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カンパニョーロ ZONDA CARBONを注目のカーボン50mmハイトリムホイールの試乗レビュー|Campagnolo

現代のロードサイクリングシーンにおいて、舗装路(ターマック)と未舗装路(グラベル)の境界線はもはや存在しない。滑らかなアスファルトから荒れた路面、そして自然とグラベルへと繋がるルートを楽しむスタイルは、単なるトレンドを越えて「オールロード」という確固たるカテゴリーとして定着してきた。

こうした多様化するサイクリストの冒険心に応えるべく、カンパニョーロから新たなホイール「ZONDA CARBON ALL ROAD(以下、ZONDA CARBON)」が発表された。長年、初めてのアップグレードホイールとして絶対的な人気を誇ってきた名作「ZONDA」が、全く新しいコンセプトのカーボンホイールとして生まれ変わったのだ。

今回は、普段JBCF(全日本実業団自転車競技連盟)などのレースを主戦場としつつ、住宅街からサイクリングロード、峠や林道まで近所の様々な道を走り込んでいる筆者(せいちゃん)が、自らの足でZONDA CARBONの真価をインプレッションしていく。

妥協なきスペックで構成された「新しい定番」の姿

カンパニョーロ ZONDA CARBON ALL ROAD

従来のZONDAが持つ「高い信頼性と基本性能」というアイデンティティを受け継ぎつつ、ZONDA CARBONはロードでの軽快な走行性能とグラベルでの走破性を両立するマルチテレインホイールとして開発された。カンパニョーロのカーボンホイールラインアップにおいてはエントリーモデルに位置づけられるが、そこにスペックの妥協は一切ない。

美しいC-LUXフィニッシュが施された50mmハイトのカーボンリム
小さな「ZONDA」ロゴはシルクスクリーン、大きな「ZONDA」ロゴはレーザーエッチングで刻印されている

最も目を引くのは、新開発された50mmハイトのカーボンリムだ。高弾性UDカーボンファイバーを使用したリムには、BORAシリーズなど上位モデルでお馴染みの「C-LUX(Campagnolo Luxury)フィニッシュ」が施されている。極めて滑らかで美しい鏡面仕上げは、塗装を必要としないためリム外周部の軽量化に直結。そこにスクリーンプリントとレーザーエッチングによるグラフィックが配され、所有欲を満たす高級感を放っている。

リムテープ不要のノン・ドリルド構造を採用。チューブレス運用時の気密性を極限まで高めている
ビードを確実に保持し、幅広いタイヤ選択を可能にする2-Way Fitのフックド・リム

リムの規格は、現代のトレンドを反映した内幅25mm(C25)の超ワイド設計。29mmから最大60mm幅までの極太タイヤに適合し、クリンチャーとチューブレスの両方が使用可能な「2-WAY FIT」を採用している。また、リムベッド(内側)にはスポーク穴のないノン・ドリルド構造が採用されており、チューブレステープ不要で確実な気密性を約束する。さらに、リムプロファイルはタイヤのビードを確実に保持する「フックド・リム」であり、最新のフックレス専用タイヤ以外の幅広いタイヤに対応しており、ライダーに絶対的な安全性と選択の自由を提供している。

G3スポークパターンと伝統のカップ&コーンベアリング

カンパニョーロ伝統のカップ&コーン式ベアリングシステムを搭載したフロントハブ
ドライブトレインの動力を受け止めるリアハブ。精巧な造り込みが光る

カンパニョーロのアイコンでもある「G3スポークパターン」は、このZONDA CARBONにも健在だ。リアはドライブトレイン側の動力を、フロントはディスクブレーキの制動力を効率的に受け止めるため、左右非対称の2:1配置でテンションを最適化。これにより横方向の剛性とパワー伝達効率が高められている。

ハブには、近年多くのメーカーが採用するシールドカートリッジベアリングと異なり、スラスト方向からの負荷に強く、緻密な玉当たり調整が可能な「カップ&コーン式ベアリングシステム」を採用。定期的なメンテナンスによって、長期間にわたり滑らかな回転性能を維持できる設計となっている。前後セット重量は50mmのディープリムでありながら1,550gに抑えられており、登坂から平坦巡航まで死角のない仕上がりだ。

