
BMXフリースタイルW杯第1戦 日本代表がパークとフラットランドの男女全4種目を完全制覇
Bicycle Club編集部
- 2026年05月29日
INDEX
フランス・モンペリエにて開催されたアーバンスポーツの世界最大級の祭典「FISE World Series」において、2026年のBMXフリースタイル・ワールドカップが開幕した。大会は5月11日(月)から17日(日)にかけて行われ、日本代表がパークおよびフラットランドの男女全4種目すべてで優勝を飾るという歴史的な快挙を成し遂げた。シーズン初戦から世界トップレベルの強さを見せつけた日本勢の活躍をレポートする。
熱狂のモンペリエで迎えたFISE 30周年記念大会
今年でイベント開催30周年を迎える「FISE(Festival International des Sports Extrêmes)」。その記念すべき大会の舞台となったフランス・モンペリエには、今年も50万人を超える大観衆が詰めかけた。
大会期間中は大きな天候の崩れもなく、パーク、フラットランドともに絶好のコンディションで競技が進行。各国のトップライダーたちがシーズン初戦から高難度トリックを次々と繰り出し、ワールドカップ開幕戦にふさわしいハイレベルな戦いが繰り広げられた。
男子パーク:中村輪夢がバックフリップクワッドバースピンをメイクし圧巻の優勝

男子パークには70名のライダーがエントリー。日本からは派遣選手3名を含む計5名の日本人選手が参戦した。24名まで絞られる予選では、日本のエース・中村輪夢が堂々の1位通過を果たす。一方、小澤楓は28位、松本翔海は36位となり、健闘するも準決勝進出にはあと一歩届かなかった。
2日後に行われた準決勝で、中村はミスのない安定したライディングを披露し、全体の2位で上位12名による決勝へ駒を進めた。

決勝の舞台では、最高峰のトリックに挑んで転倒するライダーが続出するなか、中村は圧巻のパフォーマンスを見せる。昨シーズンまでアメリカチームを牽引しメダル獲得に貢献してきた名将、ライアン・ナイクイスト氏を新たにヘッドコーチに迎えた今季。中村は準決勝よりもさらに難度を上げたルーティンを組み込み、「バックフリップクワッドバースピーン(後方1回転中にハンドルを4回転)」などの超大技を完璧にメイク。
暫定1位で2本目を迎えた後も、パリオリンピックの金メダリストや強力なライバルたちが次々と得点を更新する中で、中村の叩き出した「95.10点」を上回る選手は現れず。見事シーズン初戦を最高の形となる優勝で飾った。
中村輪夢コメント

「昨年のワールドカップ最終戦となった日本大会では、自分の中でもあまり良い終わり方ができず、先月の国内大会でも思うように走れない部分がありました。久しぶりの海外大会となりましたが、その中でしっかり走り切れたことは良かったと思います。
結果として優勝できたことも嬉しいですが、それ以上に、これまで取り組んできたことを少し形として出せたことに手応えを感じています。まだ今回の大会では出し切れていない部分や、やろうとしていたことも残っているので、次戦ではそこもしっかり出していきたいと思います」
女子パーク:14歳の白井玲恵奈がワールドカップ初出場で初優勝の快挙

女子パークには、昨シーズンの最終戦で優勝した小澤美晴、そして準優勝の吉田実央が派遣選手団として参戦した。2本のランの平均点で順位が決定する予選において、小澤は1本目で高難度トリックを披露して高く評価されたものの、2本目終盤での転倒が響き、わずか0.35点差の13位で惜しくも決勝進出を逃す。吉田は手堅くまとめて10位で決勝へ進んだ。

決勝は前半・後半に分かれて行われ、前半出走となった吉田は「360ターンダウン to バースピン」などの得意技を成功させ、昨年の世界チャンピオンに次ぐ暫定2位につける。

そして後半戦、予選を1位で通過した白井玲恵奈が登場。今大会の最年少出場者である14歳の白井は、決勝という大舞台でも物怖じすることなくトップスコアとなる89.60点を記録。強豪ひしめく中国勢らを抑え込み、ワールドカップ初出場にして初優勝という途方もない快挙を成し遂げた。
フラットランド男子:新フォーマットのもと、早川起生が土壇場で逆転優勝
22名が出場した男子フラットランド。予選から日本勢が圧倒的な強さを見せ、上位5名中4名を日本人選手が占める展開となった。
今大会よりフラットランドのフォーマットが変更され、従来の「3分間・1本勝負」から、「2分間のランを2本実施し、高得点の1本が採用される」ベストラン方式となった。

決勝1本目では、昨年の世界チャンピオンである片桐悠がトップスコアをマーク。それに予選1位通過の早川起生がわずか0.28点差で2位、さらにモンペリエ大会3連覇中の庄司ゆうが0.58点差の3位で続くという、日本人同士の熾烈なトップ争いが展開される。

勝負の2本目、片桐と庄司が得点を伸ばしきれない中、最終走者として登場した早川が勝負強さを発揮。2つの高難度コンビネーションを完璧に成功させて95.00点を叩き出し、大きくスコアを伸ばしての鮮やかな逆転優勝を果たした。
フラットランド女子:戸高千翠が貫禄の勝利、本村果鈴が続きワンツーフィニッシュ
女子フラットランドでは、戸高千翠、本村果鈴、吉村想花の3名が予選をトップ3で通過し、揃って決勝へと進出。

決勝では、本村が非常に完成度の高いルーティンを成功させて会場のボルテージを最高潮に引き上げる。しかし、昨年の世界チャンピオンである戸高が、それを上回る高難度トリックを次々と成功させ、圧倒的な完成度の高さが評価されて92.67点を獲得。堂々の優勝を飾った。

戸高千翠コメント

「昨シーズンから約半年間の準備期間を経て、初参戦となったモンペリエ大会から優勝することが出来てとても嬉しいです。新しいフォーマットになり少し苦戦する部分もありましたが、今シーズン後半に控える世界選手権での2連覇にむけて、さらに練習に取り組んでいきたいと思います。応援ありがとうございました」
日本人選手が全カテゴリーの頂点に立つという、日本のBMXフリースタイルの歴史において記念碑的となった今大会。シーズン初戦で圧倒的な競争力を示した日本代表チームにとって、今後のワールドカップシリーズや世界選手権へ向けて最高の発進となった。
BMXフリースタイルW杯2026 第1戦モンペリエ大会 大会結果
男子 パーク

1位 中村 輪夢(日本) 95.10pts
2位 ジャスティン・ダウエル(アメリカ) 93.55pts
3位 マーカス・クリストファー(アメリカ) 92.60pts
28位 小澤 楓(日本)
36位 松本 翔海(日本)
女子 パーク

1位 白井 玲恵奈(日本) 89.60pts
2位 スン・シベイ(中国) 88.90pts
3位 ハンナ・ロバーツ(アメリカ) 85.86pts
6位 吉田 実央(日本) 80.60pts
13位 小澤 美晴(日本)
男子 フラットランド

1位 早川 起生 (日本) 95.00pts
2位 片桐 悠 (日本) 88.58pts
3位 荘司 ゆう(日本) 88.00pts
4位 菱川 高虎(日本) 87.16pts
女子 フラットランド

1位 戸高 千翠(日本) 92.67pts
2位 本村 果鈴(日本) 88.67pts
3位 アンナ・モンディックス(ハンガリー) 76.67pts
4位 吉村 想花(日本) 75.33pts
- BRAND :
- Bicycle Club
SHARE
PROFILE
Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。



















