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天空のビーチで大人の親子時間―南アルプスの前衛峰・日向山-

子どもが大人になると、親子でお出かけは、誘ってもなかなか難しいですよね?しかも山登りとなるとさらにハードルは高く……。とはいえ、一度は一緒に登ってみたい。そこで思いついた行き先は、山頂が白砂で「天空のビーチ」と呼ばれる南アルプスの前衛峰・日向山(1,660m)。家族旅行でたまに訪れる場所の近くです。数カ月前から色々調べて、企画して、提案して、実行して。そんな山行をご紹介します。

ふたつのハードルを越えて

山登りを始めて4年。心配症な“夫の危ないからやめて”的な反応も薄まってきたころ。「今度の家族旅行中に娘と山に登りたい。ついては宿の朝ごはんのあとに登山口まで車で送ってほしい」とお願いしたところ、意外にも快諾。ひとつ目のハードル、クリア!

ふもとと頂上の中間地点にある矢立石登山口の駐車場は台数が少なく、狭くて転回も難しいので自分の運転では無理だと思っていたのと、ふもとの駐車場からでは歩く距離が2倍くらいになってしまうので、送ってもらえるのはありがたい。20代の娘には「 “天空のビーチ” と呼ばれる山に一緒に行ってみない?写真映えしそうだよ」と誘ったところ、こちらも意外に快諾。2つ目のハードル、クリア!

3年前から家族旅行のたびに軽く「旅行中に山に行ってみたい」と言っては却下されてをくり返していたけど、今回で実現です。

家族連携プレイで登山開始

当日は快晴。矢立橋登山口駐車場に送ってもらい、娘との登山スタート。(夫はのんびり温泉へ)。

このコースはほとんどが樹林帯。山頂まで派手な展望はないけれど、そのぶん新緑の森をじっくり味わえる。5月初旬の木漏れ日はやわらかく、木々の葉を揺らす風も心地いい。足元には小さな花が咲き、ところどころに山桜やツツジも。娘も楽しそうに写真を撮り、「こういう森の感じ、意外と好きかも」と言っていました。

往復4時間の山歩きで、過去と現在を行き来する

ふたりでおしゃべりしながら山を歩くのは新鮮。外でこんなに長く、いろんな話しをしたのはいつぶりかな?20年くらい前は背が小さかったな、手をつないで歩いていたな、など。昔のことを思い出したり、最近の若者が使ってるスマホアプリを教えてもらったり。社会人数年目の娘の悩みを聞いたり、私の悩みも聞いてもらったり。20年くらい前には世の中に存在しなかったもの、想像もしなかった状況、そして趣味をふたりで楽しめている。長年お互いを知っている家族ならではのおもしろさだな、としみじみ。

いざ天空のビーチへ

長い樹林帯を抜けて、いよいよクライマックスの気配。三角点がある山頂を越して少し進むと、出ました、天空のビーチ!

ビーチの先は断崖で、その先は南アルプスの山々。左手には甲斐駒ヶ岳、右手には八ヶ岳も。天空のビーチは想像していたけど、その先が大パノラマの絶景だったなんて!すごい、すてきすぎる!娘も私もテンションMAX。

山頂は深い谷からの強風がすごい。とろろ昆布のようにふわふわなサルオガセは強風でピーンとなってるし、白砂が顔に当たって大変。それでも断崖の手前まで行ったり、強風の隙をついて写真を撮ったり……。美しく、ハードな天空のビーチでした。

ちなみに白砂の正体は花崗岩が風化してできた砂礫(ザレ)で、山頂部は雁ヶ原という呼び名があるそう。

下山後も楽しい家族時間

そうこうしているうちに、夫が駐車場まで迎えに来てくれる時間が近づき、早足で下山。登山経験がほぼない娘は、登りは疲れていたみたいだけど、下りは若いから速い!なんとか夫と合流できて、初めての大人の親子登山は終了!夫も温泉とふもとの神社でのんびりできたそう。遅いお昼ごはんを囲んでみんなで報告会ができて、楽しい時間になりました。

初めての親子登山を終えて

その後しばらくして娘に「また山に誘ったら一緒に行く?」と聞いたら、「うん。楽しかったし、ああいう登った先が絶景みたいな、厳しすぎない登山ならやってみたい」と!そういえば、山頂で見た飛行機雲が、初めての親子登山記念の花火みたいだったな。

大人の親子登山は、絵本の時間に似ている?

今回の登山で思ったことがあります。それは、大人の親子登山は、子どもが小さいころの絵本の読み聞かせの時間に似ているということ。親がどんなに忙しくても、そのときだけはふたりの時間。効率は関係なく、リラックスして絵本以外の話しもできる。大人になってからの登山も長い時間一緒に歩くし、大きな山のなかで気持ちが解放されるから、いま考えていることとか、これからの人生とか大きな話ができる。子育てにはそういう時間が大切だと思っていたけど、大人になってからもおなじなのかも。大人の登山では、親からも相談しちゃうし、娘に教えられることも多いけど、それもなんかいいな。

次はどこに誘おうか?おしゃれな山小屋のランチもよさそう。ゴールが絶景の山を探してみよう。というわけで、大人の親子登山 to ゴールが絶景の日向山、行きたいところリストに加えてみませんか?

 

写真&テキスト◎Michico Kawasaki(宇宙HIKE)
https://www.instagram.com/iro_iroiro/?hl=ja
https://lit.link/mphotography

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宇宙HIKE

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Photographer 松本茜主催、山と写真のコミュニティー。 宇宙を旅するように山へ登り、旅や写真を使って「自分」にフォーカスする。 ユーモア溢れるメンバーが集まり、日々楽しみながらいろんなフィールドで活動を続けている。

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