
1×14速無線電動や個性派パーツが集結!ジャパンバイクショー2026の注目プロダクツをレポート
Bicycle Club編集部
- 2026年10月13日
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2026年9月30日(水)〜10月1日(木)の2日間にわたり、東京・江東区の「有明GYM-EX(ジムエックス)」で開催された「Japan Bike Show 2026(ジャパンバイクショー2026)」。一般財団法人自転車産業振興協会が主催する本イベントは、全国の自転車販売店やバイヤー、メカニックなどプロフェッショナルを対象としたBtoBの展示商談会だ。
会場には完成車からコンポーネント、アクセサリー、工具に至るまで最新プロダクツが一堂に集結。世界的な潮流であるアジア系気鋭ブランドの台頭から、驚異的なコストパフォーマンスを誇る完成車、そして熟練サイクリストの好奇心を刺激するユニークなアイデアパーツまで、熱気あふれる会場で見つけた注目のプロダクツをフォトレポートでお届けする。
おいらの:1×14速フルワイヤレス電動コンポ「SENTYEH ECS PRO」&破格の完成車「CAMP」

会場内で人だかりを作っていたのが、新進気鋭のディストリビューター「おいらの」のブースだ。最大のトピックは、国内展開が発表された中国ブランド「SENTYEH(センサー)」のフルワイヤレス電動コンポーネント「ECS」シリーズ。そのなかでもフロントシングル専用のトップグレード「PRO」の実機が展示され、熱い視線を集めていた。

ECS PROは、レバーとリアディレイラー間を無線通信で結ぶフルワイヤレス方式を採用したシステムだ。注目すべきは、リア14速に対応する点だ。14速仕様で使用するためには「UDH(ユニバーサルディレイラーハンガー)」対応フレームと410mm以上のチェーンステー長が条件となるが、エンド幅は一般的な142mmスルーアクスルのままで対応。フリーボディはシマノHGスプラインL規格に対応しながら、トップ10Tを実現した専用スプロケットを装着する。スプロケットは標準版(305g、10-45T)と軽量版(260g、10-44T)の2種類が用意される。
さらに注目したいのは、専用アプリを介して変速段数を3〜14速まで任意に設定できる拡張性の高さだ。既存のシマノ12速スプロケットや8〜11速のドライブトレインを活かした電動化アップグレードにも対応する。左右のブレーキ一体型シフトレバーには外側上下と内側の計3個の変速ボタンが備わり、好みのシフト操作を割り当て可能。リーチアジャスト機能を備え、美しいアルミCNC一体削り出しの対向ピストンブレーキキャリパーなど、細部のビルドクオリティも高い。

リアディレイラーのバッテリーはワンタッチの着脱式で、USB Type-Cポートによる急速充電(20W)に対応。約1時間10分の満充電で約1500kmの走行が可能と公称されている。左右レバー、リアディレイラー、前後ブレーキキャリパーを含むアップグレードキットの予価は9万9880円(税込)という破格の設定で、2027年1月の国内発売が予定されている。

また、同じくおいらののブースで注目を集めたのが中国バイクブランド「CAMP(カンプ)」の完成車だ。ECS PROの国内導入を記念した限定完成車「ACE III ECS PRO 1×14S」は、T800カーボン採用の本格エアロフレーム、一体型バーステム、カーボンディープホイールに1×14速無線電動コンポをフルアッセンブルしながら、なんと39万9960円(税込・50台限定)。さらに、ケーブルフル内装のアルミフレームに油圧ディスクブレーキ、スルーアクスル、シマノ・ソラを搭載したエントリーロード「RADON X(ラドンX)」も9万9880円(税込)で登場した。
丸石サイクル:富士ヒルで大会記録を更新した「FNIX」を参考出品、高機能コミューターも提案

