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真に使えるデュアルなウインターグローブ|ブラックダイヤモンド/サークグローブ

総合アウトドアブランドとして、山にまつわるさまざまなギア、ウエアを展開しているブラックダイヤモンド。

その根底にあるのは、イヴォン・シュイナードが立ち上げたシュイナードイクイップメントから引き継がれた「信頼できる道具を作る」という信念であり、モノづくりの中心にあるのは、やはりギアである。

展開モデルが豊富でアウトドアショップで見かけることが多いグローブは、1989年のブランド創業時から展開しているコアアイテムのひとつ。

そのグローブラインナップの中で、今季注目なのがスキーツアー向けの新作「サークグローブ」だ。スキーだけにとどまるのがもったいない高いポテンシャルを備える、このサークグローブの実像を探っていく。

文◉PEAKS
写真◉熊原美惠

これひとつでハイクもライドも

ブラックダイヤモンドでは、スキー、クライミング、登山、ランニングなど、それぞれのアクティビティに向けたグローブを展開している。

スキーに関しては、これまでバックカントリースキー・スノーボード用のフリーライドシリーズがラインナップされていたが、今季、ライディングのみならずハイクアップも重視したツアーシリーズが新たに登場した。

このツアーシリーズに属するのが、今回紹介するサークグローブだ。

このサークグローブは2024年にライトウェイトシリーズで新登場したモデルだが、2025年の秋冬シーズンでは作りを一新。別物として生まれ変わった。

ツアーシリーズのコンセプト通り、ハイクアップの快適さにフォーカスしつつ、滑りのときにもストレスなく使えるように、というふたつの命題を解決すべく作られており、バックカントリースキーを軽快に楽しむための特長を数多く備えている。

2in1の秘密は中綿内蔵のフード

滑りも、登りも――その秘密が、手首内側に収納されたミトン状のフード。

ハイクアップ時はグローブ本体のみで、滑る際にはフードを被せるというデュアルな使い方ができるようになっている。

このミトンの甲側には、保温性に加えて適度な通気性や透湿性を発揮する化繊中綿のプリマロフト・アクティブ(40g/㎡)を封入。スキーツアー向きと謳っている通り、ライディング時の保温力のみを重視するのではなく、運動強度が高いシーンでの抜けの良さも考えられている。

だが、その保温力も相当なもの。グローブ本体の甲側にも内蔵されたプリマロフト・アクティブとも相まって、マイナス10~15度くらいの低温には十分対応できるというテスターからのフィードバックがすでにあるという。

フードの表地は、パーテックスのカンタムプロ。カンタムに薄い耐水コーディングが施された3レイヤー構造になっており、防水ではないものの高い耐水性能を発揮する。防水透湿メンブレンを使用しておらず適度な通気性があるのも、このグローブのコンセプトに合っている。

フードの手の平側は滑り止めのコーディングが施されており、ポールをしっかりグリップできるようになっている。

手首の動きを妨げないフードの収納場所

フードを被せるという構造のグローブは他にもあるが、手首の内側にフードを内蔵しているのはめずらしい。なぜ内側なのかというと、手首の動きを妨げないため。

内側の方がじゃまに感じるのでは……と思うかもしれないが、スキーの場合にはハイクアップやライディングでポールを持つ手の手首を外側に返す動きが多々ある。そんなときでも手首の動きを妨げることはない。

スキーの行動中は内側に収納されたフードがなにかに当たるような動きがなく、ほぼストレスなく行動できる。

滑る際はこのようにフードを被せれば保温力や耐候性が一気にアップ。

フード装着時は手首がすっきりするので、グローブをジャケットの袖の内側に入れることもできる。雪が侵入しやすそうなシーンでは、こちらの方が安心。

適材適所の素材使い

ここからは本体のグローブに着目していこう。使用されている生地はナイロンベースのソフトシェル。伸縮性に優れており指の動きを妨げない。

フードと同様に防水透湿メンブレンが入っていないので動きがしなやかで、通気性も高い。

先述の通り甲の部分にはフードと同じプリマロフト・アクティブの中綿が入っており、これだけでもそれなりの保温力がある。逆にいえば残雪期など気温が高めの時期のハイクアップだと、少し暖かすぎるかもしれない。

手の平は非常にしなやかなゴートレザー。適度なグリップ力を発揮してくれるので、ポール操作などもしやすい。擦れて摩耗しやすい親指の根元部分はレザーを二重にして耐久性を高めている。

親指の外側にはスエードを使ったノーズワイプが配されている。製品によってはこの部分がポリウレタンのものもあるが、ポリウレタンは長年使用すると劣化するので、ここがレザーだと安心だ。

