 500 525 74 70.5 422 128 77 47 375 365.4 542.1
470 515 535 73.7 71 422 133 77 47 375 371.7 548.6
495 530 545 73.7 71.5 422 142 77 47 375 379.4 559
510 540 552 73.4 72 422 150 77 47 375 381.2 568.4
520 550 557 73.4 72 422 161 77 47 375 383 578.9
525 560 565 73 72.5 422 169 77 47 375 384.6 588.4
540 575 575 73 72.8 422 182 77 47 375 390.8 601.7
560 595 595 72.4 73 422 218 72 47 375 395.3 632
600 620 620 72 73 422 258 72 47 375 403.8 670.3

CE: シートチューブセンター – エンド、CC: シートチューブセンター – センター、L: トップチューブセンター – センター、A[°]: シートチューブ角度、B[°]: ヘッドチューブ角度、P: チェーンステー、T: ヘッドチューブ、D : BB ドロップ、R: フォークレーク、G: フォークハイト、リーチ、スタック
※カタログ等のサイズ表記はCCで表記されています。(単位:mm、角度は°)

 

PINARELLO公式サイト

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PROFILE

ハシケン

Bicycle Club / スポーツジャーナリスト

ハシケン

ロードバイクに造詣が深いスポーツジャーナリスト。国内外のレースやロングライドイベントを数多く経験。Mt.富士ヒルクライムの一般クラス優勝、ツールド宮古島優勝。UCIグランフォンド世界大会への出場経験あり。

ハシケンの記事一覧

ロードバイクに造詣が深いスポーツジャーナリスト。国内外のレースやロングライドイベントを数多く経験。Mt.富士ヒルクライムの一般クラス優勝、ツールド宮古島優勝。UCIグランフォンド世界大会への出場経験あり。

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