
キャニオン新型Grail登場 最大57mmタイヤ対応とエアロを極めた第3世代グラベルレーサー|CANYON
Bicycle Club編集部
- 2026年09月18日
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世界のグラベルレースシーンを牽引してきたキャニオンのピュアレーシングバイク「Grail(グレイル)」が、待望の第3世代へとフルモデルチェンジを果たした。
初代Grailが発表された2018年、衝撃的な2段構造の「Hover Bar(ホバーバー)」によってオフロードにおける快適性とコントロール性の革新をもたらした。続く第2世代では空力性能の向上とフレーム内蔵ストレージ、独自の拡張システム「Gear Groove」を導入し、アンバウンド・グラベル制覇やUCIグラベル世界選手権のアルカンシェル獲得など、数々のビッグタイトルを手中にしてきた。
そして今回ベールを脱いだ第3世代Grailの最大の特徴は、フレーム・フォークともに最大57mm(2.25インチ)という、従来のグラベルレースバイクの常識を覆すワイドタイヤクリアランスの獲得だ。さらに、現代のグラベルレースで重要視されるエアロダイナミクスを徹底的に追求し、55mm幅タイヤを装着した状態でも前世代の40mm装着時を上回る低ドラッグを実現。1×専用プラットフォームへの移行、コックピット調整システム「PACEテクノロジー」の進化など、勝つためのテクノロジーを全身に凝縮した究極のスピードマシンとして生まれ変わった。
プロが求めた「57mm(2.25インチ)」 1×専用化とソリッドチェーンステーで実現した超ワイドクリアランス

第3世代Grailの開発において、すべての出発点となったのはトップ選手たちからの切実なフィードバックだった。
2024年のアンバウンド・グラベル女子200マイルを制し、ヨーロッパ屈指の過酷なウルトラレース「The Traka 360」を新型Grail CFRのプロトタイプで独走勝利したロサ・クローザー。彼女をはじめとするトップレーサーたちは、年々テクニカルかつ荒れてハイスピード化するコースを走破するため、「荒れた下りやマッドセクションで圧倒的なアドバンテージを得られる、50mmを優に超えるタイヤクリアランス」を強く求めていた。
「50mmでは足りない。2.1インチ、2.2インチ、さらには2.25インチ(約57mm)まで呑み込めるクリアランスが必要だ」――この決断が、プロジェクトの大きな転換点となった。

最大57mmという数値を実現するため、キャニオンはフロントダブル(2×)変速との互換性を完全に排除するという思い切った決断を下した。2×のフロントディレイラー台座やインナーリングのスペースを残すとタイヤクリアランスは50mmが限界となってしまうため、第3世代Grailは潔く「1×(フロントシングル)専用プラットフォーム」へと舵を切ったのである。
さらに、ドライブサイドのチェーンステーには、キャニオン初となる「ソリッド構造(中実構造)」を採用。カーボンの肉厚を保ちながらステーを薄型化することで、十分なフレーム剛性と強度を確保しつつ、タイヤ周辺の空間を極限まで拡大することに成功した。
フレームおよびフォークはISO規格が定めるクリアランス基準(各部4mm以上)を厳格にクリア。泥詰まりのリスクを最小限に抑えている。完成車にはオールラウンドに使える45mmタイヤが標準装備されるが、路面状況やレースの性格に合わせて最大57mm(2.25インチ)までのタイヤを自由にチョイスできる自由度を手に入れた。
太いタイヤを履いても前作より速い 実戦巡航速度35km/hで証明されたエアロダイナミクス

グラベルバイクにおいて太いタイヤを装着すると、前面投影面積が増えて空気抵抗が大きくなるのが物理的な常識だった。しかし、キャニオンの開発陣はその常識をも打ち破ってみせた。
注目すべきは、風洞実験における測定基準だ。一般的なロードバイクのテストで用いられる45km/hではなく、実際のグラベルレースにおいて単独逃げや集団牽引で維持される巡航速度に近い「35km/h」を基準速度に設定して空力性能を検証している。
その結果は驚くべきものとなった。第2世代Grailに40mm幅タイヤを装着した際の空力ドラッグが115.7Wであったのに対し、新型となる第3世代Grailは同じ40mmで110.0W、45mmで109.4Wへと大幅に低減。さらに、55mmという極太タイヤを装着した状態でも113.6Wを記録したのだ。
つまり、「第3世代に55mmタイヤを履かせた状態は、第2世代に40mmを履かせた状態よりも空気抵抗が小さい」という驚異的な結果を叩き出した。フレームヘッド周りからダウンチューブ、フォークブレードの翼断面形状を見直すことで、タイヤが生み出す乱流をフレーム全体でいなし、太いタイヤの走破性とエアロロード並みの巡航性能を高次元で両立させている。

