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シマノ次世代DURA-ACEホイールWH-R9370発表 カーボンスポークで最大220g軽量化|SHIMANO

シマノが誇るロードコンポーネントの最高峰「DURA-ACE(デュラエース)」。その次世代を担うフラッグシップホイール「WH-R9370」シリーズがついにベールを脱いだ。ブランド初となるカーボンスポークの採用により最大220gという圧倒的な軽量化を達成。さらに数億回に及ぶCFD解析から導き出された前後異形リムや、実走時の回転抵抗を30%削減した新型カップ&コーンハブなど、約5年の歳月をかけて妥協なきスピードを追求した真のレーシング機材の詳細に迫る。

約5年の歳月とトッププロの力で導き出した「直感的なライドフィール」

「剛性、軽量性、空力性能のバランスを更に高め、これまで以上の走行スピードを実現する」。シマノ独自の設計思想である「Science of Speed」を体現すべく、WH-R9370シリーズの開発には実に約5年という長い期間が費やされた。開発の根幹に置かれたキーワードは「軽量化」「空気抵抗の削減」、そして「ライドフィールの最適化」の3つだ。

これらを机上の空論ではなく、実際のレースにおける絶対的なパフォーマンスへと昇華させるため、シマノは世界のトップアスリートたちと緊密なパートナーシップを結んだ。

すでに製品版と同等の新型ホイールを実戦投入し、勝利を量産しているマチュー・ファンデルプール(当時アルペシン・ドゥクーニンク、オランダ)
ワールドツアーチームとの連携により、過酷なレース環境下で求められる直感的なライドフィールが徹底的に磨き上げられた

マチュー・ファンデルプールを擁するアルペシン・ドゥクーニンク(現アルペシン・プレミアテック)や、フェニックス・ドゥクーニンク(現フェニックス・プレミアテック)の選手たちは、製品版のロゴを黒いステッカーで隠した状態のプロトタイプをいち早く実戦に投入。加速反応性、スプリント時の安定性、横風に対する予測しやすいハンドリング特性など、極限状態でライダーが感じる「直感的なライドフィール」のフィードバックを繰り返し行った。

その結果は火を見るより明らかで、アルペシン・プレミアテックは今年のツール・ド・フランスにおいてシャンゼリゼでのステージ優勝を含むチーム3勝をマークしている。プロ選手からの信頼も厚く、男子チームでは8割以上がオールラウンドモデルの「C50」に集中。フラットステージやスプリンター向けには「C60」、女子チームや厳しい山岳コースには最軽量の「C36」と、明確な使い分けがなされているという。

シマノ初の「カーボンスポーク」採用。剛性を高めつつ最大220gの大幅減量

シマノとして初採用となるカーボンスポーク。リムハイトや目的に応じて「Super Aero」と「Aero」の2種類の形状が新開発された

新型WH-R9370シリーズにおいて、誰もが最も驚き、そして注目する技術的トピック。それはシマノとして初めて「カーボンスポーク」を採用したことだろう。

長年、金属製スポークの熟成にこだわってきたシマノ。しかし、現代のトップライダーたちが求める「鋭い反応と正確なハンドリングを支える高い剛性」と「圧倒的な軽量化」をこれ以上高い次元で両立させるには、もはや金属スポークでは限界に達していたという。そこでシマノはBONOA製のカーボンスポークの採用を決断した。厳しい対衝撃評価テストを実施した結果、金属スポークに対しても有利な結果が得られたことが実用化の決め手となった。

スポークは空力と剛性の要求に合わせて2種類の形状が用意された。

  • Aero:幅4.0mm × 厚さ1.1mm(軽量性と空力のバランスに優れ、C36/C50/C60に採用)
  • Super Aero:幅5.2mm × 厚さ0.8mm(空力に特化した極薄・幅広のきしめん状、C99に採用)

万が一の破損時への安全性(フェイルセーフ)もシマノらしい配慮がなされている。スポークの抜け止め構造はすべて「ハブの内側から通す設計」に統一されており、仮にスポークが破断したとしても、複雑な形状により必ず途中で止まり、ホイールへの巻き込み等の二次被害を防ぐ設計となっている。

