
町から山へ、山から町へ。“歩く旅”の魅力を知る「富士山ロングトレイル」を歩いてきました!
ランドネ 編集部
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山の頂をつないで歩く「縦走登山」とは異なる「ロングトレイルの旅」は、“歩くこと”が目的となり、長く歩きながらその土地ごとの魅力を発見したり、地域での暮らしを体感したりする旅のスタイル。今回、開催されたイベントは、富士山をぐるりと囲むようにつながる「富士山ロングトレイル」をたどりながら、町から山へ、山から町へと歩くロングトレイルの旅。ロングトレイルの魅力とはなにか?“いつもの登山”とはちょっと違う、3日間のイベントのようすを紹介します!
北海道から沖縄まで、日本列島を結ぶ「ジャパントレイル」
「歩く」ことによって得られる自然体験をはじめ、地域の歴史や文化にふれること、人と人との交流をとおして、日本の魅力を再発見してほしい。そんな想いから生まれたジャパントレイルの総距離は約1万km。海沿いの散策路から近所の里山、ハイカーに人気の低山からアルプスの山々まで。「この道は、沖縄にも北海道にもつながっている」そんな想いを馳せながら、歩く旅を楽しむことができるロングトレイル構想。「富士山ロングトレイル(プラス)」はそのなかのルートです。
山中湖から河口湖を目指して、山と町をつなぐトレイルへ
富士山ロングトレイルは、富士山の眺めと、富士山に関わる歴史や文化に触れることのできる道。山梨県・静岡県・神奈川県の18市町村をまたぐ、トレイルの総距離は約170km。EAST、SOUTH、WEST、NORTHの4エリアに分かれ、異なる角度から眺める富士山の姿はもちろん、訪れるからこそ感じられる町の雰囲気を味わいながら、山旅を楽しむことができます。
その中から今回歩いたのは、忍野・山中湖エリア(EAST)の一部。明神山(鉄砲木ノ頭)や石割山、杓子山、天上山など、日帰りハイクが楽しめる人気の山をつなぎ、ふもとの町に下りて食料調達や宿泊ができることから、ロングトレイル初心者でも歩きやすいルートです。

2泊3日の山旅の案内をしてくれたのは、富士山ロングトレイルの企画・運営に携わる、登山ガイド/マウントフジトレイルクラブ代表理事の太田安彦さん。山梨県富士吉田出身。海外のロングトレイルを歩いた経験などを活かしながら、富士山の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいと、日々活動を行なっている。
【DAY1】山中湖を見下ろす山を歩きと、キャンプ場での焚き火時間



1日目は、山中湖交流プラザをスタートして、明神山(鉄砲木ノ頭)、高指山(たかざすやま)をつなぎ、ふもとのキャンプ場「ビアッソ」を目指す、歩行時間約3時間40分の行程。山中湖畔から見える草原のような山容の山が、ひとつめのピーク・明神山(標高1,291m)。「明神山」と「鉄砲木ノ頭」のふたつの名前をもつ理由は、山梨県と神奈川県にまたがり、それぞれで呼び方が違うから。
そんな、だれかに言いたくなるような“山ネタ”を太田さんに教えてもらいながら、山道へと進んでいきます。緩やかで歩きやすい樹林帯を進み、30分ほどで展望スポットの「パノラマ台」に到着。富士山の頭は、雲の中。けれど、その裾野の大きさと山中湖周辺の自然の豊かさを、しっかりと見ることができます。


ここから先は、高い木がなくなり視界の開けたススキの道に。見上げれば青空、ふり返れば富士山と山中湖という眺望のよさに背中を押されながら、一歩ずつ山頂に向かって進んでいきます。途中、足元にある小さな粒は、富士山の宝永噴火(1707年)による火山礫だと知ることができたり、山肌が一面黄金色になるという秋の姿に思いを馳せたり。パノラマ台からおよそ30分、大パノラマの広がる山頂に到着。富士山を想いながら、山のポーズで記念撮影!


