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日本初のUCIグラベルワールドシリーズ戦 「グラベルクラシック やくらい」で沢田時が大会2連覇

8月22日、宮城県加美町にて「HYSK GRAVEL CLASSIC YAKURAI 2026 presented by GRAVELKING」が開催された。今年から国内初となるUCIグラベルワールドシリーズの一戦として組み込まれた本大会。タフなコース設定で行われたメインレースのエリート男子は、沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン)が独走で大会2連覇を飾った。女子は台湾の許書瑋(A+ cycling studio)が勝利を挙げている。

国内初のUCIグラベルワールドシリーズ戦として進化

早坂サイクル商会が2023年より継続開催してきた「グラベルクラシックやくらい」が本大会のルーツだ。2025年大会からは加美町が共催として加わり、グラベル用タイヤのトップブランド「GRAVELKING」を展開するパナレーサー株式会社がメインスポンサーに就任。本格的なUCI規則に準拠したグラベルレースへと発展を遂げてきた。

そして4年目を迎えた今年、本大会は日本国内初となる「UCIグラベルワールドシリーズ」の公式予選ラウンドへと昇格を果たした。競技対象カテゴリーにおいて上位25%以内の成績を収めた選手には、2026年10月にオーストラリアの西オーストラリア州ナナップで開催される「UCIグラベル世界選手権」への出場資格が付与されるとあり、海外からも多数の選手が参加する国際色豊かな大会となった。

最大勾配18.2%、グラベル率70%超の過酷なコース

レースの舞台は、陶芸の里スポーツ公園(加美町総合体育館)を発着点とする1周約53kmの周回コース。エリート選手および男子19〜49歳のロングコース出走者はこれを2周する計107km(獲得標高2,610m)で争われ、女子カテゴリーおよび男子50歳以上のショートコース出走者は1周(計53km、獲得標高1,260m)でフィニッシュを迎える。

特筆すべきはグラベル(未舗装路)比率の高さだ。コース全体の70〜71%に達し、1周あたり約37.8km(ロングコース計74.4km)もの本格的なオフロードセクションで構成されている。

男子エリート:沢田時が強さを見せつけ大会2連覇

メインレースとなる男子エリートには18名が出走。ディフェンディングチャンピオンの沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン)をはじめ、昨年2位の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、同3位の阿部嵩之(ヴェロリアン松山)ら国内トップ選手が集結。さらに昨年までアルペシン・ドゥクーニンク(現アルペシン・プレミアテック)でプロとして走ったラルス・ボーフェン(フードメーカー・グラベルキング、オランダ)など、国内外の強力なメンバーが顔を揃えた。

レースは1周目の下りで松本一成(ハイファイブレーシング/ホンダカーズ群馬)が抜け出し、今季限りでの専業選手引退を表明している白川幸希(ヴィクトワール広島)が追従する展開で幕を開ける。ここに沢田、織田、ボーフェンも合流し、先頭は5名のパックを形成した。

激しいアップダウンとグラベル区間をこなすうちに先頭集団は絞り込まれ、1周目の終盤には沢田、織田、白川の3名による先頭グループに。そして2周目の登りで勝負を仕掛けたのは、連覇を狙う沢田だった。

一番きつい上りでアタックを敢行した沢田は、粘る白川を少しずつ引き離し、ついに単独先頭に立つ。独走となってからも冷静にペースを刻んだ沢田は、そのままトップでフィニッシュラインに飛び込み、見事大会2連覇を達成。UCIグラベルワールドシリーズとしては、昨年11月にタイで開催されたダストマンに続く2勝目となった。

優勝した沢田時のコメント

「きつかったですね。上りがきついコースで1周目はあまり無理をせず、誰が脚があるかなとうかがいながら走りました。その後、白川選手と織田選手の中から優勝者が出る展開になり、一番きつい上りまで我慢してアタックしました。白川選手が粘り強く少しずつ離れなかったのですが、離れてからは一気に開き、残り30kmぐらいをしっかり踏み切りました。2連覇なのでとてもうれしいです。

白川選手は僕や織田選手よりも下りが速く、ガンガン攻めていました。自分も下りを攻めないといけないと思い、タイヤが太かったこともあり攻めました。白川選手は上りも強かったですね。僕自身、今回でグラベルレースは3回目の出場となりましたが一番きつかったです。

今後のスケジュールとしては、10月にグラベルレースの世界選手権があります。獲得標高3600mぐらいと今日よりも上るので、それに向けていい形で終えられてよかったです。具体的にどのぐらいの順位になるかわかりませんが、日本代表として出場するので少しでもいい順位になるように頑張りたいと思います」

沢田の駆るバイクはメリダのSILEX。タイヤはパナレーサー・グラベルキングX1の50cを選択し、空気圧は前後とも1.7barでセッティングされていた。

2位には、わずか1ヶ月前にグラベルバイクに乗り始めたばかりという白川が入った。バイクはチームスポンサーのキムラ自転車が用意したスペシャライズド・CRUX。タイヤはグラベルキングX1の45c(空気圧フロント1.4bar / リア1.5bar)。ペダルは「担ぐシーンはないだろう」という判断から、ロード用のSPD-SLを使用する独自の工夫が見られた。3位にはビアンキ・IMPULSOにヴィットリア・テレーノT50(45c、前後1.7bar)を履いた織田が続いた。

