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茨城・北茨城で涼をもとめてサイクリング|夏福ゆるポタエッセイ vol.29

連載「まんが家・夏福のゆるポタコミックエッセイ」。今回は茨城県北茨城市を巡るサイクリング旅。JR常磐線磯原駅を出発し、名物のお寿司屋さん「秀寿司」でランチを堪能。二ツ島を望む磯浜海岸から、花園神社・花園渓谷・与四郎の滝へと山あいをめぐります。森のドイツ菓子「Wald」のスイーツも味わう、涼を求める夏の一日です。

じつは涼しい北茨城

ここ数年、猛暑を通り越して酷暑と言われている夏。どこに走りに行こうか、いや走りに行くには危険な気温なのでおとなしく家にいることにしようか、と悩んだり諦めたりすることが多いこの季節。

今年もどこか避暑地にでも…と思っていたところ、関東一涼しい街が茨城県にあるということを小耳に挟み、やって来ました北茨城市。その名の通り、茨城県の最北端に位置し、海と山に囲まれた自然の多い街です。

なぜこの北茨城市が涼しいのかというと、北からの冷たい親潮の影響で海面水温が低く、涼しい海風が流れ込んでくるためで、数年前に話題になった千葉県の勝浦市よりも涼しいそうですよ。長年茨城県に住んでいますが、知りませんでした。

磯原駅からスタート、海鮮ランチ

常磐線磯原駅からスタート。

駅前には、磯原出身の童謡詩人、野口雨情が作詞した曲が流れるからくり時計があります。(写真は、朝、駅前の写真を撮り忘れたため、街を散策した後に12時の演奏に合わせて来たものの、少々遅刻し結局見られなかった一枚。)

この地に降り立って気づきました。確かに涼しい。スマホに複数入れている天気予報アプリで、家のあたりと北茨城市の気温を見比べてみると、およそ3度、差が大きいところでは5度も違っていてビックリ。この日の北茨城市はおよそ28度で程よく風があり、その風がひんやりとしていて湿度も低く快適です。

まずは駅のすぐ近くのお寿司屋さんでご飯にします。海の近くなので海鮮を食べたくなりますよね。

上寿司の定食と、珍しいあんこうの押し寿司とメヒカリの唐揚げも注文。あんこうとメヒカリはどちらも北茨城市の名産です。

握りはどれも新鮮で、ウニ・いくら・海老の濃厚さに悶えました。あんこうの押し寿司は、身や皮、肝などが使われていて、ひと口であんこうの美味しさが味わえます。メヒカリは初めて食べたんですが、ししゃもくらいのサイズ感を想像していたら、倍ほど身が大きくて驚きました。2度揚げされていて頭から骨まで食べられます。揚げたてアツアツ、衣はサクっと香ばしく身はふわふわ。美味しい!

秀寿司さんは、握りのほか、海鮮丼や揚げ物や馬刺し、うなぎや一品料理などメニューが豊富で、通いたくなるお店です。

お店の方と少しお話しさせていただいたんですが、この日は涼しかったものの、今年の夏は暑い方だとおっしゃっていました。通常は30度を超えることがほとんどないんだとか。

いいな…30度くらいだとサイクリングを楽しめるギリギリラインだ…それ以上は試練。

街に息づく「すずき文字」

お腹を満たし街を散策していると、秀寿司さんのすぐ近くになにやら力強い看板のお店がありました。ちょっとお菓子屋さんの書体にしては荒々しいような。

そういえば、この辺りはデコトラ乗りに人気の特徴的な文字でおなじみ「すずき文字」の会社があり、街中にすずき文字の看板があると以前テレビで見た気が…と調べてみたらその通りでした。

こちらのお店はお休みだったのでお話を伺うことができませんでしたが、多分そうなのではないかと思います。先ほどの秀寿司さんのメニュー看板も似ている書体で、もしかしたらそれも…?

