
S-WORKS TARMAC SL9発表!「ゴールまでのタイム」を削る史上最速のロード|SPECIALIZED
Bicycle Club編集部
- 2026年07月01日
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「すべてを征す一台」として世界のレースシーンを席巻してきたスペシャライズドのTARMAC(ターマック)。その名機がさらなる進化を遂げ、第9世代となる「S-WORKS TARMAC SL9」がベールを脱いだ。エアロ、軽量性、ハンドリングという個別の指標を追うのではなく、実際のレースにおける「ゴールまでのタイム(Time to Finish)」を削り落とすことにフォーカスした、ブランド史上最速のロードバイクを紐解いていこう。
最速の定義を再構築する「スピードの方程式」と「Time to Finish」

ロードバイクの「速さ」とは何か。これまでの開発競争では、風洞実験での空気抵抗値(CdA)や、フレームの単体重量といった「静的」な数値が重視されてきた。しかし、実際のレースは風洞の中ではなく、めまぐるしく変化する風、斜度、そして疲労と戦うライダーが存在する現実の世界で行われる。

新型TARMAC SL9の開発にあたり、スペシャライズドの開発チーム「サイエンスクラブ」は、速さの定義を「Time to Finish(ゴールまでのタイム)」という一つの指標に絞り込んだ。ライダーのパワーや体重、バイクの空力や重量、さらにはコースの勾配や風速、路面状況といったすべての変数を統合した「スピードの方程式」を用いたシミュレーションシステムを構築したのだ。
これはF1などのモータースポーツで行われているアプローチに近い。特定のテスト条件下でのみ優れるバイクではなく、ツール・ド・フランスの超級山岳や春のクラシックといった、勝負を決するリアルな局面において「最も速くゴールラインを駆け抜けるバイク」を生み出すための哲学である。
第6世代「ムービング・レッグ・マネキン」が導き出した真のエアロダイナミクス

TARMAC SL9の空力開発において決定的な役割を果たしたのが、自社風洞実験施設「Win Tunnel(ウィントンネル)」に導入された第6世代の「ムービング・レッグ・マネキン(MLM)」だ。ライダーがペダリングを行うことで発生する空気の乱れは、バイクの空力性能に多大な影響を与える。そのため、静止したマネキンやバイク単体でのテストでは、実戦での速さを正確に測ることはできない。
このMLMシステムは、ライダーのペダリングをミリ単位の精度で再現する。さらに「Made in Racing」というアプローチのもと、プロ選手がレースの勝負どころで取るポジションや、アタック時にボトルを1本しか持たないといったリアルな状況までをシミュレーションに落とし込んだ。
その結果生まれたのが、TARMAC SL8からすべてのチューブ形状を刷新し、時速45km走行時に4ワットの空気抵抗削減を果たしたSL9の新しいフレームフォルムだ。
空力を最大化する各部の新形状:Speed SnifferとWin Fin

フロントエンドには、SL8で高く評価された「Speed Sniffer(スピード・スニファー)」をさらに進化させて搭載。特許出願中の「Offset Steerer(オフセット・ステアラー)」を採用し、リアブレーキホースをステアラーの右側へ再配置することで、ヘッドチューブを4mmスリム化し、前面投影面積を10%削減することに成功した。

さらに、フロントタイヤから生じる高エネルギーの気流を整える「Flow Fork(フロー・フォーク)」と、隙間を極限まで詰めた「ドロップド・ダウンチューブ」が連動。乱れた空気がフレーム内側へ入り込むのを防ぎ、システム全体でのドラッグを劇的に低減している。


リア周りで目を引くのが、新設計の「Win Fin(ウィン・フィン)」と極薄の「S-Works Rapide Aero Post」だ。これはレースの決定的な逃げの場面において「ボトル1本」で走るという実データに基づき、その状態での空気の流れを最適化したもの。ペダリングする脚とフレームの間を抜ける気流をクリーンに後方へ逃がすことで、勝負どころでの0.5ワットの削減をもたらしている。
妥協なき軽量化:687gを実現した「Flow State Design」