親指と人差し指の先はタッチパネルに対応するレザーを使用。グローブを外さずともスマホが操作できる。

ただしそれなりに厚みがありインナーグローブのような細かな操作は難しいので、実際にはタッチやスワイプ程度に限られるだろう。

手を入れる内側は起毛フリースが配されている。肌当たりがやわらかで、適度な保温性も発揮してくれる。

永続性に優れるPFASフリーの撥水加工

先ほど述べたように生地は防水ではない。だからこそ行動中に濡れの心配がないように撥水にはこだわっており、フード、本体とも表地にPFASを使用しない撥水加工が施されている。

採用されているのはPFASフリーながらも高い撥水性能を備え、さらに耐久性にも優れるGTT社のエンペル耐久撥水加工。従来の撥水加工においては、撥水剤を水に混ぜるため乳化剤が使用されているが、乳化剤を使用するとそれが生地に残り、使っていくうちに撥水性能の低下につながることがあった。

だが、エンペル耐久撥水加工は圧力と熱で撥水剤をコーディングしていくので、ムラなく撥水剤が繊維に入り込み、高い撥水効果と永続性を発揮するという。

エンペル耐久撥水加工については、ロストアロー社のYouTubeチャンネルでも詳しく紹介されているので、興味があれば参照を。

 

操作性を妨げない立体的なパターン

さらに細かい部分、生地のパターンや縫製にもフォーカスしていこう。

ひと目見てわかるように、手の甲は異なる生地の切り返しになっている。指を覆うキャメル色の生地は薄手で伸縮性に優れ、手の甲から手首にかけて、擦れやすい部分の青色の生地はもう少し厚みがあり耐久性に優れる。

この2種類の生地を台形状に切り返し、さらにダーツを入れることで手の形に自然にフィットし、手全体をスムーズに動かすことができるようになっている。

さらに注目したいのが指先。指の表と裏の切り返しが表側=爪の方にきており、指の腹側は段差が出ないようになっている。

ブラックダイヤモンドの他のグローブにも見られる仕様だが、クライミングなど指のシビアな動きを考慮したグローブを作り続けている同社ならではのこだわりが垣間見える。

スムーズな装着を助ける手首のループ

左右どちらとも開口部の内側には大きなループが縫い付けられている。これは装着時に使用するグローブを引っ張るためのループだ。

装着時はループを下に引っ張れば、すっと簡単に先端まで指を通すことができる。

グローブをした状態でも指を引っ掛けることができるように、ループは大きめの作り。さらに目立つ色のループなので、慌ただしい準備時でも瞬時に見つけられる。

なにげない工夫だが、かなり実用的であり、装着時にありがたみを感じられる。

保温力に対して軽く、荷物の軽量化にも貢献

長いハイクアップも見込まれるスキーツアー、しかもクイックに動きたい場面では、荷物は軽くしたいもの。このサークグローブは、そんな要求に応えるべく軽量に仕上げられている。

グローブの重量について掘り下げるにあたり、ウインターグローブの定番、ブラックダイヤモンドのグリセードと比較してみよう。

グリセード(写真左)は日帰り雪山用グローブと謳われており、厳冬期の極寒時は厳しいものの、雪山全般で使える保温力を備えている。保温力の比較でいえば、サークグローブ(写真右)と同程度だ。

ペアの重量は、グリセードが161gに対し、サークグローブは129 g(ともにMサイズ)と、サークグローブの方が約30g軽い。もちろん防水仕様のグリセードの方がプロテクション性能は高いが、サークグローブはトータルの軽量化の一助になる。

さらに見逃せないのがボリューム。見た目にボリューミーで暖かそうなグリセードに対し、サークグローブは少し頼りなく感じるくらいボリュームが控えめな印象だ。だからこそ、指先の操作性が良いことはもちろん、パッキングの際はコンパクトに収まり、荷物のスリム化にも貢献してくれる。

攻守を兼ね備える万能グローブ

世の中に2in1のアイテムは多数あれど、実際には帯に短し襷に長し、という中途半端なものも少なくない。もちろんハイクとライディングでともにベストなものを求めるのであれば、ふたつのグローブを使い分けた方がいいが、サークグローブは確実にどちらも高レベルでこなしてくれる。

実際にスキーモの第一人者であり、スキーガイドとして活躍している藤川健氏も、このサークグローブを気に入って、昨シーズンは北海道の山でヘビーに使っていたという。

コンセプトはスキーツアー向けだが、ハイク&ライディングのデュアル性能は、樹林帯&稜線など、スキーに限らず雪山のさまざまなシーンで活躍してくれるはず。ただし、フードはミトンなので、アイスアックスを使うようなシーンには向かないので注意を。

攻守を兼ね備える真のユーティリティプレイヤー。そんな表現がオーバーではないサークグローブの真価を、雪山で試してみてはいかがだろうか。

ブラックダイヤモンド/サークグローブ

  • 価格:¥16,500
  • サイズ:XS~XL
  • カラー:ブラック×ウォルナット、バークブラウン
  • 重量:130g(ペア)

「サークグローブ」はこちらでチェック

 

企画協力◉ロストアロー www.lostarrow.co.jp/store/

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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