
この蛍はいつまで見れるのか?|アウトドアタウンときがわで里山遊び#40
青木達也(アオ)
- 2026年06月25日
「アウトドアといえば、ときがわを思い浮かべるような“アウトドアタウン”にしたい!」。そんな思いを抱き、地元の人を巻き込みながら日々さまざまな活動を行なう、野あそび夫婦のアオさんこと青木達也さんが、ときがわの自然の楽しみ方や、そこで暮らす魅力的な人たちなどを紹介します。
この蛍はいつまで見れるのか?
先日、キャンプ民泊NONIWAで、未就学児から小学校低学年の親子を対象にした自然体験プログラムを開催した。ジャガイモを掘って、ホタルを見て、親子でキャンプをする。初夏の里山を楽しむ一日だ。ホタルを見るこのキャンプイベントは、今年で3回目になる。こうしたイベントを続けていておもしろいなと思うのは、私たちが用意したプログラムと、子どもたちが夢中になるものが少し違うことだ。
ホタルを見に来たはずなのに、気づけば枝を集めている。ジャガイモ掘りの最中なのに、虫探しが始まる。川辺にしゃがみ込み、石を並べ続ける子もいる。大人からすると「寄り道」に見えることに、子どもたちは驚くほど長い時間を費やす。

これまでたくさんの親子とキャンプをしてきた。そのなかで感じるのは、自然体験の価値は、なにかを教えることよりも、「自分で遊びを見つけられる環境にある」のではないかということだ。
子どもたちは、目の前にある自然のものを使って次々と遊びをつくり出していく。でも、それはなにもない場所では生まれない。川があり、畑があり、森がある。石が転がり、枝が落ちていて、生きものが暮らしている。そんな環境があるからこそ、子どもたちは自分なりの遊びを見つけることができる。

だから私たちが本当に残したいのは、イベントそのものではなく、その土台となる環境なのかもしれない。イベントは1日で終わる。でも里山には、その先の日常がある。そしてその日常は、だれかが管理し、手を入れ、守り続けているから存在している。
ホタルを見ることが目的ではなく、ホタルが暮らせる環境が残り続けること。ジャガイモを掘ることが目的ではなく、その畑が来年も続いていること。子どもたちが夢中になっていた枝や石の先には、そんな地域の日常がある。
ホタルを眺める子どもたちの姿を見ながら、ふと考えた。このホタルは、あと何年飛び続けるだろう。来年も、その次の年も。子どもたちがおなじように寄り道をしながら、この自然が生み出す小さな光を見られる場所であってほしい。そんなことを思った初夏の夜だった。

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PROFILE
ランドネ / NONIWA
青木達也(アオ)
レンタル・レクチャー付きでキャンプ体験ができる施設「キャンプ民泊NONIWA」と、暮らしとアウトドアをテーマにしたお店「GRID」を埼玉県ときがわ町で運営。「野あそび夫婦」という夫婦ユニットでキャンプインストラクターとしても活動。監修「ソロキャンプ大事典」。 https://noniwa.jp/
レンタル・レクチャー付きでキャンプ体験ができる施設「キャンプ民泊NONIWA」と、暮らしとアウトドアをテーマにしたお店「GRID」を埼玉県ときがわ町で運営。「野あそび夫婦」という夫婦ユニットでキャンプインストラクターとしても活動。監修「ソロキャンプ大事典」。 https://noniwa.jp/



















