
山岳インサレーションは、どこへ向かうのか。パタゴニアが考える「快適さ」のその先
PEAKS 編集部
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選択肢が増えたいま、山岳インサレーションに求めたいのは、暖かさや軽さだけではない。
着続けるための通気性と、気兼ねなく使うための耐久性。
ふたつの新作から、これからの山で求められる快適さのあり方を考える。
「ナノエア・ライト」と「デュラブル・ダウン」、ふたつのアプローチから読み解く保温着の現在地。
インサレーションはいま、選択肢が豊富になったぶん、選ぶことが難しくなっている。アクティブインサレーションだけを見ても、保温材の種類や量、通気性、シェルとの組み合わせなど、さまざま。暖かさを取るのか、熱の抜けを優先するのか。
運動量や気温など、レイヤリング次第で正解は変わり、「行動中に着る保温着」というひと言では括れなくなった。一方、停滞時の保温を担うダウンウエアは、薄手生地を採用するモデルが多い。軽さは山では大きな武器だが、岩に腰掛けるときやバックパックを背負ったまま動く際に、擦れを気にしてしまうこともある。ギアの性能が高まったいまだからこそ、数値だけではなく「山でどう使うか」から考える必要がある。
そんな視点で見ると、今季のパタゴニアのふたつのインサレーションは興味深い。ひとつは、行動中に着用し続けることを追求した「ナノエア・ライト・フーディ」。もうひとつは、耐久性と適度な保温性を備えた「デュラブル・ダウン・フーディ」。どちらにもウエアについて考える時間を減らそうとする姿勢が見える。
ナノエア・ライトの初登場は2016年。その後、ラインナップの変遷を経て、今季あらためて登場したナノエア・ライトでは、表地と裏地の通気性能に差をつけ、外側ではプロテクションを保ちながら、体から生じた熱や湿気を排出しやすくした。また、伸縮性や耐久性、肌触りも向上している。
その価値がわかりやすいのは、寒い日の朝、登山口から歩き始めたあと。最初はちょうどよくても、登りが続けば体は熱をもつ。稜線に出れば風を受け、休憩すれば冷えてくる。そのたびに着たり脱いだりするのではなく、着たまま活動する。ナノエア・ライトが目指しているのは、たんなる通気性の高さではなく、行動の流れを止めず、山を歩くことそのものに集中できる快適さだ。
もうひとつ、山で無意識に払っているコストがある。それは、道具への気遣い。
デュラブル・ダウン・フーディは、クライミングや山岳滑走のための「頑丈な中厚」インサレーションとして送り出された。700フィルパワーのリサイクルダウンを包むシェルには、同社ワークウエアシリーズの素材を軽量化して使用。袖口と脇下には、湿気の吸収を抑える化繊綿を配置する。重量は軽量ダウンの尺度だけで見れば重い。だが、この一着が優先したのはパックの中での軽さだけではない。岩に腰掛ける。バックパックを背負ったまま動く。山小屋の外やテント場で作業する。意識したのは、薄手のダウンなら気を遣うそんな場面でも、気にせず使えること。軽さで携行時の負担を減らすのではなく、耐久性によって着用時の負担を減らす。その実用性こそ、
この一着を選ぶ理由だ。
一方は、着脱を減らすために熱と湿気を逃がす。もう一方は、扱いへの気遣いを減らすために耐久性を高める。アプローチは違っても、その先にある快適さはよく似ている。着脱の判断やウエアへの気遣いが減れば、そのぶん歩くことや景色を眺めること、山ですごす時間に意識を向けられる。この二着が示すのは、スペックの最大化によって快適性を求めるのではなく、行動から逆算して快適さを設計するという、山岳ウエアの新たな方向性なのかもしれない。
メンズ・ナノエア・ライト・フーディ
寒暖差のある行程でも、着続けられることを目指した一着。
着続けやすさが向上した、アクティブインサレーションのパイオニア。従来モデルから中綿構造と生地を見直し、身頃などは40g/㎡の化繊綿、脇下から袖にかけては20g/㎡を採用。伸縮性と蒸れにくさを高めている。

- ¥42,900
- サイズ:XS ~ XL
- カラー:グレイシャルブルー、ウェザードストーン、インクブラック
- 重量:371g(M)




メンズ・デュラブル・ダウン・フーディ
気兼ねなく扱えるタフさが、山での自由度を広げる。
軽さだけを追わず、高い耐久性と適度な保温性を両立した中厚のダウンインサレーション。700フィルパワーのリサイクルダウンを封入し、クライミングや山岳滑走など、山で長く着用しやすい実用性を重視した設計だ。

- ¥55,000
- サイズ:XS ~ XL
- カラー:オータムオレンジ、ツリーライングリーン、ブラック
- 重量:652g(M)




企画協力◉パタゴニア日本支社
0800-8887-447
www.patagonia.jp
- BRAND :
- PEAKS
- CREDIT :
-
文◉PEAKS編集部
写真◉出口貴裕
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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