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山小屋が眠る冬に、登山者ができること。「やまのあかしプロジェクト」が描く、登山文化の未来

山小屋が静かに眠り、稜線が白に閉ざされる冬。
それでも山の維持は止まらず、登山道や施設を支える手は、見えないところで動き続けています。
実証実験「やまのあかしプロジェクト」は、登山の準備から山での行動までをスマートに結ぶだけでなく、オフシーズンでも“山への気持ち”を届けられる入口を用意しました。
春を待ついま、私たちにできる小さな関わり方を振り返ります。

文◉PEAKS編集部
写真◉宇佐美博之、加戸昭太郎

山が静寂に包まれる季節に

北アルプスや八ヶ岳の稜線が白銀の世界に閉ざされ、多くの山小屋が静かにシャッターを下ろす冬。かつて初夏の高山植物に胸を躍らせ、秋の燃えるような紅葉に足を止めたあのトレイルも、いまは深い雪の下で次の春を待っています。

私たちが当たり前のように楽しんできた「登山」という体験。その足元を支えているのは、過酷な環境下で登山道の整備や山小屋の維持管理に尽力する人々の存在です。しかし、多くの小屋が営業を終える冬は、私たちはどうしても山岳地域の「日常」から遠ざかってしまいます。

そんななか、2025年10月から始まった「やまのあかしプロジェクト」の実証実験が、まもなくひとつの節目を迎えようとしています。

「やまのあかし」が目指したもの

振り返れば、この「やまのあかしプロジェクト」は、これからの登山文化をよりスマートに、そして持続可能なものへと近づける一歩でした。

マイナンバーカードとデジタル資格証明という技術を活用し、登山前の準備から山小屋での手続き、さらには安全につながる情報の管理まで、煩雑だったプロセスをデジタルでつなぐ。とはいえ、目的は単なる「効率化」だけではありません。

入山前にマナーのチェックや講習を受けることで、登山者自身の安全意識を高めるとともに、登山のログを記録することで、受け入れ側である山小屋や地域の負担を軽減する。テクノロジーによって「登山者」と「山岳地域」の距離を縮め、より深い信頼関係を築くための試みだった──そう言えるでしょう。

秋の本格始動から今日まで、実際に北アルプスや八ヶ岳のフィールドで、この「あかし」を携えて山へ入った方も多いはずです。スマートな準備が山での時間に心の余裕をもたらす。そんな新しい登山の兆しを感じさせてくれた実験でもありました。

山小屋は閉まっていても、守るべきものはある

雪山は、スキルをもつ限られた経験者のみが立ち入ることを許される厳しい領域です。いまは「登山をお休みする時期」と考えている方も多いかもしれません。しかし、山小屋が閉まっているからといって、山の維持が止まっているわけではありません。

厳しい積雪や暴風にさらされる施設の補修、崩れやすい登山道の点検・整備計画、そして再び私たちが春に訪れるための環境づくり。そうした作業は、登山者が少ない冬のあいだも、見えないところでだれかの手によって進められています。

いま多くの山岳地域が直面しているのは、資材の高騰や人手不足といった現実的な課題です。私たちが愛する景色と安全なトレイルを次世代に残していくためには、現場の努力だけに頼るのではなく、登山者一人ひとりが自分にできる形で「支え手」に回っていく必要があります。

そこで「やまのあかしプロジェクト」が提案しているのが、場所や季節を問わず参加できる「オンライン募金」という関わり方です。

離れた場所から、想いを届ける

多くの山小屋に直接足を運ぶことが難しいこの時期だからこそ、デジタルを活用した支援には大きな意味があります。

公式サイトを通じて行なえる募金はシンプルで、登山者のライフスタイルにも寄り添った設計です。クレジットカード決済やApple Payといった手軽な手段はもちろん、ふるさと納税の仕組みを利用した寄付も選択できます。現地で現金を手渡しする必要がないため、非対面で山小屋側の事務負担を増やさず、支援の気持ちを届けられます。

「どのくらいの金額にすればいいのか」と悩む必要もありません。大切なのは額の多寡ではなく、山を想う意思の積み重ねです。無理のない範囲で、ふと思い出したときに参加できる──そんな気軽さも、この仕組みの魅力でしょう。

もし「手続きが難しそう」と感じている方がいれば、公式サイトを覗いてみてください。そこには「募金で参加する」方法をていねいに解説した動画も公開されています。スマホひとつで、驚くほどスムーズに「山への気持ち」を形にできるはずです。

「募金完了証」という、冬の贈り物

このプロジェクトに参加した証として発行されるのが、デジタルの「募金完了証」です。さらに支援への感謝として、プロジェクトオリジナルのノベルティも用意されています。

ID登録時の住所に届くノベルティは、「自分も山を支える一員なんだ」という実感をそっと実感させてくれます。カラーはランダム。どんな色が届くかは、山からのちょっとしたお楽しみでもあります。

雪解けの季節、新しく手に入れたギアにそのノベルティを添えて、再びあの山へ。そんな未来の自分を思い描きながら、冬の夜に自宅から支援を届ける。それもまた、立派な「登山の形」なのかもしれません。

2月、実験の終わりに寄せて

2025年10月から続いてきた「やまのあかしプロジェクト」の実証実験は、2月28日をもって終了予定です。

この実験で得られたデータや、登山者の声、そして集まった支援は、今後の登山環境を考えるうえでの貴重な財産となるはずです。プロジェクトが磨かれ、より多くの人にとっての「当たり前」に近づいていけば、それは私たち登山者にとっての「登りやすさ」と、山にとっての「健やかさ」につながっていくでしょう。

もし、これまでの活動や記事を見て「自分もなにか関わりたい」と思ったなら、この2月という節目に、公式サイトを訪れてみてください。

「山を愛する自分たちに、いまなにができるのか」

その答えはきっと人それぞれです。でも、もしあなたが「これからもずっと、この美しい山を歩き続けたい」と願うなら、その一歩として、この「募金」という選択肢を心に留めてもらえたらうれしいです。

山小屋が静かに春を待つこの時期に、私たちの温かい気持ちで、来シーズンの山を少しだけ明るく灯してみませんか。

【やまのあかしプロジェクト】

実施期間:2025年10月6日〜2026年2月28日(予定)
対象エリア:北アルプス、八ヶ岳の一部エリア
公式サイト:https://yamanoakashi2025.com

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PROFILE

PEAKS 編集部

PEAKS 編集部

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

PEAKS 編集部の記事一覧

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