老舗・丸石サイクルのブースでは、中国の新興スポーツバイクブランド「FNIX(フェニックス)」が参考出品された。FNIXといえば、今年のMt.富士ヒルクライムにおいて「FNIX SCOM ヘンシャン・コンチネンタルサイクリングチーム」のヨナス・ラップとベンジャミン・ダイボールがオープン参加ながら大会記録を更新するワンツーフィニッシュを飾ったことで、コアなファンの間で一躍脚光を浴びたブランドだ。
その両選手が駆ったチームエディションのレプリカモデル「KNIGHT(ナイト)」が堂々と鎮座。東レT1000/T800ハイモジュラスカーボンを適所にレイアップしたUCI認証のエアロロードフレームで、ヘッドまわりの完全内装化や極太のBBまわり、Fentax製ディープリムカーボンホイールなど、ワールドクラスの剛性と空力性能をうかがわせる仕上がりだ。

さらに来場者の足を止めていたのが、日常の走りをアップグレードするクロスバイク「XM300」である。7000番系アルミを採用したフレームは溶接痕が美しくスムージングされ、ケーブル類はステム下からスマートにフル内装。フォークにはアルミ製のリジッドタイプを備え、前後スルーアクスル規格を採用している。コンポーネントにはシマノの最新コンフォート系コンポ「CUES」の1×9速(RD-U3020、SL-U4000)をアッセンブルし、フラットマウントの油圧ディスクブレーキを標準装備しながら、参考価格は8万8000円(税込)という高コストパフォーマンスを提示。通勤・通学から週末のフィットネスまで、新世代のスポーツコミューターとして高い完成度を見せていた。
服部産業:3Dチタンの「TINE」やフルカーボン「GEMINI」、噂の「ARISUN」タイヤまで
イタリアの名門「Wilier Triestina(ウィリエール・トリエスティーナ)」を筆頭にプレミアムなラインアップを展開する服部産業ブースでは、マニア心をくすぐるハイエンドな新興サードパーティブランドがずらりと並んだ。

ブース内で強い存在感を放っていたのが、最先端の3D積層造形技術を駆使したチタンパーツブランド「TINE(ティーネ)」。航空宇宙産業グレードのチタン合金を用い、トポロジー最適化設計によって削ぎ落とされた幾何学形状の「3DチタンRDハンガー(ダイレクトマウント仕様)」や「3Dチタンコンピューターマウント」を展示。極限の軽さと高剛性を兼ね備え、複雑な肉抜き構造はメカ好きなら見ているだけでため息が出る美しさだ。ジュエリーケースに収められたチタンボルト類は、美しいアルマイトやオイルスリックカラーが揃う。

クランクまわりでは、スペイン・バルセロナ発のプレミアムコンポーネント「GEMINI(ジェミニ)」のフルカーボンチェーンリング「RIGEL(リゲル)」が出展された。フォージドカーボン特有のマーブル模様が妖艶な輝きを放ち、SRAM RED(スラム レッド)クランクと一体化した展示バイクは威圧的なオーラをまとっていた。

足元では、コストパフォーマンスの高さでSNSを中心に話題沸騰中の新鋭タイヤ「ARISUN(アリスン)」が本格展示された。ドイツの某メガタイヤブランドと同じ製造工場ラインで作られているとされ、実質的な“ジェネリック”として注目を集めている。展示された「STORM」シリーズは220TPIや330TPIという超しなやかなケーシングを採用し、軽量かつ転がり抵抗の低さを予感させるチューブレスレディタイヤだ。

ホイールでは、MICHE(ミケ)の最新フラッグシップ「DEVA RD(ディーバRD)」を展示。VONOA第4世代カーボンスポークとCeramicSpeed(セラミックスピード)製ベアリングを組み合わせ、52mmハイトで1305g、62mmハイトで1375gという際立つ軽さを誇る逸品だ。
TANAX:老舗二輪用品ブランドが放つ自転車用ドラレコ、4Kハイエンドから1万円切りのLiteまで

モーターサイクル用ミラーやツーリングバッグで絶大な信頼を集める老舗「TANAX(タナックス)」は、デジタルガジェットメーカー「AKEYOO(アキーヨ)」とタッグを組んだ自転車専用ドライブレコーダーを大々的にアピールした。

