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初心者にこそ伝えたい、テント泊に役立つ10のヒント【後編】

前編に続き、初心者向けのテント泊講習会に参加して気づいたり学んだりしたことをまとめました。
これからテント泊を始める人には大いに役立つヒントがいろいろ!

編集◉PEAKS編集部
文・写真◉吉澤英晃

▼ 前編はこちら

初心者にこそ伝えたい、テント泊に役立つ10のヒント【前編】

初心者にこそ伝えたい、テント泊に役立つ10のヒント【前編】

2025年10月03日

Tips 6:調理器具と食器はひとつのクッカーで済ませよう

▲参加者の荷物から出てきたのは、チタン製のコップ、折りたたみ式のコップ、プラスチックの器、チタン製のクッカー。種類があると便利ですが重くなってしまいます。

講習会当日は、各自が持参したテント泊装備を講師の方に見てもらう時間がありました。そこで気になったのが、クッカーの数です。金属製のクッカーにプラスティックの器を用意している人がいて、聞くと、「金属製のクッカーは調理器具、プラスティックの器は食器」と言います。

確かに、普段の食事ではご飯と味噌汁は茶碗、料理は皿によそってご飯を食べます。直接炊飯器からご飯を食べたり鍋から味噌汁をすすったりする人はいないでしょう。ですが、山ではクッカーから直接食べるのが当たり前。調理器具と食器を別々にすると重くなってしまうので、ひとつのクッカーで兼用して軽量化を図ることが一般的です。

▲ラーメンもご飯も、すべてクッカーから直接いただきます。

重くなりがちなテント泊の装備を軽くするには、普段の生活での常識をいったん忘れて、非常識と思われても効率化に努めることを意識してみましょう。

Tips 7:クッカーの数は調理内容によって増減させる

▲プラスティックのコーヒーフィルターは軽量化できる可能性大。食事の内容によってはフタ(右側で手に持っているもの)も不要かも。

クッカーにまつわる話を続けます。

クッカーはセットで売られているものも多く、参加者にもセットのまま持ってきている人がいました。それは問題ないのですが、献立を聞くと「食事はアルファ化米とフリーズドライで済ませるつもりです」と言います。それだとお湯さえ沸かせればいいことになるのですが、持ってきたクッカーは、縦長の大きなクッカーに、フライパンにもなるフタと、大きなクッカーの底に被さるコップがセットになっているもの。ちょっと持ちすぎかもしれません。

▲筆者が普段の山行で使っているクッカーセット。左上:Ti 570FD CUP、右:U.L.Alu.Pot 700、下:ウィルドゥのコップ。場合によってはTi 570FD CUPだけで済ませることもあります。

食事をアルファ化米とフリーズドライで済ませるのなら、極端な話、お湯を沸かすためのクッカーがひとつあれば十分です。フタもコップも要りません。セットになっているクッカーを用意して、なんとなくそのまま持っていこうと考えているなら、軽量化のためにも、ひとまとめになっているクッカーがすべて必要か考えてみましょう。さらにいうと、クッカーを購入する前に食事の内容を考えて、必要な大きさや個数を導き出せるとベストです。

Tips 8:汚れたクッカーの後片付けを考えよう

▲講習会では夜にカレーを調理。山での定番メニューだけど、後片付けはひと苦労。

食事のあとは汚れたクッカーが残ります。普段なら洗剤をつけたスポンジで洗い流すところですが、山のなかではそうはいきません。環境汚染を防ぐために洗剤は使用不可。水は貴重なので好き放題に使えません。キャンプ指定地には水場があることが多いですが、そこで食器を洗う行為も自然を汚さないためという理由からNGです。さて、どうしましょう。

手段はいろいろあり、トイレットペーパーやティッシュペーパーなどで汚れを拭き取る方法がスタンダードといえるでしょう。ただし、これをすると汚れた紙が大量に出ることになり、それがごみになってかさばってしまいます。とくに泊数を重ねると日増しに増えるごみの量に辟易することが多いです。

▲乾拭き用に厚手のキッチンペーパーを少量用意しています。

そこで、講習会で「汚れたクッカーはどうやってきれいにしますか?」と質問されたとき、筆者は「お湯を沸かして汚れを溶かし、それを飲み干します」と答えました。眉間にしわを寄せる読者の顔が浮かびますが、この方法だとごみの量を減らせるし水分も摂れるので一石二鳥なのです。知り合いには固形のコンソメを溶かして味をよくしてから飲むという人もいました。試すか試さないかはお任せします。

Tips 9:モバイルバッテリーの容量を見直してみては

▲モバイルバッテリーはいまや登山の必需品。万が一を考えて大容量のものを持ちたくなるけど、その容量は本当に必要?

