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声が届くと、いつものライドはどう変わる?「S1」を使って走ってみた|SENA

誰かと走るとき、多くのサイクリストは声をかけ合ったり、振り返ったり、ハンドサインを出したりしている。時には止まってみんなでルートを確認することも……。実は意外と忙しくしているものだ。なかには、こうした伝達を「うまくできない」と苦手に思う人もいる。では、もしも、走りながら普通に会話できるアイテムがあればどうだろう? それを叶えてくれるのが通信機能を内蔵したSENA(セナ)のスマートヘルメット「S1」だ。
今回は、自転車のイベントやツアーでサイクリングガイドをしている筆者と、ガイド仲間の今(こん)さんの二人でS1を実際にテストした。ライドがより心地よくなったぞ。

サイクリスト同士を声でつなぐ「S1」

ところで「S1って何?」という方もいるかもしれない。SENAはオートバイ用をはじめとする通信機器(インカム)の分野で知られるメーカーで、その通信技術を自転車用ヘルメットに組み込んだのが「S1」だ。ヘルメット内にマイクやスピーカー、送受信機が収められていて、S1同士はもちろん、同じSENAのサイクリング向けMesh対応製品ともつながることができる。一見するとロードバイク用ヘルメットのような自然なスタイリング。それでいて「話せるヘルメット」でもあるというワケ。詳しい機能やスペックは、「新しい選択肢 スマートヘルメット『S1』|SENA」で紹介しているので、こちらも要チェック。

SENAのスマートヘルメット「S1」。このスマートな見た目のなかに通信機能が内蔵されている。価格:34,980円(税込)
マイクはヘルメット前面に1カ所。スピーカーはヘルメットの横側、左右の耳の上部分に備わっている
アイウエアの上側にある黒い部分がマイク。口元から少し離れていても、きちんと声を拾ってくれる
操作ボタンはヘルメット上部に配置。ヘルメットをかぶったまま手を伸ばして操作できる
充電端子はUSB Type-C。2.5時間の充電で16時間(テールライト点灯時は5.5時間)通話できる

振り返る回数が減る

ではS1にはどんな魅力があるか? 使ってみた感想を紹介しよう。グループライドをしていると後ろを振り返ることが多い。スタートしてしばらくしたときや、右左折の前、ペースを上げ下げしたとき、上りや下り……。「みんなちゃんと来ているかな?」後ろを確認したくなる。それがS1を使ってみると、振り返る回数が明らかに減った。「近くにいる?」「いるよ」、たったこれだけで状況がわかるからだ。「ほとんど後ろを見なくなったね」が二人の共通の感想だ。

後方確認時は前方から視線が外れる。それを減らしてくれるメリットは大きい

離れていても声はすぐそばに

平地のペースはさほど変わらなくても、上りでは距離が自然と開いてしまうこともある。ゆっくり行きたい人は速い人に無理に合わせたくないし、かといって先に行く側も「このペースで進んでいいのかな」と後ろの様子が気になるものだ。でも、「先にいくね」「私はマイペースで」、そうひと声かけておけば自分のペースで走れる。また、仮に相手の姿が見えなくなってしまっても、通信は1.2km(見通しの良い場所)届くので、「もうすぐ頂上だよ」「OK、がんばるよ」といったコミュニケーションも取れる。

速い人は速い人のペースで、ゆっくり走りたい人は自分のペースで――それでも声でつながっている

見えない情報を先に共有

下りではスピードが上がるぶん、前方の状況を早めに把握したい。ところが、安全のために車間距離をあけて走っていると、先頭に見えている段差や路面の荒れが、あとに続く仲間にはわからないことも多い。そんなときは「この先に段差あるよ」「轍が深いから気をつけて」と知らせておける。すべてを細かく説明しなくても、「減速!」と伝えるだけでも、後ろを走る仲間は「何かあるのだな」と察することができる。見えてから対応するのではなく、見える前から備えられる。

前を走る人には見えていても、後ろからは見えにくい段差や路面の荒れもある。気づいた人がひと言伝えるだけで、後ろを走る人は余裕をもって備えられる

情報は前からだけじゃない、後ろからも届く

グループライドでは、先頭が後続へ情報を伝える場面が多い。しかし、後ろから入ってくる情報も重要だ。「後ろが少し離れています」「○○さんがちょっとつらそう」。そんな声が後ろから届けば、先頭を走る人が何度も振り返って全員の様子を確認しなくてもいい。前の人は前を見て、後ろの人は後ろを見る。それぞれが見えていることをリアルタイムで伝え合える。

後ろからも情報が届くのがいいところ。仮にグループが二つに離れてしまっても、おたがいに連携しやすい

大声を出さなくていい、それだけでスマートになる

私たちサイクリングガイドは前方に歩行者を見かけても、決して「歩行者注意」とは言わない。もし自分が相手の立場なら、普通に歩いていて「注意」といわれるととても気分が悪いからだ。「前に歩行者の方がいらっしゃいます」「少し間隔を空けましょう」など、できるだけ相手に配慮した声掛けを行っている。S1なら、普通に話す声量で仲間に伝えられるので、大きな声で相手を驚かせてしまうこともない。これが思った以上に心地いい。街中にスマートに溶け込んだようだった。

人の多い場所でも、普段話すくらいの声で仲間に伝わる。大声を出さず、周囲に溶け込みながら必要な声を掛け合える

用事がなくても声をかけたくなる

ここまで紹介してきたのは、後方確認や危険情報の共有など、どちらかといえば「必要な会話」だ。でも、S1を使っているとそれ以外の会話も増えていく。普段のグループライドでは、走っている最中は意外と話ができない。「海、きれいだね」「気持ちいいね」といったひと言は交わせても、近況や世間話は休憩までおあずけになりがちだ。でも、走りながら話せるなら、休憩まで待つ必要はない。「休憩をサッと切り上げて、そのぶん走る距離も伸びそうだよね」、そんな話にもなった。走ることに話す楽しさまで加わる――考えてみれば、それってなかなか楽しいことだ。

走りながら近況や世間話も。離れて走っていても、いつものように話ができる

SENA S1

価格:34,980円(税込)
カラー:マット・グレー、マット・ホワイト、マット・ブラック
サイズ:M(55-59cm)、L(59-63cm)
重量:340g(Mサイズ)

SPEC

ライダー間通信:メッシュインターコム
スマートフォン接続:Bluetooth
通信距離:1.2km(見通しの良い場所)
通話時間:16時間/5.5時間(テールライト点灯時)
充電時間:2.5時間
チャンネル数:6チャンネル
充電端子:USB Type-C

SENA公式サイト

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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