目玉となる「AT-047 AKY-710Lite」は、自転車ユーザーが求める「小型・軽量・お手頃価格」の三拍子を高次元で実現したモデル。2K・27.5fpsのクリアな録画性能、IP66の防塵防水、最長約7.5時間のバッテリー駆動を備えながら、価格は9999円(税込)。マウント部にはGarmin(ガーミン)サイクルコンピューター互換のクォーターターン規格を採用しているため、ハンドルバーはもちろん、サドルレール下部への脱着も極めてスムーズに行える。

さらに上位機種として、ソニー製STARVISセンサーとGPSを内蔵し、速度や走行ルートを同時記録できる4K Ultra HD対応の「AKY-710Pro」もラインアップ。ブースには実際に自転車に前後ドラレコがスマートにマウントされており、昨今の自転車交通トラブル対策や万が一の事故への自衛策として、多くのショップスタッフが熱心に説明に耳を傾けていた。
J.ROAD:前後25gの超軽量スルーアクスルにNo.6ホイール、CRODERのギミックパーツ

マニアックな機能美を持つパーツを取り扱う「J.ROAD(ジェイロード)」ブースには、メカニックやエンスージアストの琴線に触れる高精度パーツが所狭しと並んだ。
ホイールカテゴリーでは、極太のカーボンスポークをダイレクトに組んだ新世代レーシングホイール「No.6(ナンバーシックス)」を展示。極限まで肉抜きされたシルバーのCNCハブシェルに、ターコイズアルマイトのフリーボディが映える。

オリジナルブランド「BLACK VIPER(ブラックバイパー)」からは、前後セットでわずか25gという驚異的な軽さを誇る「超軽量カーボンスルーアクスル」が登場。シャフト本体に東レT700/T800カーボンを用い、ネジ山部分を交換式ヘッド設計とすることで、P1.0、P1.5、P1.75など主要なネジピッチ規格に対応する画期的なアイデア製品だ。また、乱立するヘッドベアリング規格をノギス実測から即座に特定・発注できる「ヘッドベアリング選定システム」と各種リプレイスベアリングも展示され、ショップのメンテナンス現場を強力に支える姿勢を示した。

台湾「CRODER(クローダー)」からは、140〜180mmの範囲でクランク長をミリ単位でスライド調整でき、Qファクターのエクステンダーも備えた「フィッター用クランクセット」や、削り出しの軽量チェーンリング「GEARMATE(ギアメイト)」、高精度BB&アクスルパーツがずらり。ホットチェーンワックス用ヒーターを展開する「CHEPARK(チェパーク)」や、カラフルなDLCコーティングを施した「PYC」の超低フリクションチェーンなど、駆動系のチューンナップアイテムも充実していた。
OGK Kabuto:待望のグロスホワイトが加わったFLEX-AIRと、安全性を底上げした「RECT-2」

国内ヘルメット市場を牽引するOGK Kabuto(オージーケーカブト)は、フラッグシップからデイリーユースまで最新の安全提案を行った。
同社最軽量のフラッグシップとして高い支持を集める「FLEX-AIR(フレックス・エアー)」には、注目の新色がラインアップされた。最大のトピックは、ユーザーの間で昨今急速に需要が高まっているという待望の「グロスホワイト」が追加されたことだ。クリーンで洗練された艶ありホワイトは、バイクのカラーリングやウェアのコーディネートを選ばず、プロチームライクな高級感を引き立ててくれる定番カラー。ブースにはこのグロスホワイトに加え、レーシーなスプラッシュグラフィックなど多彩なカラーが並び、究極の軽さと華やかなルックスの両立をアピールした。

一方、エントリー〜ミドルグレードの大定番モデルとして全面刷新されたのが「RECT-2(レクトツー)」だ。価格は1万1550円(税込)に抑えながら、上位モデル譲りのコンパクトで流麗なフォルムを獲得。従来モデル比でベンチレーション開口部を20%拡大し、夏場でも蒸れにくい通気性を確保した。虫の侵入を防ぐ「A.I.ネット」も標準装備する。

