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スポルティバのダウンジャケット「ルミナ・シリーズ」が手放せない|筆とまなざし#445

アルパインクライミング向けに特化したスポルティバらしいアパレル

少し前のことなのだが、オルコから帰ってくると、サポートしていただいている日本用品株式会社からラ・スポルティバの新しいダウンジャケットが届いていた。このダウンジャケットがすばらしく、一度袖を通して以来すっかり手放せなくなってしまった。しばらく使用した経験を織り交ぜて、この新しいダウンジャケットをご紹介したい。

ラ・スポルティバはいわずと知れた登山靴のトップブランド。とくに高所靴や冬靴、クライミングシューズなど、尖ったジャンルでのシェアは圧倒的で、ぼく自身も最初に買ったクライミングシューズはスポルティバのミトスだった。高校生のときに買ったものだからすでに30年近く経っているが、いまでも記念に本棚の上に飾っている。

そんなスポルティバが数年前から本格的にアパレルを展開し始めた。なかでも「アルパインテック・コレクション」はアルパインクライミング向けに特化しており、先鋭的なスポルティバらしさが際立つシリーズである。

そんななかで、今シーズン新しくリリースされたのが、ダウンジャケット「ルミナ・シリーズ」である。ダウン量と形状によって「100」「200」「300」があり、「100」はフードのないタイプで重量わずか170g。いわゆるインナーダウンで夏山や山小屋泊で使いやすい。「200」はフードのついた、年間をとおして使用しやすい汎用性の高いモデル。「300」はシリーズ最厚手で雪山登山にも対応する。

暖かくて、とにかく軽い!

ぼくが普段のクライミングで使っているのは「300」。手が悴むような寒い日でもトライ前の身体をしっかりと温めてくれる、心強い相棒である。一度袖を通すと、弾けそうなダウンの膨らみを体全体で感じ、温かな羽毛にふんわりと包まれる。

このルミナ・シリーズ、手にとって最初におどろくのはその軽さだ。ダウン遍歴はそれほど多くないが、こんなにも軽くて暖かいダウンジャケットは記憶がない。それもそのはず、1000フィルパワーというロフト感の半端ではないダウンを使っていて、生地も非常に薄く、余分なポケットなどが一切ない潔い作り。耐摩耗性に優れた生地とはいえ極薄なため、初めからリペアキットが付属しているという徹底ぶり。ガンガン使って穴が空いたら自分で直してね、というのがクライマーらしくてすばらしい。困るといえば、登るときに取り付きに置いておくと風で吹き飛ばされてしまうこと。とにかくそれほどまでに軽いのだ。

「300」はダブルジッパーなので下からジッパーが開けられる。個人的にビレイジャケットにおいてダブルジッパーはマストだと思っていて、ビレイ時のストレスがなくて大変使いやすい。ヘルメット対応のフードなど、押さえるところはしっかり押さえられたデザインだ。

ちなみに同素材を使ったさらに保温性の高い「スーパークーロワール ダウンジャケット」もあり、厳冬期の登山ならこちらが良さそう。

本格的な冬シーズンを前に、ぜひスポルティバのダウンジャケットをチェックしてみてほしい。

https://www.sportivajapan.com

著者:ライター・絵描き・クライマー/成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ、在住。 山やクライミングでのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作したアトリエ小屋で制作に取り組みながら、地元の岩場に通い、各地へクライミングトリップに出かけるのが楽しみ。日本山岳ガイド協会認定フリークライミングインストラクターでもあり、クライミング講習会も行なっている。

https://www.naruseyohei.com

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PROFILE

成瀬洋平

PEAKS / ライター・絵描き

成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

成瀬洋平の記事一覧

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

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