
自転車活用推進功績者表彰式が開催 さいたまクリテや乗鞍など普及と発展に寄与した団体・企業が受賞
Bicycle Club編集部
- 2026年05月29日
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5月28日、東京・霞が関の国土交通省にて「令和8年度 自転車活用推進功績者表彰」および「『自転車通勤推進企業』宣言プロジェクト『優良企業』認定 合同表彰式」が開催された。自転車の活用推進に顕著な功績を残した個人・団体、ならびに自転車通勤の推進に積極的に取り組む企業が表彰を受けた。サイクリストにとっても馴染み深いイベントや団体が多数選出された本式典の模様をレポートする。
大きな転換期を迎える自転車政策と今後の期待

平成30年度より毎年度開催されているこの表彰は、自転車活用推進法に基づき、都市環境の改善、国民の健康増進、観光地域づくり、安全安心な自転車利用など、さまざまな分野において顕著な功績を挙げた個人・団体を称えるものだ。
式典には自転車活用推進本部長を務める金子恭之 国土交通大臣が登壇。来賓の江島潔 参議院議員、奥下剛光 衆議院議員らが見守るなか、受賞者への賛辞と今後の自転車社会への期待を語った。
「昨今、自転車政策は大きな節目を迎えています。本年4月から自転車の青切符制度が導入されたほか、新たな自転車活用推進計画もスタートします。さらに来年には、世界最大級の自転車国際会議『Velo-city(ベロシティ)』が、日本で初めて愛媛県で開催されます」
環境負荷の低減だけでなく、地域活性化や国際交流のツールとしても高まる自転車への期待に触れつつ、金子大臣は「自転車文化を社会に根付かせ、その活用をさらに推進していくためには、地域や企業の現場で尽力されている皆さまのお力が不可欠です」と力強く呼びかけた。
地域活性化やスポーツ振興を牽引する受賞者たち(功績者表彰)
続いて、今年度の自転車活用推進功績者表彰を受賞した1個人と5つの団体へ、金子大臣より表彰状が授与された。全国各地の魅力的なフィールドで、自転車を通じたまちづくりや文化醸成に取り組む受賞者たちの顔ぶれは以下の通りだ。
下城卓也氏(熊本県)

「道の駅阿蘇」をサイクリング拠点として整備し、サイクリスト用の無料駐車場や周遊クーポンの配布など多様な施策を展開する下城氏。サイクルガイドの育成に向けたガイドライン策定や講習も実施し、受け入れ体制を強化。国内外に向けたインバウンド誘客に大きく貢献した。
「阿蘇を愛する多くのサイクリスト、そして支えていただいた行政関係者の皆様とともにいただいたものと受け止めています。今後も仲間と力を合わせ、阿蘇・熊本が世界中のサイクリストに愛され続ける地域となるよう、取組を継続してまいります」
一般社団法人さいたまスポーツコミッション(埼玉県)

世界のトップレーサーが集結し、190カ国へ中継される国際イベント「ツール・ド・フランス さいたまクリテリウム」を継続開催。公共交通機関との接続性や回遊性に配慮したコース設計により、新たな都市型の開催モデルを創出した。
「今回の表彰は、活動を支えてくださった市民・関係者の皆さまのご支援とご協力の賜物であり、深く感謝申し上げます。今後も多様なパートナーと連携し、自転車を活用したまちづくりや地域活性化、自転車文化のさらなる普及・発展に取り組んでまいります」
公益財団法人しそう森林王国観光協会(兵庫県)

森林セラピーとサイクリングを融合させた「セラピーバイク」プログラムを提供。道の駅をはじめとする主要な観光施設を拠点に、E-BIKEで森林エリアを巡る体験型観光を打ち出し、健康志向と自然資源を活かした持続可能な観光を推進している。
「市内の森林が9割である本市では、県下で唯一、森林セラピー基地に認定され、主要な観光施設に設置しているE-BIKEに乗っていただき、森林が生み出す癒し効果や健康の維持・増進効果をより多くの方に体感していただきたいと考えています」
特定非営利活動法人益田市・町おこしの会(島根県)