ハンドリング面では、S〜Lの3サイズにおいてヘッドアングルを71.5度、トレール値を69mmに統一。体格の異なるライダーでも一貫した直進安定性と回頭性を味わえる設計とした。スタックは前世代比で15mm低く設定され、より前傾を深めたアグレッシブなレースポジションに対応。ホイールベースは57mmタイヤへの対応に伴い10mm延長されているが、プロトタイプによる幾度ものフィールドテストによって、俊敏なコントロール性を一切損なっていないことが証明されている。
新設計「Control Drops」標準装備 15通りのフィッティングを可能にするPACEテクノロジー

コックピット周りにも、プロの勝利を支えるギミックが満載だ。上位グレードのCFRおよびCF SLXには、工具1本(TX25)で容易にハンドルポジションを変更できる「PACE(Performance Adaptive Cockpit Ecosystem)テクノロジー」が採用されている。
PACEコックピットは、ステム中央の固定部と左右のドロップ部が分割スライドする画期的なモジュラー構造を採用。ステアラーコラムのカットやスペーサーの脱着、油圧ホースのブリーディングを行うことなく、幅を50mm、高さを20mmの範囲で素早く調整でき、1つのコックピットで15通りのポジションセッティングが可能となっている。

そして第3世代では、CFRおよびCF SLXの全モデルに新設計の「Control Drops(コントロール・ドロップス)」が標準装備された。
- バー幅:370mm/395mm/420mm(3段階調整)
- ドロップ量:120mm
- フレア角:17度
- リーチ:スタンダード
グラベルの下りや荒れたシングルトラックで手首の自由度を高め、確実な車体コントロールを可能にする17度のフレア角が特徴だ。
さらに、PACEテクノロジーの恩恵により、別売りのドロップバーに交換することでバイクの性格そのものをガラリと変更することができる。


- Race Drops(レースドロップス):リーチ+10mm、フレア角14度、ドロップ116mm、バー幅350〜400mm。より深い前傾とエアロポジションを重視したロードレースライクな形状。
- Compact Drops(コンパクトドロップス):リーチ−10mm、フレア角8度、ドロップ108mm、バー幅390〜440mm。手の小さなライダーやアップライトな姿勢を好むライダーに最適な形状。

また、全モデルのコックピット中央にはアクセサリーマウントシステム「Gear Groove(ギアグルーブ)」を配置。サイクルコンピューターやライトを強固にダイレクトマウントできるほか、トライアスロンバイク「Speedmax」のテクノロジーを応用した「Canyon GEAR GROOVEエアロエクステンション」をボルトオンで装着可能(重量680g、長さ・高さ・角度・パッド位置の4箇所を調整可能)。アンバウンドをはじめとする200マイル超のウルトラディスタンスレースで、疲労を劇的に軽減しながら巡航速度を維持する頼もしい武器となる。
Cyclite共同開発バッグ、大容量LOADストレージ、VCLSシートポスト
レースでの実用性を高めるストレージと快適性のパッケージも抜かりない。
進化したLOADダウンチューブストレージ

CFRおよびCF SLXのダウンチューブには、ボトルケージ台座下にアクセスハッチを備えた内蔵ストレージ「LOAD」を搭載。第3世代では内部形状を見直して収納容量をさらに拡大。付属の専用スリーブポーチにチューブやタイヤレバー、携帯工具をすっきりと収納できるほか、ハッチ裏側にはCO2ボンベやインフレーターを固定できるホルダーも備えている。
ワンタッチ着脱のCyclite共同開発バッグ


超軽量バイクパッキングブランド「Cyclite(サイクライト)」と共同開発した専用ミッドローダー(フレームバッグ)とトップチューブバッグを用意。完全防水・高耐久な素材を採用し、フレーム形状に隙間なくフィットする。ミッドローダーには画期的なプッシュ式着脱機構が備わっており、工具を使わずに瞬時に脱着が可能。レース中の補給ポイントやピット作業でのタイムロスを極限まで削り落とす。
SP0093 VCLSエアロシートポスト

全モデルに標準装備されるシートポストには、新開発の「Canyon SP0093 VCLSエアロ」を採用。エアロダイナミクスを追求した薄型ブレード形状でありながら、カーボン積層の工夫によって剛性重視の同等シートポストと比較して25%もの振動吸収性(コンプライアンス)向上を達成。長時間に及ぶグラベルライドでの腰へのダメージを和らげてくれる。
Pirelli共同開発の適正空気圧計算機能