あたりを気にしながら走っていると「すずき文字」ではないかと思われる書体の看板があちこちにあって面白いです。デコトラ以外にも、すずき文字で社名が書かれたトラックも見かけます。

大北川から磯浜海岸・二ツ島へ

大北川の堤防上を走り海へと向かいます。右手にこんもりと緑のあるあたりから海へと繋がっているんですが、このこんもりとしているところは天妃山といって、茨城で2番目に低い標高21.2mの低山なんだそうです。山の上には弟橘媛神社が建っており、この神社の駐車場看板もすずき文字みたいですね。

海沿いを進み磯浜海岸へ。

この海岸のシンボルの二ツ島は、干潮時には島に触ることができ、願い事が叶うと言われています。以前は大小の島が並んでいたんですが、小さい方の島は東日本大震災で水没してしまい、残った大きい島も大きく削られ3分の2ほどの大きさになってしまったそう。

この日は薄く雲がかかっていたこともあり、ジリジリと日に焼けることもなく、海からの涼しい風が流れていてとても気持ちよかったです。

海から山へ、上り坂を行く

海から離れて、お次は山へと向かいます。

走っていると、道なりにすずき文字と思われる看板を次々と発見。ただ、すずき文字初心者の私は、ほかの筆文字と見分けがつかず、どの看板を見ても反応してしまいます。

山ですからね、上ります。木々があってより涼しいかと思いきや、その木々に風が遮られてしまってやや暑く、上りも相まって汗が噴き出してきます。

宿泊所やガラス工房などがある童謡の森ふれあいパークへの分岐に立っている看板。これもすずき文字ですかね。とてもデカイ。

水沼ダムを越え、花園神社へ

水沼ダムを過ぎ、花園川沿いにさらに進みます。

花園神社に到着。

延暦14年(795年)征夷大将軍・坂上田村麻呂が創建したと伝えられています。

山奥にある神社は深い木々に囲まれ落ち着いた暗さで、そばを流れる小川の渓流音が心地よく、神秘的な空間です。先ほどまでの上りでの暑さはどこかへ行ってしまいました。

こちらの神社では、猿が神の使い「神猿(まさる)」とされ、境内のいたるところに猿の姿があります。拝殿の後ろの階段上にある本殿には「見ざる聞かざる言わざる」の三猿の彫刻も。三猿と言えば日光東照宮を思い浮かべますが、こちらの三猿は片目、片耳、口を押さえているところが日光の三猿とは違うところです。なんでなんだろう。

神社へのアクセスは、最寄りの駅が約16km離れた磯原駅で、公共交通機関はなくタクシーとなってしまうのですが、自転車なら行けちゃいます。

パワースポットとしても有名ですが、革製のお守りに刻印を押してバイクで巡る「疾風巡拝プロジェクト」や、神玉を集めてひとつのお守りを作る「神玉巡拝」といった企画に参加していることもあり、それらを求めて自転車やバイクで来られる方も多いそうですよ。私も以前、神玉を求めて巡ったことがあります。花園神社の神玉には神猿のイラストが描かれていました。

ちなみに駐車場の看板、これももしやすずき文字では…?かっこいいですね。

山奥のおかし屋さんで一休み

花園神社からすぐ近く、来た道を少し戻ってお菓子屋さんへ。こんな山奥に?と驚きますが、こちらは花園神社の宮司さんの奥様が経営されているお店なんだそうです。

シュークリームは香ばしく、持つと驚くほどどっしりと重くたっぷりクリームが詰まってます。ソフトクリームはクリーミーでコクがあり、このタイプのコーンでこんなに盛りがいいのは初めてなくらいたっぷりの量。カフェオレもミルク感が高くて美味しい。焼き菓子もどれも美味しく、翌日に「また食べたいな…」と思い返していました。このお菓子を食べるためなら山を上ることになっても苦ではない。

小さな店内には入りきらないほど、ひっきりなしにお客さんが訪れていましたよ。

パワーとエネルギーを補充し、さらに上って今回最後の涼所、花園渓谷へ。

花園渓谷で涼をもとめて

この辺りは木で日の光が遮られ、道の横を流れる花園川からの涼気でひんやりしています。

アームカバーなどにキンと冷たい水をかけて下山すれば、とんでもない清涼感を味わえそうですね(涼しかったのでやってない)。訪れた際にはやってみてください。

コースマップ

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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