女子エリートは台湾の許書瑋が制覇 エイジ各カテゴリーも白熱

女子エリートは、昨年の台湾選手権ロードレースやタイムトライアルで3位に入り、台湾代表としても活躍する許書瑋(シュウ・シューウェイ、A+ cycling studio)が初のグラベルレースながら見事な走りで優勝を飾った。2位には片岡幸(轍屋自転車店)、3位には鵜飼知春(and more)と、国内のシクロクロスシーンで活躍する2名が表彰台に上がった。

各エイジカテゴリーでも熱戦が繰り広げられた。
男子19-34歳は、スペシャライズドアンバサダーを務める松橋拓也(Matchy cycing)が優勝。2位にロードトップアマの川勝敦嗣(MiNERVA-asahi)、3位には1周目の下りで落車し、ハンドルが折れて片方のブレーキのみで走り切ったというユスフ・キバル(STRAY.CC、インドネシア)が食い込んだ。

男子35-39歳は、元アジア選手権ロードレースU23王者の木下智裕(弱いけど、ウィリーさせたら日本トップクラス Kinofit)が、前日に借りたというオルベアの試乗車で見事なバイクコントロールを披露し圧勝。男子40-44歳はイスラエル選手権ロード2位の経歴を持つユーリ・レビンソン(SERPANTIN)が制し、男子45-49歳は前日の試走で転倒し肋骨を痛めながらも、高岡亮寛(Roppongi Express)が圧倒的な強さを見せつけて優勝した。

HYSK GRAVEL CLASSIC YAKURAI 2026 リザルト

男子エリート(107km)

1位 沢田 時(Astemo 宇都宮ブリッツェン) 4時間12分58秒
2位 白川 幸希(ヴィクトワール広島) +3分29秒
3位 織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) +4分42秒
4位 ラルス・ボーフェン(FOODMAKER GRAVELKING、オランダ) +16分43秒
5位 松本 一成(ハイファイブレーシング/ホンダカーズ群馬) +19分16秒
6位 平林 安里(TEAM SCOTT TERRA SYSTEM) +21分43秒
7位 山口 瑛志(レバンテフジ静岡) +23分17秒
8位 阿部 嵩之(ヴェロリアン松山) +26分38秒
9位 小森 亮平(Ks Coaching Service) +29分23秒
10位 色川 岳宏(OLIVE) +29分24秒

女子エリート(107km)

1位 許 書瑋(A+ cycling studio、台湾) 5時間36分57秒
2位 片岡 幸(轍屋自転車店) +28分53秒
3位 鵜飼 知春(and more) +37分46秒

男子16-18歳(107km)

1位 阿部 巧太郎(TEAM轍屋) 5時間22分16秒

男子19-34歳(107km)

1位 松橋 拓也(Matchy cycling) 4時間50分57.秒
2位 川勝 敦嗣(MiNERVA-asahi) +5分26秒
3位 ユスフ・キバル(STRAY.CC、インドネシア) +7分25秒

男子35-39歳(107km)

1位 木下 智裕(弱いけど、ウィリーさせたら日本トップクラス Kinofit) 4時間43分31秒
2位 松尾 遊(Muscle Bros SCOTT) +27分48秒
3位 佐野 千尋(イナーメ信濃山形) +28分24秒

男子40-44歳(107km)

1位 ユーリ・レビンソン(SERPANTIN、イスラエル) 4時間41分58秒
2位 アレクサンドルス・ザヴォロクス(ラトビア) +8分43秒
3位 佐川 祐太(SNEL) +9分6秒

男子45-49歳(107km)

1位 高岡 亮寛(Roppongi Express) 4時間42分3秒
2位 ショーン・オブライエン(オーストラリア) +28分48秒
3位 太田 好政(AX cyclocross team) +30分39秒

男子50-54歳(53km)

1位 松本 駿(HIFIVE RACING) 2時間25分7秒
2位 牧野 崇(COGS) +7分48秒
3位 桜井 晋吾(SBC DIRTUNION) +9分30秒

男子55-59歳(53km)

1位 佐々木 正(SAD) 2時間41分18秒
2位 権藤 秀司(Go&do) +5分19秒
3位 三本木 昭仁(B.B.Racing) +9分38秒

男子60歳以上(53km)

1位 橋本 真一(UZU) 2時間48分25秒
2位 生越 康之(MAX SPEED 97) +8分6秒
3位 豊坂 秀樹(TCI) +13分46秒

女子16-18歳(53km)

1位 皆木 海音(AVENTURA CYCLING) 3時間26分18秒

女子19-34歳(53km)

1位 ホー・ペイチー(台湾) 3時間52分38秒
2位 パワンラット・サンハジャリヤ(タイ) +52分25秒

女子35-39歳(53km)

1位 原 睦(Team CHAINRING) 3時間11分36秒
2位 余 筱琦(台湾) +9分52秒

女子40-44歳(53km)

1位 ユリア・ポレヴァヤ(SERPANTIN、ロシア) 2時間47分33秒

女子45-49歳(53km)

1位 ルンティップ・ブラッドショー(Bike Zone、タイ) 4時間9分15秒

女子50-54歳(53km)

1位 田崎 綾 3時間22分13秒
2位 森 知多(SNEL) +31分6秒
3位 カンヤーコン・カセームスリー(タイ) +2時間11分14秒

女子55-59歳(53km)

1位 安田 朋子(RX&Co.) 3時間19分22秒
2位 綾野 桂子 +3分16秒
3位 佐々木 恵子 +3分19秒

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せいちゃん

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稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

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