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パナソニックPOSの新たな到達点 クロモリディスクロード「FRCD07」登場 40年へ向かうクロモリオーダーロードの進化形

パナソニック オーダー システム(POS)から新型クロモリディスクロード「FRCD07」が登場。40周年を目前に控えたPOSの歴史を振り返りながら、最新規格を採用した新モデルの特徴や開発背景、その魅力を紹介。

来年40周年のPOS

2027年に40周年を迎えるパナソニックのオーダーバイクブランド、Panasonic Order System(POS)。

日本のスポーツ自転車史を語るうえで欠かせない存在でありながら、その本質は単なる“老舗ブランド”ではない。体型や好みに合わせて一台ずつ製作するオーダーバイクでありながら、時代ごとの技術やトレンドを柔軟に取り込み続けてきたブランドでもある。

そんなPOSから、新たなクロモリディスクロード「FRCD07」が発表された。2026年7月より受注開始となるこのモデルは、伝統的なクロモリロードの美しさを残しながら、現代のコンポーネントやディスクブレーキ規格に対応した最新世代のロードバイクだ。

発表会では新製品の紹介だけでなく、POSが歩んできた約40年の歴史についても語られた。そこから見えてきたのは、単なる新モデルではなく、日本のハンドメイドスポーツバイク文化そのものを未来へつなぐ一台としての意味だった。

「みんなと同じじゃ嫌」から始まったPOS

POSのスタートは1987年6月1日。当時は円高や海外製自転車の流入などによって国内メーカーにとって厳しい時代だったという。

市場環境が厳しさを増すなか、「変化を起こす」という経営方針が掲げられ、差別化の方法が模索されていた。そのときに出てきたのが、「みんなと同じじゃ嫌」という発想だったという。さらに「高価なゴルフクラブなのに他人と同じものでは面白くない」という言葉も、オーダーバイク開発の後押しになったという。

現在ではPOSとして当たり前になったカスタムオーダーだが、1980年代後半にパソコンとFAXを活用してオーダーを受け、生産管理を行うシステムは極めて先進的だった。

POSシステムの採寸用フィッティングスケール

しかも約2週間という短納期を実現していたというから驚きだ。発売初月には500台以上を受注し、当初の想定を超える成功を収めた。このシステムが後のPOSブランドの礎になった。

欧州プロレースで証明された実力

1992年、オラフ・ルートヴィヒ選手が乗った実車

POSの歴史を語るうえで欠かせないのが、ヨーロッパのプロレースとの関わりだ。

1980年代、日本製ロードバイクはまだ欧州で十分な信頼を得ていたとは言えなかった。シマノですら参入したばかりの時代である。そんな状況のなか、当時の松下電器は欧州チームへのスポンサー活動を開始し、フレーム供給を目指した。しかし当初は断られ続けたという。

転機となったのは1989年。国内初だったカーボンモノコックフレームの開発である。チーム側がその性能に興味を示し、他ブランドのデザインに似せて試験投入したところ高評価を獲得。その結果、1990年から正式に機材供給が始まった。

その後の成績は華々しい。パリ〜ルーベ優勝、ワールドカップ優勝、そしてツール・ド・フランスでの勝利。1992年にはオラフ・ルートヴィヒ選手がシャンゼリゼゴールを制している。さらに機材供給期間中の総勝利数は79勝。ツール・ド・フランス5勝という実績も残している。

日本のオーダーバイクが世界最高峰の舞台で結果を残していたという事実は、改めて注目されるべきだろう。

クロモリからチタン、そしてディスクロードへ

POSの歴史はそのまま日本スポーツバイクの進化の歴史とも重なる。

1988年のカタログにはクロモリ、チタン、トライアスロンバイク、さらには現在ではほとんど見られないファニーバイクまで掲載されていたという。

1990年には現在まで続くプレステージパイプ採用モデルが登場。さらにカーボンモノコックフレームも製品化された。1998年にはチタンフレーム開発が本格化し、異形パイプや大径チューブによる軽量化が進められた。