太いグラベルタイヤの性能をフルに引き出す鍵は、適切な空気圧管理にある。キャニオンはピレリと共同で、タイヤの変形量約20%を基準とした「適正空気圧計算ツール」を開発し、Canyon公式スマートフォンアプリに追加した。ライダーの体重やコースプロファイル、装着タイヤサイズを入力することで、グリップと転がり抵抗、快適性が最もバランスするピンポイントの推奨空気圧を導き出してくれる。
日本展開は4モデル 機械式完成車35.9万円からフラッグシップCFRまで
日本国内では、フラッグシップの「CFR」から、ミドルグレード「CF SLX」、エントリーレーススペックの「CF」まで計4モデルが展開される。いずれもドイツからの直販方式となり、表示価格は消費税および輸入諸税込みの価格となっている。
Canyon Grail CFR Di2
価格:940,000円(税込・輸入諸税込み)

- フレーム:Grail CFR R093(PACEテクノロジー、LOADストレージ搭載)
- コンポーネント:シマノ GRX Di2(800系、1×12速)
- ホイール:DT Swiss GRC 1100(リムハイト50mm)
- タイヤ:シュワルベ G-One R 45mm
- カラー:Mercury Burst
Canyon Grail CF SLX 8 AXS
価格:779,000円(税込・輸入諸税込み)

- フレーム:Grail CF SLX R094(PACEテクノロジー、LOADストレージ搭載)
- コンポーネント:SRAM Force XPLR AXS(1×12速、パワーメーター内蔵クランク)
- ホイール:DT Swiss GRC 1400(リムハイト50mm)
- タイヤ:シュワルベ G-One R 45mm
- カラー:Monochrome
Canyon Grail CF SLX 7 Di2
価格:619,000円(税込・輸入諸税込み)


- フレーム:Grail CF SLX R094(PACEテクノロジー、LOADストレージ搭載)
- コンポーネント:シマノ GRX Di2(700系、1×12速)
- ホイール:Canyon GR 50 CF カーボン
- タイヤ:シュワルベ G-One R 45mm
- カラー:Metallic Acid、Monochrome
Canyon Grail CF 7
価格:359,000円(税込・輸入諸税込み)

- フレーム:Grail CF R095(Gear Grooveコクピット、Fast Fenders対応)
- コンポーネント:シマノ GRX(600系、機械式1×12速)
- ホイール:Newmen Advanced G.34 カーボン
- タイヤ:シュワルベ G-One R 45mm
- カラー:Clean Slate
サイズ展開はいずれのモデルも2XS、XS、S、M、L、XL、2XLの全7サイズを用意。小柄なライダーから体格の大きなライダーまで幅広くカバーする。
特筆すべきはエントリーモデルとなる「Grail CF 7」のコストパフォーマンスだ。35万9,000円という戦略的なプライスでありながら、軽量なNewmen製カーボンホイールを標準装備。購入したその足で本格的なグラベルレースに参戦できるパッケージングとなっている。
また、別売アクセサリーとして以下のアイテムがラインナップされる。
- Race Drops:46,000円(税込・輸入諸税込み)
- Compact Drops:46,000円(税込・輸入諸税込み)
- Canyon GEAR GROOVEエアロエクステンション:110,000円(税込・輸入諸税込み)※UCI非準拠
キャニオン東京テストセンターで実車展示&試乗プログラムがスタート
新型Grailの発表に合わせ、東京都八王子市の「キャニオン東京テストセンター」では9月17日より実車の展示がスタートしている。さらに、10月1日(木)からは実際のフィールドで性能を体感できる試乗プログラムも開始される予定だ。
最大57mmクリアランスがもたらす走破性と、エアロロード直系の高速巡航性能を併せ持つ第3世代Grail。新時代のグラベルスピードを体験したいサイクリストは、ぜひテストセンターへ足を運んでみてはいかがだろうか。
キャニオン東京テストセンター 試乗概要
- 場所:キャニオン東京テストセンター
- 所在地:〒192-0362 東京都八王子市松木51-7
- 試乗開始予定日:2026年10月1日(木)
- 展示・試乗車両:グレイル CF SLX、グレイル CF
- 営業時間:9:00〜13:00(最終受付12:00)
- 費用:2,500円(税込)
- 予約方法:キャニオン公式LINEミニアプリより要予約(最新のスケジュールは予約ページをご確認ください)
問:キャニオンバイシクルズ・ジャパン https://www.canyon.com/ja-jp/
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