
東北MTBシーンの新たな拠点へ。都市近郊型リゾート「スプリングバレー仙台泉MTBパーク」誕生
Bicycle Club編集部
- 2026年08月17日
INDEX
宮城県仙台市に位置する都市近郊型スキー場、スプリングバレー仙台泉マウンテンパークに、待望の常設マウンテンバイクコース「スプリングバレー仙台泉MTBパーク」が誕生した。仙台市街地からの抜群のアクセスに加え、リフトを使った快適なライド環境、充実のレンタル機材を完備。単なるレジャー施設にとどまらず、東北のMTBシーンを牽引する一大拠点としてのポテンシャルを秘めた新フィールドの全貌をレポートする。
スキー場の新たな挑戦。グリーンシーズンの柱としてMTBに着目

仙台市中心部から車でわずか30〜40分。冬はスキーヤーやスノーボーダーで賑わう「スプリングバレー仙台泉」が、グリーンシーズンの新たな目玉としてマウンテンバイク(MTB)パークをオープンさせた。
近年の暖冬や少雪による環境変化は、全国のスキー場経営に大きな影響を与えている。このプロジェクトを主導した東北リゾートサービス株式会社仙台泉事業所の橋坂康治取締役支配人は、「冬の営業は長くても4か月ほど。夏は4月下旬から10月末まで約6か月あります。夏事業にシフトしていかなければ経営が立ち行かなくなると考えていました」と、MTBパーク開設の背景を語る。

同施設では約10年前からアトラクションエリアやジップライン、マウンテンカートなどを導入し、夏場の魅力向上に努めてきた。今回のMTBパーク開業は、5年越しの構想が実を結んだ形となる。
ターゲットは「未来のライダー」。手ぶらで楽しめる都市近郊型パーク
橋坂支配人が施設のコンセプトとして繰り返し強調したのは、「まずは入口を広げたい」という言葉だ。最初からコアなMTBライダーだけをターゲットにするのではなく、家族連れや観光客が「やってみようかな」と思えるきっかけ作りを目指している。


その理念を体現するのが、抜群のアクセスと手厚いサポート体制だ。土日祝日には仙台駅方面からの送迎バスが運行され、平日でも事前連絡で近隣からの送迎に対応する。さらに、MTB本体からヘルメット、プロテクター類までレンタル品が充実しており、「自転車がない」「運搬する車がない」といった初心者のハードルを完全に取り払っている。100万都市・仙台のすぐ近くで、思い立ったその日に手ぶらでMTBデビューができる環境は、国内でも非常に稀有だ。
快適なクワッドリフトと、遊べる余白を持たせたコース設計
既存ライダーにとっての最大の魅力は、なんといってもリフトアクセスの快適さだろう。スタート地点へ向かう展望台リフトには4人乗りのクワッドタイプが採用されており、搬送スピードも速い。



登坂で体力を削られることなく、ひたすら下りを楽しむことができるため、初心者は反復練習によるスキルアップができ、上級者はライン取りやコーナリングの精度を高めることに集中できる。


コース造成と監修は、全国各地でバイクパーク開発を手掛ける株式会社エイアンドエフのトレイル事業課浦島悠太氏が担当。第一期オープンとなる現在のコースは初心者向けを中心としているが、決して単調ではない。
特徴的なのは、コース幅が広く取られたバームセクションだ。一本の「正解ライン」を強制されるのではなく、初心者は内側を安全に、経験者は外側を使ってスピードを乗せてクリアできるという、各々のレベルに合わせた「遊べる余白」が用意されている。スキー場特有の広大な斜面を活かし、ライダー自身が遊び方を見つけられる自由度の高いレイアウトに仕上がっている。
XTERRAプロ・色川岳宏選手も太鼓判。「成長できるコース」の魅力
オープニングイベントには、GIANTサポートライダーでありXTERRAプロ選手の色川岳宏選手(チームOLIVE所属)も駆けつけ、実際にコースを試走した。


「初級から中級ライダーをターゲットにするのであれば、とてもバランスの良いコースです。始めたばかりの方でも十分に走れる内容ですね」と色川選手。さらに、「余裕があればロックセクションに入ったり、ラインを変えたり、レベルに合わせて遊び方を広げられるのが面白い。繰り返し通うことで上達していける、春に始めた人が秋には中級レベルを目指せるような成長イメージを持てるフィールドです」と高く評価した。
また、地形を使ってジャンプできるポイントやライダーの動きが映えるセクションもあり、写真や映像の撮影スポットとしても優れていると語る。SNSでの発信が欠かせない現代において、”魅せる”ライディングができる環境は大きな強みとなる。
第1期オープンから描く、25コースへの壮大な拡張構想

現在オープンしているのは、あくまで「第一期計画」のエリアに過ぎない。橋坂支配人によれば、来場者の反応を見ながら第二期、第三期と拡張を進め、最終的には25コース規模の巨大パークにするという壮大な構想が描かれているという。シーズンパスの導入も、利用者の声に応じて検討していく予定だ。
「今日は東北のマウンテンバイクシーンの始まりの日だと思っています」。
オープニングセレモニーで浦島氏が残した言葉の通り、仙台という大都市の近郊に生まれたこの場所は、新たなライダーを生み出し、育て、そして東北のMTBシーン全体を底上げしていく起点となるだろう。
スプリングバレー仙台泉MTBパークの歩みは、まだ始まったばかり。この夏、ぜひ自身のタイヤでそのポテンシャルを体感してほしい。

スプリングバレー仙台泉MTBパーク 2026シーズン営業概要
■営業日時
営業時間:10:00〜16:00
【夏期間】8月1日(土)〜8月23日(日)
【秋期間】9月12日(土)〜11月3日(火・祝)
※悪天候やコース整備によりコースクローズとなる場合があります。
※秋期間のレンタルバイクは土日祝日のみ営業となります。
■利用料金
MTBコースの利用には「マウンテンバイクリフト券」が必要です。(スキルアップエリア・パンプトラック利用時も必要)
※走行時はヘルメット着用が必須です。グローブやプロテクターの着用も強く推奨されています。
マウンテンバイクリフト券
・2時間券:大人 2,500円 / 子供(小学生) 1,500円
・4時間券:大人 4,000円 / 子供(小学生) 3,000円
・1日券:大人 4,500円 / 子供(小学生) 3,500円
※お支払いはクレジットカード・電子マネーに対応。
アクセス・詳細情報
スプリングバレー仙台泉マウンテンパーク 公式サイトにてご確認ください。
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- 文と写真:井上和隆
SHARE
PROFILE
Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。



