中心モデルとなるC50は、前モデルから159gもの軽量化を果たし、前後セットで1302gという驚異的な数値を叩き出した

このカーボンスポーク技術とトータル設計の恩恵により、前モデル(WH-R9270)と比較して重量は劇的に削減された。前後セットで比較すると、C36は180g減の1170g、C50は159g減の1302g、C60は220g減の1389gをマーク。ディスクブレーキ用のエアロディープリムでありながら、かつてのリムブレーキ・チューブラー用クライミングホイールに匹敵する軽さを手に入れている。

300億回のCFD解析が導き出した、28〜30C最適化の「前後異形リム」

近年、転がり抵抗の低減とコントロール性向上の観点から、プロのペロトンでも28Cや30Cといったワイドタイヤが完全に主流となっている。WH-R9370のリムは、まさにこの「28〜30Cタイヤ」を装着した際に空力性能と安定性が最大化されるよう、ゼロベースで再設計が行われた。

リム内幅は全モデル共通で23mmへとワイド化(最大45Cタイヤまで装着可能)。そして特筆すべきは、フロントとリアで風の当たり方が異なることに着目し、それぞれのモデルで「前後専用のリム外幅(30〜32.3mm)と断面形状」を採用した点だ。

人間の主観を一切排除し、天文学的な回数のコンピューターシミュレーションによって生み出されたリム形状

この究極の形状を導き出すため、シマノは人間の主観を一切排除し、すべてをコンピューターシミュレーション(CFD:数値流体力学)による計算に委ねた。その解析回数は常軌を逸しており、C36で200万回以上、C50で540万回以上、C60で650万回以上。さらには新開発のC99で2億回以上、ディスクホイールに至っては300億回以上の演算が行われたという。

膨大な解析と風洞実験の果てに到達した空力性能は凄まじい。30Cタイヤを装着して時速48kmで走行するシミュレーションにおいて、「新型C50は現行C60を上回る空力性能」を誇り、「新型C60は空力性能をさらに向上させつつ、現行C50よりも軽い」という、機材進化の壁を打ち破る結果を提示している。軽量化を果たしながらもドラッグ(空気抵抗)を確実に削減しており、ヨー角(斜めからの風)に対するハンドリングの安定感も抜群だ。

“あえて選んだ”カップ&コーン。実走条件で回転トルクを30%低減!

社内での議論を重ね、一から性能を検証し直した結果、再び選ばれたのがシマノ伝統のカップ&コーンシステムだ

ホイールの心臓部であるハブ。近年、業界全体でカートリッジベアリングを採用する流れが加速している。シマノ社内でも「DURA-ACEもカートリッジに移行すべきではないか」という声が多数挙がり、実際にMTBコンポーネントのXTRではカートリッジを採用した経緯もあった。しかし、新型DURA-ACEの開発にあたり、一から性能差を検証し直した結果、シマノは再び「カップ&コーンハブシステム」を“あえて選ぶ”決断を下した。

その理由は、単なる机上の回転抵抗ではなく「実際の走行状態における絶対的な優位性」だ。

シマノは専用の試験設備を新設し、「スルーアクスルの強大な締め付け力(5000N)」「バイクとライダーによる垂直荷重(500N)」「ペダリングによる駆動力(200N)」といった、ホイールをフレームに組み付け人間が全開で踏み込んでいる状態を完全に再現。その結果、カートリッジベアリングはスルーアクスルの締め付けによる軸方向のズレや荷重によってベアリングの動きが阻害されやすいのに対し、カップ&コーンは最適な「球当たり調整」が可能なため、カートリッジ比で約30%も低い回転トルクを叩き出したのだ。

新たに「交換可能なスチール製ベアリングカップ」を採用。防水性も高まり、一つのホイールをより長く使い続けることが可能になった

さらに、構造面でも劇的な進化を遂げている。従来はベアリングカップが摩耗するとハブ全体(ひいてはホイール自体)の寿命となっていたが、新型ではスチール製の「ベアリングカップを交換可能な構造」へとアップデート。これまでの耐久性・シール性の設計思想はそのままに、外部からの水の浸入を強力に防ぐ新防水構造も備え、洗車時などの浸水リスクも大幅に低減。一般的な標準工具でメンテナンスが可能となり、より長く、最高のパフォーマンスを維持できるようになった。
なお、フリーボディは現行モデル同様、シマノ12速ロード専用の「HGスプラインL2(DIRECT ENGAGEMENT)」を採用している。