空力性能を追求すれば重量が増すというのがロードバイク開発の常識だった。しかし、S-WORKS TARMAC SL9のFACT 12rカーボンフレームは、わずか687g(56サイズ/最軽量カラー)という、専用のクライミングバイクをも凌駕する驚異的な軽さを誇る。完成車重量にして6.5kgという数値は、UCIの重量規定(6.8kg)を軽々と下回るレベルだ。
これを可能にしたのが、超軽量モデルAethos(エートス)の開発で確立された「Flow State Design(フロー・ステート・デザイン)」である。フレームに加わる荷重を素材の厚み(カーボンの積層)で受け止めるのではなく、「形状そのもの」で効率的に支える設計手法だ。
スーパーコンピューターによる膨大なシミュレーションを経て最適化されたチューブ形状により、不要なカーボンレイヤーを徹底的に排除。ペダリングパワーを逃さない剛性と、レース後半まで脚を残すコンプライアンス(快適性)は名車SL8と同等を維持したまま、空力と軽量化を高次元で両立させている。もちろん「Rider-First Engineered」により、44から61までの全サイズにおいて、一貫したライドフィールと直感的なハンドリングが約束されている。
実戦で証明される14秒のアドバンテージ

スペシャライズドが算出したシミュレーション結果は、TARMAC SL9の圧倒的なポテンシャルを示している。
例えば、デミ・フォレリングが歴史的な独走勝利を飾った2024年ツール・ド・フランス・ファムの最終ステージ(アルプ・デュエズへの登りを含む80km)。もし彼女がSL8ではなくSL9に乗っていたならば、フィニッシュタイムはさらに「14秒」縮まっていたという。総合優勝の行方がわずか数秒で決まる現代のロードレースにおいて、この14秒というタイム差は、単なる機材の進化を超えた「勝敗を分ける絶対的なアドバンテージ」を意味する。
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S-WORKS TARMAC SL9 ラインナップ


今回7月1日に世界同時解禁されたのは、最高峰のFACT 12rカーボンを採用した「S-WORKS」グレード。完成車にはRoval Rapide CLX IIIホイールとRapide Cockpit、S-Works Power with Mirrorサドルなど、最上級のコンポーネントがアッセンブルされる。
コンポーネントはSRAM RED AXSとShimano Dura-Ace Di2の2モデル展開で、価格はいずれも1,980,000円(税込)。さらに、フレームセットと、プロチームのカラーを纏ったチームレプリカフレームセットも用意されている。
実戦での勝利のみを見据え、「ゴールまでのタイム」を削るためだけに生まれた究極のレーシングマシン、S-WORKS TARMAC SL9。世界最速の系譜は、ここからまた新たな歴史を刻み始める。
S-Works Tarmac SL9 SRAM RED AXS
価格:1,980,000円(税込)



フレーム:S-Works Tarmac SL9 FACT 12r Carbon
フォーク:S-Works FACT 12r Carbon
ハンドルバー:Roval Rapide Cockpit
ホイール:Roval Rapide CLX III
コンポーネント:SRAM RED AXS(パワーメーター内蔵)
シートポスト:S-Works Rapide Aero Post
S-Works Tarmac SL9 Shimano Dura-Ace Di2
価格:1,980,000円(税込)

フレーム:S-Works Tarmac SL9 FACT 12r Carbon
フォーク:S-Works FACT 12r Carbon
ハンドルバー:Roval Rapide Cockpit
ホイール:Roval Rapide CLX III
コンポーネント:Shimano Dura-Ace Di2 R9270(4iiii Precision Proパワーメーター内蔵)
シートポスト:S-Works Rapide Aero Post
S-Works Tarmac SL9 Frameset
価格:880,000円(税込)










フレーム:S-Works Tarmac SL9 FACT 12r Carbon
フォーク:S-Works FACT 12r Carbon
シートポスト:S-Works Rapide Aero Post
S-Works Tarmac SL9 Team Replica Frameset
価格:935,000円(税込)



フレーム:S-Works Tarmac SL9 FACT 12r Carbon
フォーク:S-Works FACT 12r Carbon
シートポスト:S-Works Rapide Aero Post
問:スペシャライズド・ジャパン https://www.specialized.com/jp/ja
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