
ファインダー越しに見つける岐阜・飛騨の森と暮らし #1 ガイドと歩く五色ヶ原の森
ランドネ 編集部
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山や森、清流など豊かな自然に囲まれた岐阜県には、カジュアルな自然体験から本格的なアウトドアまで、旅の楽しみ方がたくさんあります。自然のなかで思いきり体を動かしたり、土地ならではの食や文化に触れたり。知れば知るほど、次に訪れたい場所が見つかります。
そんな岐阜の魅力を、旅と写真をとおして探しに出かけたのは、宇宙を旅するように山へ登り、旅や写真をとおして「自分」にフォーカスするコミュニティ「宇宙HIKE」主宰の松本茜さんと、メンバーの古塩さん、豊岡さん。カメラを片手に森を歩き、町をめぐりながら、飛騨の自然と暮らしを訪ねました。

ガイドツアーでしか入れない五色ヶ原の森へ
1日目に向かったのは、高山市の乗鞍岳北西山麓に広がる五色ヶ原の森。乗鞍岳の火山活動によって流れ出した溶岩の上に広がる森で、2004年から一般公開されています。自然環境を守りながら森を楽しむため、入山できるのはガイドツアーに参加した人のみ。今回は「シラビソショートコース」を歩きます。

出発前に迎えてくれたのは、ガイドの崔瑛順さん。
「五色ヶ原の森は、最初からこんな森だったわけではありません。もともとは溶岩が流れてきて、岩がごろごろした大地だったんです。それが何百年、何千年という時間をかけて少しずつ植物が入り、枯れたものが積み重なって土ができて、いまの森になっていったんです」
木々や苔に覆われた森を見ていると、そこが溶岩の上だということを忘れてしまいそうになります。
足元に広がる、小さな森の発見
いよいよ森のなかへ。進み始めると、崔さんがさっそく植物を指差します。
「これはクマイザサ。ササはたくさん種類がありますが、さわってみると葉の裏がふわふわしているのが特徴です」


続いて教えてもらったのは、森に咲く花。
「これはキバナノヤマオダマキですね」
「こっちはタマガワホトトギス」


立ち止まるたびに、植物の名前や特徴を教えてくれる崔さん。普段ならなにげなく通りすぎてしまいそうな植物も、名前を知ると気になってくるもの。みんな一斉にカメラを構えていました。

歩く速度は少しずつゆっくりに。遠くの眺めだけでなく、木の枝や足元へと視線が移っていきます。次に目に留まったのは、小さな木の実。


「シラビソの実ですね」
「これがシラビソになるんだ」

近くにあるシラビソの樹液にも興味津々です。
「ベタっとするけど、森のにおいがする」
「アロマオイルみたいな香り」
植物が自分の身を守るために出す香りについても、崔さんが教えてくれました。
「植物が自分たちを虫や菌などから守るために出す成分のひとつが、テルペン類なんです。森林の香りには、リラックスやストレス軽減につながる作用があることも研究されています」


足元にはオオシラビソの葉も。拾ってかいでみると、さわやかな香りが鼻を抜けます。

「こういうのは、現地に来ないとわからないね」
写真に残せるものと、そこにいるからこそ感じられるもの。その違いにも、カメラを持って歩くことで気づかされます。

木の実のすぐそばには、岩や地面を覆う苔。
「苔もすごい!」
「苔は光と水だけで生きていける、とってもシンプルな植物なんです。日本には約1800種類の苔があり、世界の約10分の1が日本に生息しているといわれています。日本にこんなに苔があるということは、それだけ雨が多くて、高温多湿で、多雪な気候だということなんです」
崔さんの話を聞きながら、3人はまたファインダーをのぞきこみます。

8月の森に流れる、ひんやりとした水
8月上旬とは思えないほど、森のなかは涼やか。進んでいくと、川の流れが見えてきました。
「水、きれい」
「冷たっ!」
手を入れてみると、思わず声が上がります。