「最速のバイクにDURA-ACEがないのはおかしい」 C99とディスクが新登場

TT・トライアスロンに向けて新たに開発されたC99フロントとフルディスクリアホイール

今回のWH-R9370シリーズで新たに追加されたのが、タイムトライアルとトライアスロンに特化した「C99(フロント専用)」と「フルディスクホイール(リア)」だ。

開発の動機は極めてシンプルで、「自転車の空力最先端であるTTバイクやトライアスロンバイクに、DURA-ACEのホイールがないのはおかしい」という強い思いから。DURA-ACEブランドとして初となるこのディープリム&ディスクホイールは、すでにトップトライアスリートのカタリーナ・マシューズらが実戦で使用し、自己ベスト更新という素晴らしい結果を残している。

タイヤ幅28Cに対応したフレームであれば装着が可能で、コンマ1秒を削るシリアスなレーサーにとって待望の「最速のDURA-ACE」となるだろう。

ハブからスポーク、リムに至るまで全てを自社設計し、トータルバランスで仕立て上げるシマノの強みが遺憾無く発揮された新型ホイール。限界を突破し、次の次元へと足を踏み入れた「WH-R9370」シリーズは、2026年9月17日よりオールラウンドモデルの「C50」から順次発売が開始される。

WH-R9370シリーズ ラインアップ&スペック

WH-R9370-C36-TL(山岳コース向け軽量・高反応モデル)

価格:フロント 198,847円 / リア 232,866円(税込)

圧倒的な登坂力と加速力を誇る軽量クライミングモデル WH-R9370-C36-TL
  • リムハイト:36mm
  • リム内幅 / 外幅:23mm / 29.4mm(前後共通)
  • スポーク:Aeroカーボンスポーク(F 18本 / R 21本)
  • 重量:1170g(前後セット)
  • 発売時期:C50の後、順次発売

WH-R9370-C50-TL(重量・空力・剛性のバランスに優れたオールラウンドモデル)

価格:フロント 198,847円 / リア 232,866円(税込)

重量、空力性能、剛性のバランスに優れた究極のオールラウンドモデル WH-R9370-C50-TL
  • リムハイト:50mm
  • リム内幅:23mm
  • リム外幅:フロント 31mm / リア 32mm
  • スポーク:Aeroカーボンスポーク(F 21本 / R 21本)
  • 重量:1302g(前後セット)
  • 発売時期:9月17日

[画像:WH-R9370-C60-TL 前後セットの画像]
平坦ステージでの逃げや強烈なスプリントを支える高剛性モデル WH-R9370-C60-TL

WH-R9370-C60-TL(平坦ステージ、逃げ、スプリント向け高剛性モデル)

価格:フロント 198,847円 / リア 232,866円(税込)

平坦ステージでの逃げや強烈なスプリントを支える高剛性モデル WH-R9370-C60-TL
  • リムハイト:60mm
  • リム内幅:23mm
  • リム外幅:フロント 31.5mm / リア 32.3mm
  • スポーク:Aeroカーボンスポーク(F 21本 / R 24本)
  • 重量:1389g(前後セット)
  • 発売時期:C50の後、順次発売

WH-R9370-C99-TL-F(TT・トライアスロン専用フロントホイール)

価格:276,396円(税込)

「最速のバイク」のために開発されたTT・トライアスロン専用のC99フロントとフルディスクリア
  • リムハイト:99mm
  • リム内幅 / 外幅:23mm / 35.2mm
  • スポーク:Super Aeroカーボンスポーク(16本)
  • 重量:792g
  • 発売時期:10月以降

WH-R9370-D-TL-R(リアディスクホイール)

価格:526,216円(税込)

  • 構造:フルディスク構造(C99との組み合わせを前提に開発)
  • リム内幅:23mm
  • 重量:987g
  • 発売時期:10月以降

問:シマノ https://bike.shimano.com/ja-JP/home.html

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