参加者のなかには大容量の重たいモバイルバッテリーを持っている方がいました。スマートフォンの使用頻度によっては、何度もフル充電できる容量が欲しくなる気持ちもわかります。

ですが、テント泊装備の軽量化を考えるなら、モバイルバッテリーも軽くしたい。軽いモバイルバッテリーは容量が小さいものが多く、何度も充電できなくなることを考えると、スマートフォンの使用頻度を減らす必要があります。

最近山を登っていて、歩きながらスマートフォンを使っている人が増えたと感じています。講師の方は「スマートフォンを持つ本来の目的は、緊急時に連絡をとるためですよね」と言い、「万が一に備えて、なるべくバッテリーを減らさないように努めたほうがいい」と話していました。

▲以前はもっと容量の大きいモバイルバッテリーを持っていましたが、重さにうんざりしたので容量を減らして軽いモデルに買い替えました。

筆者は山を登っているとき、スマートフォンは機内モードにしてバックパックの中にしまっていることが多いです。地図は紙で見て写真はコンパクトカメラで撮影しているので、使う必要がないのです。なので、モバイルバッテリーはスマートフォンを1回フル充電できれば十分と考えて、必要最低限の容量でなるべく軽いものを選びました。

すごく細かいことですが、軽量化を考えるとスマートフォンの使い方やモバイルバッテリーの容量を見直してみるのも大いにありです。

Tips 10:バックパックは体に合うものを選ぼう

▲無駄を省いたテント泊装備は約10kgに収まりました。

2日間に渡って行われた講習会もこれで最後。テント泊装備を詰めたバックパックを各自が背負って山のなかを歩きました。

すると、参加者のなかに、背負い心地が悪い、肩が痛いという方が2名いました。ふたりの背負うバックパックを見てみると、ひとりはショルダーストラップの位置がとても高く、ストラップと肩とのあいだに大きな隙間ができています。もうひとりは逆にショルダーストラップの位置がとても低く、ストラップで肩が押さえつけられている窮屈な状態になっています。これでは背負い心地がよくなるはずがありません。

どちらのバックパックも背面長を調整できるタイプだったので、長さを直すと見違えるように背負い心地がよくなったと言っていました。ですが、どうしてふたりは背面長を合わせずにバックパックを背負っていたのでしょう? 店頭で調整してもらわなかったのか尋ねてみると、ひとつはレンタル品で、もうひとつはネットショップで買ったものということがわかりました。つまり、だれにも見てもらわずに届いた状態のまま背負っていたというわけです。

▲背面長を調整できるタイプのバックパック。真ん中のスリットを境に背面長が伸び縮みします。

バックパックの背負い心地の良し悪しはモデル名で語られることが多いですが、実際には体に合うか合わないかがとても重要。現に、講習会では複数のバックパックを背負い比べることができたのですが、ひとつのモデルに人気が集まることはなく、好みは人によって分かれました。

さらに、背面長を調整できるモデルで気をつけたいのは、サイズの調整具合によって背負い心地が大きく変わるということです。調整は店頭で知識のあるスタッフに手伝ってもらうのがベストですが、レンタルや通販を利用する人はバックパックメーカーなどのサイトを参考にして自力で行ないましょう。

学びが多いテント泊講習会に参加してみよう!

▲講習会はアドベンチャーディバズが運営する古民家カフェ「沢井マウンテンカフェ」で毎回開催。料理がおいしいと評判です。

取材で参加したテント泊講習会は、東京都青梅市沢井で行なわれた、アドベンチャーディバズが主催する「テント泊ワークショップ」。2日間のスケジュールで、テントの立て方、道具の選び方、パッキングのコツ、軽量化のヒントなどを学ぶことができ、テントに泊まる、スリピーリングバッグとマットで寝る、テント泊装備の重さを背負って山道を歩いてみるなど、リアルな体験を通してノウハウを学べる点が大きな魅力です。

▲講師はアドベンチャーディバズ代表の北村ポーリンさん。カナダ出身の日系3世で、カナダのアウトドア事情など、なかなか聞くことのできないおもしろい話も講義の合間に聞かせてくれます。

アドベンチャーディバズ」はほかにも、地図読み講習会、テント泊ツアー、ロゲイニング大会など興味深いイベントを多数主催中。ぜひHPをチェックしてみてください!

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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