
誰もが主役になれる日本最大級のオフロード自転車の祭典|シマノバイカーズフェスティバル2026
Bicycle Club編集部
- 2026年07月31日
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長野県・富士見パノラマリゾートを舞台に開催された「第34回シマノバイカーズフェスティバル」。1991年のスタート以来、日本のマウンテンバイクカルチャーとともに歩み続けてきたこのイベントは、本格的なレースから、親子で楽しむキッズプログラム、そして豪華ゲストによるショーまで、誰もが「自転車で遊ぶ楽しさ」を満喫できる巨大な自転車村へと進化を遂げている。競技の垣根を超えてトップライダーとファンが笑顔で交わった、2026年大会の模様をレポートしよう。
富士見パノラマが生み出す「特別な空気感」と充実のバイカーズビレッジ

八ヶ岳と南アルプスを望む絶好のロケーション、長野県・富士見パノラマリゾート。日本のMTBシーンを語る上で欠かせないこの聖地は、大会期間中、広大なゲレンデ一帯が「バイカーズビレッジ」を中心としたひとつの巨大なテーマパークへと変貌する。
クロスカントリー(XC)や近年盛り上がりを見せるグラベルクロスのスタート&フィニッシュ、ダウンヒル(DH)のフィニッシュエリアがひとまとめになり、レースを走る人も観戦する人も常に熱気を共有できるレイアウトとなっていた。




会場には多彩な出展ブースが軒を連ね、自転車関連の最新ギアはもちろん、アパレルや雑貨、地元富士見の新鮮な野菜、さらには絶品のソーセージや特製かき氷などを提供するフードマルシェが大集合。一日中滞在しても飽きることのない充実ぶりだ。中には「スカルシャンプー」による無料洗髪サービスといったユニークなブースもあり、レースやライドで汗をかいたライダーたちが「ヤバクール」なシャンプーでさっぱりとリフレッシュする、バイカーズならではの和やかな光景も見られた。

白熱のレースと次世代を担う若きヒーローたち


もちろん、本格的なレースの熱気もシマノバイカーズの大きな魅力である。
DH競技では、次世代の日本ダウンヒル界を牽引する若きエースたちが圧巻の走りを見せた。SantaCruz KATO☆CYCLE所属の土屋聖眞は、2026年の全日本MTBダウンヒル選手権エリートクラス、さらにMTBアジア選手権ジュニアクラスをも制した実力を見せつけ会場を沸かせた。また、女子では全日本MTBダウンヒル選手権ユースクラスを2連覇している愛知県出身の藤森美空(2000年生まれ)が、国内トップクラスの洗練されたライディングで観客を魅了した。


グラベルバイクで競う「GX Race」では、単騎参戦となった畑中雄介(キナンレーシングチーム)が「来た痕跡は残す!」と意気込みを語り、持ち前のパフォーマンスでファンへしっかりとアピールして大会を盛り上げた。


また、キッズレースも大盛況。以前参加したことのあるリピーターから、今回が初参加というキッズまで、多くの子どもたちが土の上を駆けた。「富士見で開催されているダートクリテリウムで練習していたから優勝できました!」と誇らしげに語るキッズライダーの姿もあり、この場所が彼らの成長の舞台となっていることがうかがえた。


トップライダーが「参加者目線」で寄り添うバイカーズパートナー制度

シマノバイカーズフェスティバルを他大会と一線を画す存在にしているのが、「BIKER’S Partner(バイカーズパートナー)」制度だ。

井手川直樹、永田隼也、清水一輝、山本幸平、沢田時、松本一成、松本駿、鈴木来人といった、日本オフロードシーンの歴史を作り、今なお最前線で活躍するトップライダーたちが、単なるゲストではなく「パートナー」として大会に深くコミットしている。

ダウンヒルコースの監修を務める井手川直樹、今年新設された「E-MTB Dual Stage」やTrail Ride+を担当する永田隼也、DHカテゴリーを支える清水一輝、そしてオリンピック4大会連続出場という偉業を持つ山本幸平ら、各ジャンルのレジェンドたちが自ら現場に立ち、参加者と同じ目線で自転車の魅力を伝えてくれる。レースの合間には、松本一成をはじめとする選手たちが手渡しでオリジナルシールを頒布するなど、トッププロと一般参加者の距離の近さはバイカーズならではの大きな魅力だ。

レースだけではない、ツーリングもシマノバイカーズの魅力

シマノバイカーズの魅力は、レースだけではない。今大会もMTB・グラベル・ロードとカテゴリー別のツアーライドが充実した。八ヶ岳山麓の絶景を走る「Fujimi Gravel」、ゴンドラで一気に登って下り基調を楽しむ「Kanazawa Gravel」、シマノレーシングの選手がフルサポートする「Road Ride」、走って・釣って・味わう「Ride & Fish」など、レベルや目的に合わせて選べるのがうれしい。