カンパニョーロのラインアップにおける絶妙な立ち位置

近年のカンパニョーロホイール群において、ZONDA CARBONの立ち位置は非常にユニークで絶妙だ。

同じくグラベル&ロードを想定した兄弟機「ZONDA GT」はアルミ製で、29mmハイト/内幅23mmという堅実なスペック(重量1,690g)を持つ。一方、グラベル専用モデルの「LEVANTE」は、ZONDA CARBONと同じ内幅25mmを持ちながら、リムハイトは30mmに抑えられ、ミニフックを採用した軽量性(1,485g)とグラベルでのハンドリングに特化している。そして、エンデュランスロード向けの「SHAMAL DUAL PROFILE」は、波打つような45/40mmのデュアルハイトと内幅23mmを採用し、よりロード寄りの上質なライドフィール(重量1,480g)を提供する。

これらと比較すると、ZONDA CARBONは「内幅25mmによるタイヤエアボリュームの懐の深さ」と「50mmハイトによる圧倒的な空力性能」を掛け合わせた、最もアグレッシブなクロスオーバーモデルと言える。舗装路での高速巡航を犠牲にすることなく、そのままグラベルへ飛び込んでいける力強さを持った一本だ。

【インプレッション】「レースからグラベルまで。30万円弱はお買い得とすら感じる完成度」

ZONDA CARBONをインプレッションする筆者(せいちゃん)

それでは、実際に走ってみてのインプレッションをお届けしよう。今回はPIRELLI P ZERO RACEのクリンチャー(30C)を装着し、普段のトレーニングで使用しているコース(国道の峠、サイクリングロード、そして林道を含む約120km)でテストを行った。

インプレッションではPIRELLI P ZERO RACEの30Cを使用

乗る前は、「オールロードホイール」というカテゴライズから、ロードバイク本来の鋭い走りが少しマイルドになっているのかなと想像していた。しかし、良い意味で裏切られた。走り出しからペダルへの反応が良く、50mmハイトの恩恵もあってか、スピードに乗ってからは非常によく流れる(巡航が楽な)ホイールだと感じる。

「走り出しから反応が良く、スピードに乗ってからは非常によく流れるホイール」

私は普段から35mmハイトのカーボンホイールを愛用しているが、ZONDA CARBONは50mmハイトでありながら、重量面でのネガティブさを感じることは全くなかった。登りでのダンシングも軽快で、下りのコーナーでも狙ったラインを正確にトレースできる。

今回セットした30Cのタイヤと、内幅25mmのワイドリムとのマッチングが素晴らしい。タイヤの変形が少ないためか、路面が荒れた林道チックな道に入っても圧倒的な安心感で走破することができた。また、ディープリムで気になる横風の影響についても、太めのリム幅と丸みを帯びた形状が上手く風を逃がしているのか、ハンドルを取られるような怖さは皆無だった。

「このホイール1本で遊び尽くせる、お買い得な機材だと断言できる」

「ゾンダ」という名前からすると、税込で約29万7000円という価格設定を「高い」と感じる人も多いだろう。しかし、実際にバイクに履かせて走ってみると、その印象はガラリと変わる。最新のC-LUXマットフィニッシュがもたらすルックスの良さ、50mmハイトの空力、そしてロードのスピード感とグラベルの安心感を両立した走りの質の高さ。これらを踏まえると、30万円弱のホイールとしての完成度は凄まじく高い。

ホイールを何本も使い分けるのではなく、「このホイール1本で、様々なライドを遊び尽くしたい」と考えているサイクリストになら、むしろお買い得な機材だと断言できる。現代の多様なライドスタイルに完璧にフィットする、まさに「新時代の定番」と呼ぶにふさわしい一本だ。

Campagnolo ZONDA CARBON ALL ROAD

価格: 297,000円(税込)

  • ASTM分類カテゴリー: 2 (オンロードおよび未舗装路・ライトグラベル対応)
  • 前後セット重量: 1,550g
  • リムマテリアル: 高弾性UDカーボンファイバー(C-LUXフィニッシュ)
  • リムハイト: 50mm
  • リム幅: 内幅 25mm (C25) / 外幅 30mm
  • リム形式: 2-Way Fit (クリンチャー/チューブレス対応)・フックド・リム
  • 適合タイヤ幅: 29mm 〜 60mm
  • スポーク: 21本(G3パターン、左右非対称2:1配置)、ストレートプル・テーパード
  • ハブ: アルミニウム製一体成型(フロント 12x100mm / リア 12x142mm)
  • ベアリング: スチール製カップ&コーンシステム
  • ブレーキ規格: AFS(センターロック仕様)
  • 対応フリーボディ: Campagnolo N3W, Shimano HG11, SRAM XDR

問:カンパニョーロジャパン https://www.campagnolo.com/jp-ja/

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PROFILE

せいちゃん

せいちゃん

稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

せいちゃんの記事一覧

稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

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