普段は立ち入れない萩・石見空港の滑走路を走る特色あるファンライド「益田I・NA・KAライド」を継続開催。またジュニア大会を含むロードレースの開催により、競技力向上と若手育成にも貢献している。
「約15年にわたり民間活力の可能性と、地域や行政との連携による地域活性と情報発信による知名度の向上を目的に、『自転車の活用によるまちづくり』を推し進めてきました。今後は自転車活用による様々な効果を推奨すべく、引き続き活動を邁進する所存であります」
乗鞍ヒルクライム大会実行委員会(長野県)

昭和61年から継続して開催され、今年で41年目を迎える歴史あるヒルクライム大会を企画・運営。毎年約4,000人規模が参加する国内最大級のイベントとして定着し、地域の観光振興や自転車競技の普及に大きく寄与している。
「今後も大会を通じ自転車普及と共に乗鞍高原および松本市を広く発信し、地域住民参画型の事業実施により地域の活性化と活力向上を目指して参ります」
ブリヂストンサイクル株式会社(埼玉県)

創業75年以上の総合自転車メーカーとして、自転車社会の発展に幅広く貢献。競技選手の支援などスポーツ振興に加え、教材を活用した交通安全教育やライフステージに応じた啓発活動を展開。サイクルトレイン等のPRを通じて地域活性化にも寄与している。
「弊社は総合自転車メーカーとして、ライフステージに応じた交通安全啓発活動、競技・スポーツ振興、サイクルツーリズムの促進を通じて自転車社会の発展に取り組んでまいりました。今後も、安全・安心に自転車を楽しめる社会の実現と地域活性化に貢献してまいります」
モデルケースとなる「自転車通勤推進優良企業」の認定
続いて行われたのは、「自転車通勤推進企業」宣言プロジェクトの中で、特に優れた独自の取り組みを行い、他企業の模範となる企業・団体を認定する「優良企業」認定証の授与式。今年は2つの団体が認定を受けた。
静岡県庁(静岡県)

職員向けに安全講習動画やテストを提供し、自転車通勤の普及を推進。県計画に宣言企業数の目標を位置づけるとともに、行政評価項目に制度を組み込むことで、情報発信と制度設計の両面から自転車活用の裾野拡大に取り組んでいる。
「今後も、職員の自転車通勤を推進するとともに、率先して自転車の利用促進に努めます。県民の皆様が、安全で快適に自転車を楽しんでいただける環境を整備し、自転車で紡ぐ、ウェルビーイングな社会の実現に取り組んで参ります」
パナソニック サイクルテック株式会社(大阪府)

ヘルメット着用の徹底や駐輪場・シャワー室の整備など、自転車通勤の安全性を確保する環境を整備。また、各種自転車レースへの積極参加やサイクリングイベントの開催、走行距離を競うサイクルラリー、安全運動の継続実施により従業員の健康増進と意識向上を図っている。
「サイクルモビリティのリーディングカンパニーを目指す当社による自転車通勤推進への取り組みをご評価いただき大変光栄です。今後も地球にやさしく安全・快適な移動と心躍る楽しさを提供する自転車での通勤推進に貢献してまいります」
さらなる自転車社会の発展に向けて

式典の最後には、金子本部長と受賞者全員による記念撮影が行われ、和やかな雰囲気のまま閉会となった。
自転車というクリーンで身近なモビリティは、今や単なる移動手段の枠を超え、健康増進や観光資源、スポーツの舞台として社会に欠かせない存在となっている。今回表彰された各団体の熱意ある取り組みが新たな起爆剤となり、日本各地で自転車を通じた豊かなまちづくりや文化醸成がさらに進むことに大いに期待したい。
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