さらに今年は、新種目のバイクパッキング体験「BIKE PACKING Light ADVENTURE」も登場。家族や仲間で楽しめる「BIKER’Sロゲイン」とあわせ、レースに出なくても自然のなかで自転車を満喫できる“外遊び”コンテンツが、いっそう幅を広げている。

シマノレーシングも全力サポート!未来のサイクリストを育てる場所

会場を歩いていて印象的なのは、オフロードの祭典でありながら「シマノレーシング」のロード選手たちが全力でイベントを楽しんでいる姿だ。

彼らは美しいサックスブルーのチームキットに身を包み、キッズスクールや体験プログラムのサポートとして大活躍。子どもたちと一緒に芝生に寝転んで記念撮影をしたり、スノーマシンを使った「風速体験」で一緒になって強風に立ち向かったりと、まるで気さくな自転車仲間のように来場者と触れ合っていた。

雑誌や映像の中でしか見られないようなトップアスリートから直接走り方を教わり、一緒に写真を撮る。子どもたちにとってこれ以上ない原体験であり、シマノバイカーズが「未来のサイクリストを育てる場所」としていかに重要な役割を担っているかが伝わってくる。
SKE48の荒野姫楓さんも参戦!広がる自転車の輪

近年のバイカーズは、ゴリゴリの競技者だけでなく「これから自転車を始めたい」「アウトドアを楽しみたい」という多様な層を受け入れる懐の深さを持っている。

その象徴とも言えるのが、2026年大会のスペシャルゲストとして登場したSKE48の荒野姫楓(あらの ひめか)さんだ。荒野姫楓さんは、自身もスポーツバイクに親しむサイクリストであり、今大会では実際にレースやバイカーズビレッジの各コンテンツを体験。マウンテンバイクのトップライダーやシマノレーシングの選手たちとともに記念撮影に応じたり、ステージイベントを盛り上げたりと、持ち前の明るさで会場に華を添えた。

荒野姫楓さんのような影響力のあるゲストが参加し、SNSや公式トピックスを通じて発信されることで、既存の自転車ファンにとどまらない新たな層へのアピールにも繋がっている。(※会場やファンからは「姫たん」の愛称でも親しまれる荒野姫楓さんだが、オフロードの過酷なコースにも果敢に挑戦する姿に多くのサイクリストがエールを送っていた)
会場を熱狂させたRed Bullアスリートの極限パフォーマンス

イベントのハイライトのひとつとして特大の歓声を集めていたのが、Red Bullアスリートたちによる「BIKE CONTROL LIVE – EXTREAM SESSION(バイクトライアルショー)」だ。

“忍者ライダー”の異名を持ち、世界中を驚かせるトリックを連発する西窪友海、日本を代表するトライアルライダーの菊池哲太郎、そして映像クリエイターとしても世界的な人気を誇る木村絢斗の3名が集結。
巨大なジャンプランプから空高く舞い上がり、観客の頭上スレスレを飛び越える圧巻のエアトリックが披露されるたび、子どもたちは目を輝かせて歓声を上げ、大人たちは夢中でスマートフォンやカメラのシャッターを切っていた。自転車競技のルールを知らない人であっても一瞬で虜にしてしまう極限のパフォーマンスは、エンターテインメントとしての自転車の可能性を強く感じさせるものだった。



夢の競演!バイカーズ名物「ドリームエキシビションレース」

そして日曜日のクライマックスを飾ったのが、バイカーズ名物の「ドリームエキシビションレース」だ。
ダウンヒル、クロスカントリー、シクロクロス、さらにはロードレースと、本来であれば同じスタートラインに並ぶことのない各カテゴリーのトップライダーたちが一堂に会する、まさに“夢のレース”。

井手川直樹、永田隼也、清水一輝らレジェンドライダーたちが本気のペダリングを見せる中、今年からは新設された「E-MTB Dual Stage」で上位に入った一般参加者3名にも出場権が与えられた。プロのトップアスリートと、一般のアマチュアライダーが同じ舞台で競い合うという粋な演出。MCの軽快な実況に煽られながら、会場全体がひとつになって声援を送り、フィニッシュエリアは最高の熱気に包まれた。



30年以上愛され続ける理由と、自転車文化の未来へ

「誰もが同じフィールドで、それぞれのスタイルで自転車を楽しむ」
30年以上にわたり日本のオフロードカルチャーを牽引してきたシマノバイカーズフェスティバルの本質は、まさにここにある。
勝敗を決めるレースの緊張感がある一方で、家族で美味しいものを食べ、トップライダーと笑い合い、泥だらけになって自転車で遊ぶ喜びがある。シマノが長年抱き続けてきた「自転車を楽しむ文化を広げる」という確かな思いは、2026年の富士見パノラマの地でも、参加者全員の笑顔という形で実を結んでいた。

自転車が好きな人も、これから始めたい人も、誰もが主役になれる週末。シマノバイカーズフェスティバルは、これからも日本のサイクルカルチャーの象徴として、すべての人に開かれた特別な場所であり続けるだろう。
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- 文と写真:井上和隆
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