山頂に鎮座する「山中諏訪神社・奥宮」に手を合わせたら、山の上でランチタイム。みんなでいただいたのは、お湯を注ぐだけで食べられるマウンテングルメラボの「山椒七味香る豚汁雑炊」。“山は最高のレストラン”であることを、まさに感じられるロケーションとおいしい山ごはん。お腹と心を満たしたら、再びトレイルへ。
歩き始めるとすぐに、木々に囲まれた尾根歩きに。日差しの暑さを感じていた明神山から一変、涼しい風の吹き抜ける山道に変わり、みな「神奈川からの風が気持ちいい~」と、木陰と風のありがたさを実感。「右側はヒノキなので人の関わっている自然、左側はブナやミズナラの立ち並ぶ極相林(きょくそうりん)。極相林とは、長い歳月をかけて植物が移り変わり、安定した状態になった森林のこと。おなじようでまったく違う、山の姿を歩きながら楽しんでください」と太田さん。




切通峠を越え、標高1,173mの高指山、富士岬平へとアップダウンをくり返しながら進んでいきます。ポイントとなる場所に到着するたびに、「着いたね~」「いまのは急登だったな」など、息を切らしながら言葉を交わすみなさん。富士山や山中湖の見え方が少しずつ変わり、歩いてきた道が目視できると、「こんなに歩いてきたんだ」「よく歩いたね!」と、自分と仲間を称え合う。汗をかきながら、歩く時間が長くなるほど、体が山になじんでいく感覚を味わいます。そして、この日の山歩きパートは、ここまで。ふもとの町を目指して下山し、宿泊場所のキャンプ場へ。

「Yamanaka Teracce」で山旅の行動食を調達


キャンプ場へ向かう途中に立ち寄ったのは、カフェや子どもたちが自由に遊び回れるプレイゾーン、ドッグランなどを併設する複合施設「Yamanaka Terrace(ヤマナカテラス)」。自然と調和するように建つカフェ棟では、チーズケーキやブラウニーなどのスイーツメニューがいただけるほか、ドライフルーツの量り売りがあり、山歩きの行動食を調達するのにぴったり。また、大きな窓のある明るい店内で周囲に広がる自然を眺めながら、自家焙煎コーヒーでほっとひと息つけば、下山後のぜいたくで心地よい時間がすごせます。


施設は、太陽光エネルギーによる自家発電を導入するほか、水道は引かずに井戸水を活用するなど、再生可能エネルギー100%で運営。訪れた人たちに、自然のなかですごすことの豊かさを感じてもらい、サステナビリティへの関心を持ってもらうための、さまざまな取り組みを行なっています。山と自然を愛する夫婦がつくるこの空間で、1日の山旅の思い出をふり返るのもおすすめです。
Yamanaka Terrace(カフェ)
山梨県南都留郡山中湖村平野1414-1
営業時間:9:00~17:00
定休日:年末年始、悪天候等による臨時休業あり
※決済方法はキャッシュレスのみ
https://yamanakaterrace.com/
キャンプ場「ビアッソ」で快適なバンガローに泊まる


この日の宿泊地「ビアッソ」は、テント泊ができるフリーサイトのほか、高い木々に囲まれた空間に8棟のバンガローが建ち並んだ、自然に溢れるキャンプ場です。空調設備の整ったバンガロー内にはマットが敷かれているため、寝袋を持参すれば快適な宿泊が可能。できるだけ荷物を少なくしたいロングトレイル旅には最適です。そのほかシャワー棟もあるため、1日歩いてかいた汗を流して、しっかりと疲れを癒すことができます。また徒歩2分の場所には、高アルカリ性の温泉が楽しめる「石割の湯」があるため、チェックイン後に利用するのもおすすめです。


今回は、特別に焚き火台を用意。みんなで作ったのは、キャンプ料理らしい特製ハンバーガー。まずは炭でパンを焼き、そこに目玉焼きとソーセージ、チーズを挟めば完成!あとは自由に、スープを飲んだり、ビールを飲んだり。ここから薪に火をつけて、焚き火タイムもスタートします。


焚き火を囲みながら話すのは、やっぱり山のこと。おすすめの山小屋の話や最近の山事情、そしてこの日歩いたトレイルについて。3日間のうち、歩行時間が一番長くなる明日はどんな旅になるのか。期待と不安が入り混じる気持ちを打ち明けながら、ゆったりとした時間がすぎていきます。最後は、マシュマロを焚き火で焼いて、チョコレートと一緒にクラッカーで挟むスモアをデザートに。火が消えるころには辺りが真っ暗になり、見上げた木々のあいだの空には星がひとつ、ふたつ。山歩きのあとのキャンプ場泊は、いつもの山旅とは少し違う特別な時間を提供してくれます。
ビアッソ
山梨県南都留郡山中湖平野1536
料金:バンガロー9,500円~/1棟・1泊 ※季節により変動あり
利用料大人1,000円、子ども(小学生以下)500円/1人1泊
ゴミ処理協力費500円/1棟
https://www.nap-camp.com/yamanashi/14520
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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