川に架かる橋には、森のなかで出た木材などが使われているそう。そこにあるものを生かしながら整備された道を進むうちに、ここが人の手も加わりながら守られている場所であることにも気づきます。

そして、もうひとつ気づいたのは、ほかの人とすれ違わないこと。
「人の気配がないね」
「貸し切りみたい」
ガイドツアーでしか入ることのできない場所だからこそ、静かな環境のなかで自然と向き合うことができます。
変わっていく森の表情
歩みを進めると、森の表情が少しずつ変わってきました。それまで目立っていた針葉樹が少なくなり、広葉樹が増えていきます。

「さっきと雰囲気が違うね」
「木が変わってきた」
おなじ森のなかでも、歩くにつれて景色が変わっていく。その変化もまた、カメラに収めていきます。


やがてたどり着いたのは、秋には水が溜まり、池になるという雄池。黒い溶岩や白いチャートなど、歩き始めに聞いた「溶岩の大地」という言葉を、ここで改めて実感しました。
さらに進むと、少しずつ水の音が大きくなってきます。目指すのは、このコースのハイライトでもある布引滝。滝へ向かって岩場を下りていく途中、ぽつぽつと雨が降り始めました。一気に雨脚が強くなり、濡れた岩や木々の色が濃くなっていきます。その先に現れたのが、迫力のある滝。


「わあ……」
「すごい!」
雨の音に滝の音が重なり、周囲には水しぶきが漂います。濡れた森と滝が重なり、晴れた日とは違う幻想的な景色に。カメラを構え、次々とシャッターを切っていきます。



「雨の日の山もいいね」
そう話す茜さん。晴れた日とは違う、雨の日ならではの森の表情。思いがけず出会った景色をカメラに収め、森を歩く一日を終えました。

五色ヶ原の森
住所:岐阜県高山市丹生川町久手471-3(案内センター)
TEL:0577-79-2280
ツアー期間:5月10日~10月31日
料金:10,200円~16,200円(シラビソショートコース、人数によって変動あり)、グループ貸し切り/+16,000円
※ツアーには事前の予約が必須
https://goshikinomori.com
一日の終わりに、ほっとひと息

五色ヶ原の森を歩き終え、高山市街へ。この日の宿は高山駅から徒歩10分の「cup of tea : guesthouse」。一杯のお茶に込められた、ゲストをもてなす気持ちにちなみ、「cup of tea」と名付けられたゲストハウスです。木を基調とした空間は、ナチュラルで落ち着いた雰囲気。


今回宿泊したのはドミトリールーム。ベッドスペースは壁で仕切られ、ロールカーテンも備えられているため、相部屋ながら自分の時間も確保できてリラックスできます。
cup of tea : guesthouse
住所:岐阜県高山市八軒町 1-77
チェックイン:15:00~21:00、チェックアウト:~10:00
料金:4,000円~
https://cupoftea-takayama.net/guesthouse
宇宙HIKEがファインダー越しに見つけた、飛騨の森
夜はラウンジに集まり、今日撮った写真をみんなで見せ合います。

「これ撮ってたんだ!」
「私はここ撮ってなかった」
「この写真いいね」
写真を見返していると、森で聞いた崔さんの話や、そのときの会話までよみがえってきます。カメラを片手に歩いたからこそ、五色ヶ原の森で出会った小さなものまで、もう一度思い返すことができました。明日は、高山の町へ。飛騨の自然と暮らしを訪ねる2日目が始まります。
宇宙HIKEが切り取る「五色ヶ原の風景」






楽しすぎるぞ岐阜!ハッシュタグキャンペーン
山や森を歩くだけでなく、旬の味を楽しんだり、町で人やものづくりに出会ったり。今回の旅で見つけたのは、自然を入口に、いろいろな楽しみ方へつながっていく岐阜・飛騨高山の魅力でした。
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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