
「Eurobike 2026」で注目を集めたAward受賞製品と業界の現状と未来
Bicycle Club編集部
- 2026年07月28日
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自転車・エコモビリティの世界最大級トレードショー「Eurobike」が、2026年6月24〜27日にドイツ・フランクフルトで開催された。会期中に発表された「Eurobike Award 2026」では、7カテゴリーで計22点が受賞し、うち7点が最高賞のGold Awardに輝いた。ロードやグラベル乗りにも刺さる新型コンポーネントから、木製ランバイクまで、今年の注目作をまとめて紹介する。ここではEurobike Awardに加えEurobikeの現状と未来についてもお伝えする。
Eurobike Award 2026とは

今年で20回目を迎えたEurobike Awardは、デザイン・エンジニアリング・メディア・モビリティ業界の専門家によるインターナショナル審査員団が、革新性・機能性・デザイン・仕上げの品質・使いやすさ・サステナビリティといった基準で製品を評価する。2026年は7カテゴリー計22点が受賞し、そのうち特に優れた7点がGold Awardに選出された。加えて、ドイツ製のサステナブルな製品にGreen Award、オーストラリアの新興企業にStart-Up Awardが贈られている。
Rohloff「E14 Solo」(コンポーネント部門)

約30年ほぼ変わらぬ設計で愛されてきたRohloffの14速内装ハブに、電動変速の新型コントロールユニットが登場。従来のe-bike向けE14に対し、E14 Soloは一般的な自転車向けに設計され、これまで生産されたすべてのRohloffハブに後付けできる完全な後方互換性を持つ。アプリ・クラウド・アカウント登録を一切必要とせず、直接的な操作と高い信頼性を狙う。MTB向けのトリガーシフター、グラベル向けのドロップバーシフターのいずれにも対応し、RohloffハブをモダンなMTB/グラベル市場へと開くもので、審査員は「Evolution beats revolution(革新より進化)」と評した。

Lion Bikes「Light 24」(バイク部門)

子ども向けの軽量バイク。統合ライトと反射塗装で視認性を高め、3段階で長さ調整できるヘッドセットによりフレームが子どもの成長に合わせて伸びる。ドイツ製で、フレームはポリアミドと再生カーボンファイバーを使用する。
Nijland Cycling「Suelo」(E-bike部門)

バランスに不安のある人に向けて開発されたローステップバイク。いつでも両足を地面につけられる極めて低いまたぎ高で、低速時のコントロール感と安心感を重視した設計となっている。
T&D「Semi Solid State Battery」(コンポーネント部門)

中国メーカーT&Dによる半固体電池。審査員はこの半固体技術を画期的な開発と評価した。
Gold受賞7製品は以下のとおり(メーカー名アルファベット順)。
| 製品名 | メーカー | カテゴリー |
|---|---|---|
| Mr Spoke | BikeFolder | デジタルソリューション |
| Kid Lykke | Croozer | アクセサリー |
| Light 24 | Lion Bikes | バイク |
| Suelo | Nijland Cycling | E-bike |
| E14 Solo | Rohloff | コンポーネント |
| Epos Parksecure | Thule | アクセサリー |
| Semi Solid State Battery | T&D | コンポーネント |
Green AwardとStart-Up Award

Green Awardは、ドイツ製の子ども用ランバイク「Mika」(Smoovotech)が受賞。地域産のブナ材と再生カーボン複合材で作られ、環境フットプリントに加えてデザインの完成度が評価された。

Start-Up Awardは、オーストラリアのFoldeeが同名の折りたたみカーゴバイクで受賞。前輪の上に大きな積載プラットフォームを備え、保管スペースが限られる人でもカーゴバイクを使いやすくすることで、クルマの代替としての可能性を高める点が評価された。
Avinox「Heart Rate Control System」

e-bike用ドライブユニットを手がけるAvinox(DJIの子会社)が受賞。心拍計とe-bikeを連携させ、ライダーの心拍数があらかじめ設定したゾーンに収まるように、アシスト出力を自動で調整する仕組みだ。従来のアシストモードの枠を超えた新しい発想として審査員が高く評価。トレーニングやフィットネス用途に加え、ヘルスケア分野への応用にも可能性を見いだしている。パワーメーターの数値ではなく、心拍という身体のリアルタイムな信号にアシストを合わせるアプローチは、ゲームチェンジャーになり得るとの声も上がった。
Canyon「Defend Fast Fenders」

