
自家製ジンジャーシロップでBCAAをおいしく摂取|筆とまなざし#442
成瀬洋平
- 2025年11月22日
クライミング中にBCAAを摂取したくて
生姜の絵を描いた。なぜ生姜の絵を描いたかといえば、ジンジャーシロップを作ったからだ。なぜジンジャーシロップを作ったのかといえば、ジンジャーエールが大好きだから、というわけではない。
クライミングに出かけるときはアミノ酸を持っていく。多くの登山者にもおなじみのアミノ酸。疲労を軽減してくれ、ここぞというときの心強い味方である。以前は「BCAA」が主流だったが、最近は「EAA」も聞くようになった。「BCAA」は分岐鎖アミノ酸と呼ばれ、「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」の3つのアミノ酸が含まれる。一方「EAA」は必須アミノ酸9種類が含まれている。詳しくは専門家に任せるとして、ざっくり調べたところでは、即効性があってアクティビティ中に摂取するなら「BCAA」、日常的に摂取するなら「EAA」が良いらしい。今回はクライミング時に摂取したいので「BCAA」を選んだ。
一般的に売られている「BCAA」サプリには様々なフレーバーがつけられている。フルーツ味だったりエナジードリンク味だったりして、香料や人工甘味料などの添加物が多く含まれる。しかしできるだけ添加物を摂取したくない。そう思って探したところ、フレーバーなし、純粋な「BCAA」のみのものを発見した。
ノーフレーバーのそれは真っ白で、匂いはなんだか昆布のよう(昆布にはたくさんのアミノ酸が含まれているが「BCAA」は含まれていないらしい)。この白い粉末をスプーンで少し掬って口に含むと……「苦い!」。苦すぎる。とてもこのままでは飲めたものではない。そういえば「BCAA」が一般的に出回り始めたとき、友人が顔をしかめながらノーフレーバーの「BCAA」を飲んでいたのを思い出した。フレーバーがついているのには理由があるのである。
無添加で体にやさしいスペシャルドリンク作り
摂取方法はこれを水などに溶かしてドリンクとして飲むのだが、さて困った。こんな苦いものは飲めたものではない。そこで思いついたのが、ジンジャーエールに溶かして飲めば良いのでは? ということだった。ジンジャーシロップを自分で作れば無添加で、体に優しいスペシャルドリンクになるはず。「BCAA」は糖分と一緒に摂取すると効果的らしいので一石二鳥である。
ネットで調べると栗原はるみさんのレシピが出てきた。材料は生姜200gに三温糖500g、2カップの水とシナモンスティック2本。水と三温糖を鍋に入れてひと煮立ちさせる。煮立ったら薄くスライスした生姜とシナモンスティックを入れて弱火で20分くらい煮詰めて火を止める。冷えたら生姜とシナモンスティックを濾したらジンジャーシロップの出来上がり。なんとも簡単だ。材料費は600円ほど。希釈するので一回作れば何度も飲めてとても経済的である。炭酸水でも良いけれどただの水でもOK。寒い時にはホットジンジャーにもできる。
ボトルにジンジャーシロップと水、そして件の「BCAA」を入れてシャッフル。果たしてそのお味は……「美味しい!」。苦さが全く気にならなくなり、ちょっぴりスパイシーな美味しいドリンクとしてごくごく飲める。生姜は体を温めてくれるし、これからの寒い季節、岩場でのドリンクはこれで決まりだ。
著者:ライター・絵描き・クライマー/成瀬洋平
1982年岐阜県生まれ、在住。 山やクライミングでのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作したアトリエ小屋で制作に取り組みながら、地元の岩場に通い、各地へクライミングトリップに出かけるのが楽しみ。日本山岳ガイド協会認定フリークライミングインストラクターでもあり、クライミング講習会も行なっている。

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