そして2014年にはクロモリディスクロードを他社に先駆けて投入。2019年にはフラットマウントディスクブレーキを採用したモデルへと進化している。

最新のFRTD05チタンフレーム

つまりPOSは伝統的なブランドでありながら、実は常に最新技術を取り込んできたブランドでもあるのだ。

なぜ今、クロモリディスクロードなのか

今回発表されたFRCD07の開発背景について、担当者はユーザーからの声を紹介した。

「最新コンポーネントを使いたい」「それでもクロモリフレームに乗りたい」そんな要望が近年増えていたという。

さらにサイクルモードなどのイベントで行ったアンケートでは、「クロモリフレームに最新規格を求める」という回答が約60%に達したという。

カーボンロード全盛の現在でも、クロモリに魅力を感じるライダーは少なくない。細身のフレームが持つ美しさ。素材特有のしなやかな乗り味。長く乗り続けられる安心感。

そうした価値を求めながらも、コンポーネントやホイールは最新規格を使いたいというニーズは確実に存在している。FRCD07は、まさにそうした声に応えるために誕生したモデルだ。

FRCD07の最大の特徴は「現代化されたクロモリ」

新型FRCD07の大きな特徴は、クラシックなクロモリロードの造形を維持しながら、現代ロードバイクの規格へ完全対応している点だ。

まず目を引くのが、POSオリジナルのワンポイントファイブヘッドラグである。

市場でも希少になったラグ構造を採用しながら、1.5インチ系ヘッド規格へ対応。見た目はクラシカルでありながら内部は現代的な設計となっている。

新フレーム、ヘッド部分のロウ接、銀ロウを使った高い技術が求められる

さらにヘッドチューブ内径は44mm。Chris KingやWhite Industriesといったサードパーティ製ヘッドパーツとの互換性も考慮されている。オーダーバイクらしいカスタマイズ性への配慮が感じられる部分だ。

リアエンドにはオリジナル設計のエンドを採用フラットマウントディスクブレーキと前後12mmスルーアクスルに対応している。

オリジナルのロストワックス製エンド、強度は十分確保されているので、あえてUDHは採用していない

最新のシマノやスラム、カンパニョーロのディスクコンポーネントとの組み合わせも容易で、現代のロードバイクとして不足のない仕様となっている。

カイセイULTIMAが生む走り

カイセイ・ULTIMAのデカール。シート部は、手間のかかる笹葉仕上げ。高級モデルの証と、ワイド幅(タイヤ幅最大32㎜)に対応させるためにこの仕様となっている

フレーム素材にはカイセイのクロモリパイプ「ULTIMA」を採用。国内生産による高品質なパイプとして知られ、軽量性と強度を高いレベルで両立する素材だ。

「ロードバイクらしいクイックなハンドリングと加速感」を目指したジオメトリーを採用。また、ライダー自身の力を推進力へ変換する“バネ感”を活かした軽快な乗り味も重視されているという。

クロモリフレーム特有のしなやかさと、ディスクロードに求められる剛性感。その両立こそがFRCD07最大のテーマと言えるだろう。

オーダーバイクならではのカラーリングも進化

POSらしい魅力であるカラーオーダーもアップデートされた。

オリーブグリーン、ベージュ、メタリックオレンジ、さらにミラーオレンジもラインナップに加わる。

加えて、新デザインパターンとして「マーブルエフェクトデザイン」も採用。サイクルモードなどの展示会で高い評価を得ていたデザインが正式採用された形だ。

単なるカラー追加ではなく、「自分だけの一台を作る」というPOSの価値をさらに高めるアップデートと言える。

40周年へ向かうPOSの新たな一歩

POSを支えるコアスタッフたち、設計、製作から塗装、品質保証などフルメンバーが発表会に集まった

来年2027年、POSは40周年を迎える。

1987年にスタートしたオーダーバイクシステムは、クロモリ、チタン、カーボン、競輪、欧州ロードレース、そして現代のディスクロードへと進化を続けてきた。

FRCD07は、その歴史の延長線上にあるモデルである。最新規格に対応しながらも、細身のクロモリフレームが持つ普遍的な美しさを失わない。

流行のためのモデルチェンジではなく、「長く乗り続けられる一台」を作るというPOS本来の思想が強く感じられる。カーボンロードが主流となった現在だからこそ、こうしたクロモリロードの存在価値はむしろ高まっているのかもしれない。

POSが40年かけて積み重ねてきた技術とクラフトマンシップ。その最新の答えが、このFRCD07といえるだろう。

品番:「FRCD07」
メーカー希望小売価格:365,000円(税込)~
質量:2,066 g(550 mmサイズ)(※1)

※1 数値は参考質量であり、塗装パターンによって前後します。

問:パナソニック サイクルテック

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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