Canyonのフェンダー(泥よけ)「Defend Fast Fenders」が、現実的な悩みに対する巧みでよく練られた解決策として受賞。スルーアクスル内部に仕込んだクイックレリーズ機構により、素早く簡単に着脱できる点に審査員が感心した。Canyonのグラベルバイク専用という割り切りが、汎用品より機能・見た目の両面で優れた設計を可能にしているとの評価だ。フェンダーの名門Curanaとの共同開発で、「バイクになじんで見える」仕上がり。将来的にフェンダー取り付けの新しい標準へと発展し得る、との期待も寄せられた。
業界の逆風下でも「これまでと違う Eurobike へ」

今年のEurobikeは、業界の転換期を映すショーとなった。44か国から約800社が出展し、来場した業界関係者は約15,130人(2025年は31,270人)。うち約60%が海外からで、Eurobike Festival Dayには8,970人のサイクリングファンが訪れた(2025年は2日間で30,420人)。来場者数は前年から大きく減少した一方、主催のFairnamic側は質の向上を強調する。来場者に占める役職者の割合は71%(2025年は58%)に高まり、600人超のメディアが取材、メディアリーチは4億4,000万を超えたとしている。
取材していて感じたのは、スポーツ趣味の自転車よりもドイツの消費者にとってはより関心の高いeBIKE、さらにeモビリティに関するブースの多さだ。スポーツジャンルではドイツに拠点を構えているキャニオンの存在が目立った。

キャニオンに関してはこちら▼
Eurobikeの未来――「3日間の見本市」からブランドへ

次回は形を変える。第35回Eurobikeは2027年9月1〜3日、メッセ・フランクフルトの新エリアで開催される予定だ。こうした状況をEurobikeの主催者のFairnamic CEOであるPhilipp Ferger氏は、今後の方向性についてこう語っている。「私たちは、ユーロバイクを”単なる見本市”として捉えるのをやめることにしました」。
Eurobikeを3〜4日間だけのイベントではなく、自転車・エコモビリティの世界における通年・リアル・デジタルのコミュニティとして再定義するという意味で、新戦略の4つの骨格を実施するという。
Eurobike新戦略は4つの柱
第1の柱は強力な国際B2Bショー。業界のサプライチェーン全体を対象に、フランクフルトで隔年・9月開催(2027年9月1〜3日)。第2の柱はB2Cフェスティバル。B2Bに徹するメイン見本市とは切り離し、消費者に直接届く場を別途展開する。第3の柱はデジタルプラットフォームの構築。見本市で生まれるコンテンツ——ポッドキャスト・動画・記事——を通年でデジタル活用し、世界中のメディアと協働しながら業界の「コミュニティ・ハブ」を目指す。第4の柱はブランドの海外展開。メッセ・フランクフルトはアジアだけで70以上の見本市を運営する実績を持ち、Eurobikeブランドをグローバルに広げる。イスタンブールなど海外での開催もその一環だ。

2027年の会場も刷新される。
メッセ・フランクフルト内の西エリアから東エリアへと移設し、屋外広場「アゴラ」を中心にホール3・4・5が囲む構成に。Fergerはその意図を「規模を小さくするのではなく、コンパクトにするため」と説明した。動線を短くリラックスできる環境を作るというのは、過去6か月の業界ヒアリングから得たフィードバックに基づく。「必要なのは”関連性”——欧州・アジア・米国の主要プレーヤーが揃い、かつ動線が短い。この両立をアゴラ中心の新レイアウトで実現したい」。アゴラはただの広場ではなく、新生ユーロバイクの「感情的な核(emotional heart)」と位置づけられている。
開催月を6月から9月へ変える以上の、文字通り「革命的な一歩」——Eurobikeはいま、見本市の枠を超えようとしている。

概要
- 開催日:2026年6月24日〜27日
- 開催地:ドイツ・フランクフルト
問い合わせ:ユーロバイク
https://www.eurobike.com/
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Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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