特筆すべきは、YKKと共同開発した新型の「アンチスリップバックル」をあご紐に採用した点だ。走行中の振動や汗によってあご紐が緩んでしまうのを物理的にロックし、常にヘルメットを正しい位置に保持してくれる。さらにヘルメット後部には、キャットアイ製の小型セーフティライト(WEARABLE miniなど)を工具なしでダイレクトに装着できるマウントホールを新設。夜間走行時の被視認性をスマートに高める配慮が施されており、エントリーライダーの安全を底上げする良心的な進化を遂げている。

エイアンドエフ:硬いチューブレスもあっという間に脱着! CushCore「Rotary Tire Tool」

オフロード系アイテムに強いエイアンドエフのブースで、メカニックたちの熱烈な注目を集めていたのが、タイヤインサートの代名詞「CushCore(クッシュコア)」が開発したタイヤ着脱工具「Rotary Tire Tool(ロータリータイヤツール)」だ。
MTBやグラベルロードにおけるチューブレスタイヤの普及に伴い、耐パンク性能やリム打ち防止のためにタイヤインサートを挿入するライダーが急増している。しかし、その強烈なタイトさゆえに「ショップでも腕力を使い果たして指を痛める」という深刻な悩みが、メカニック共通のものとなっていた。

本ツールは、ホイールの中心にあるスルーアクスル穴にセンターシャフトを差し込んで固定支点とし、コンパスのようにレバーアームを外周へ伸ばす構造を採用。アーム先端の専用ローラーとビード落としブレードをリムエッジにセットし、レバーハンドルをぐるりと回すだけで、テコの原理によって驚くほど軽い力でタイヤビードをリムのセンターウェル(中央の窪み)へと落とし込み、タイヤの脱着をわずか数分で完結させてしまう。24〜29インチのホイールまで無段階で素早くサイズ調整可能。タイヤ交換作業のストレスを劇的に解消する、まさに現場目線の“ゲームチェンジャー”と呼べるツールだ。
東京サンエス:スルーアクスル用ワイドリムブレーキやヘッドショック内蔵フォーク

日本人の体格や独自のライドカルチャーに寄り添うオリジナルプロダクツを発信し続ける東京サンエス。同社ブースには、既存の概念にとらわれない刺激的なプロトタイプが並んでいた。

会場を驚かせたのが、OnebyESU(ワンバイエス)の「ワイドオンブレーキ」だ。近年主流となったスルーアクスル仕様のカーボンフォークに、なんとCNC切削のアームを持つキャリパーリムブレーキをダイレクトマウント。パナレーサー・グラベルキングSSの700×40Cというワイドなグラベルタイヤを悠々とクリアするアーチ形状を備えている。ディスクブレーキ全盛の今だからこそ、輪行のしやすさやメンテナンス性のシンプルさからリムブレーキを愛するサイクリストへ、太いタイヤで走れる自由を届けたい——。そんな東京サンエスらしい情熱が具現化された意欲作だ。

さらにグラベルの走破性を拡張するフォークとして「OBS-GGF1.5TH グラベルガードフォーク」(17万9300円/税込)を展示。ステアラーチューブ(コラム内部)に40mmトラベルのヘッドショック機構を美しく内蔵したカーボンフォークだ。フォークブレード自体の外観はすっきりとしたリジッド形状を保ちながら、路面からの不快な高周波振動や段差の衝撃をマイルドにいなしてくれる。700×50Cのウルトラワイドタイヤに対応し、フェンダーやトリプルアイレット(エニシングケージ用ダボ)もフル装備。

そのほかにも、独創的な握り心地を提供する「VENO(ヴェノ)」のマルチポジション・コンフォートバー、シルバーパーツの数々など、トレンドに流されることなく「本当に快適に長く乗れるバイクとは何か」を問いかける深い展示内容となっていた。
最新の変速イノベーションから日々のメンテナンスを救うアイデアツールまで、実用性と知的好奇心が詰まっていたJapan Bike Show 2026。今回展示された注目アイテムたちが今後全国のショップに並び、私たちのライディングをどう変えてくれるのか、期待は高まるばかりだ。
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