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50周年を迎えたモンベルが脈々と繋げてきたプロダクトの軌跡。ストームクルーザー、その信頼の理由

日本を代表するアウトドア総合ブランド・モンベルが今年、創業50周年を迎えた。
その歴史を支えた代表格といえるプロダクト「ストームクルーザー」の歩みを紹介しよう。

編集◉PEAKS編集部
文◉森山憲一
写真◉宇佐美博之

モンベルが創業したのは1975年8月1日。今年の8月でちょうど50周年を迎えた。この50年、日本の登山に大きな影響を与えた製品をモンベルはいくつも開発してきた。その筆頭は、創業の翌年に販売開始した寝袋。ダクロンホロフィルという中空繊維を中綿に採用したその寝袋は、軽量性と保温性の高さが評判を呼び、現在に至る「寝袋はモンベル」というイメージを決定づけた。

そして愛用者の数と幅広さでいえば寝袋以上の評判を呼んだのがレインウエアだ。モンベルは「ストームクルーザー」と名付けたゴアテックスを使用したレインウエアを、創業7年目の’82年に発売。これは40年以上にわたって登山用レインウエアのベンチマークとして君臨し続けている。

ストームクルーザーのなにがそんなに優れていたのか?

ひとつは、レインウエアというものが日本独自の登山用具だったこと。モンベルは日本メーカーとして、「いつでも持ち歩ける」軽量な防水ウエアを徹底追求。’80年代にすでに上下で570gという軽さを実現していた。これは現代でも十分通用する水準である。

もうひとつはたび重なる改良。大きなモデルチェンジだけでも43年間で10回。サイズやカラーリングの拡張まで含めると、毎年のように進化を続けてきた。

近頃は軽さや透湿性の高さでストームクルーザーを上回るレインウエアも多く登場している。しかし耐久性や汎用性の高さ、さらには価格までを含めたトータルバランスでストームクルーザーを上回る製品は現在でもないといっていい。軽さに惹かれて別のレインウエアを使っていた登山者も、次はまたストームクルーザーに戻ってくる。ストームクルーザーはそんな製品なのだ。

創業50周年の今年、ストームクルーザーはその歴史最大といっていい変革を果たした。大定番の大変革。これはモンベルの次なる50年を占う大きな挑戦になるはずだ。

【behind story】開発担当が語るストームクルーザー

ストームクルーザーはレインウエアの常識を変える挑戦を続けてきました。たとえば、1982年の初代から「キモノスリーブ」と呼ばれた独創的なパターンを採用しています。水漏れの原因となる縫製箇所をいかに減らすことができるか、という課題にも向き合ってきた過程が現在に繋がっています。

▲モンベル常務執行役員/企画本部長 鷹取秀雄さん

43年間・10世代にわたって続いてきた改良と改善の歴史。

1982◆ゴアテックスを採用したストームクルーザーが誕生

記念すべき初代ストームクルーザー。ゴアテックスがあまり知られていない時代にいち早く採用。それまでとは次元の異なる透湿性と防水性の高さが評判を呼んだ。

▲当時は止水ファスナーがまだなく、フロントは二重のフラップで浸水を防止していた。

1986◆30Dバリスティックナイロンで先代モデルから30%軽量化した第2世代

初代の70デニールから、30デニールまで表地を大幅に薄くした。これによって製品重量は上下で570gと、30%もの軽量化を実現。これはゴアテックスウエアとしては当時世界最軽量だった。

1993◆細部のデザインを更新し、ウィメンズモデルも登場

1992年という早い段階でウィメンズモデルをラインナップし、翌年には第3世代にモデルチェンジ。フロントファスナーを襟元まで延長することで、風雨時の保護性をさらに高めた。

2000◆フードのフィット性を飛躍的に高めた第4世代

透湿性が向上した新世代のゴアテックスを採用。顔周り、首周り、庇の上下と3箇所の調整を可能にした新開発の「トライアクスルフード」も導入。パンツ別売りも開始した。

2003◆立体裁断によってより動きやすくなった第5世代

ヒジやヒザ部分に立体裁断を採用し、動きやすさと着心地を大幅に向上させた。ポケットのステッチを表地側に出さない構造にすることで、さらなる防水性の強化も図られている。

2007◆止水ファスナーを採用した第6世代ストームクルーザー

止水ファスナーの採用に加えて、圧倒的に軽くてしなやかな裏地「マイクログリッドバッカー」を採用するなど、大きく進化した第6世代。上下別売りもこのモデルからスタートした。

▲襟と身頃を一枚地で構成し、ファスナーの動きをスムーズにする工夫も凝らされた。

2010◆シンプルですっきりとしたルックスに進化した第7世代

縫製パターンを大幅に変更し、より縫い目が少なくすっきりとした外観にリニューアル。同時にサイドポケットの位置も見直し、脇下に近い高めの場所に変更された。

2015◆表地が20Dとなり、裏地にCニットを用いた第8世代

裏地に「Cニットバッカー」を採用することで、着心地のしなやかさがさらに向上。独立した襟を廃してフードと一体構造にし、接着加工を取り入れるなどして、大幅な軽量化を実現。

▲しなやかな裏地素材の代表格ともいえるCニットバッカー。着心地が大きく向上。

2019◆独自の「K-Monoカット」を採用した第9世代

縫製箇所を極限まで減らすことができる独自のカットパターン「K-Monoカット」を新たに採用。肩や腰など負荷がかかりやすい箇所に縫い目がないため、耐久性も向上した。

▲2019年の第9世代から採用されたモンベル独自のパターン技術。ジャケット全体を一枚の布地で構成し、縫製箇所を極端に少なくすることに成功した。

2025◆独自素材スーパードライテックに切り替わった第10世代

43年間採用し続けてきたゴアテックスから、自社開発の防水透湿素材「スーパードライテック」に変更。透湿性・耐水性ともにさらにスペックアップしている最新モデル。

▲透湿性40,000g/m²・24h、耐水圧20,000mm以上の性能を誇る。

【comment】ストームクルーザーはつねに新しい歴史を作る製品です。

ストームクルーザーは私たちモンベルにとってつねに「最新」であり、「最前線」の製品です。これに採用した素材や技術がほかの製品にも波及していくという歴史を重ねてきました。今年は素材をスーパードライテックに切り替える大きな変更を加えました。とはいえ、素材や技術ありきではなく、私たちが追求しているのはあくまで「ユーザーが使ったときにどう感じるか」ということ。素材が変わってもストームクルーザーらしさは不変で、むしろパワーアップしています。

▲モンベル代表取締役社長/辰野岳史さん

 

※この記事はPEAKS[2025年12月号 No.175]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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