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夏の北アルプステント泊 はじめの一歩と装備計画⑥「読者モデル2人の装備棚卸し・挑戦ルート計画」編|PEAKS 2026年5月号

今年こそ憧れの北アルプスでテント泊登山に挑戦したいと考えている人へ。本企画は、装備選びに迷い、不安を抱えるすべての人に届けたい特集だ。今回は千葉・習志野市にある名物登山用品店「ヨシキ&P2」にて、PEAKS読者モデル2名がテント泊に必要なギア選びの実践的レクチャーを受けた。夢のような山岳世界への扉は、正しい装備選びと確かな知識が開いてくれる!

文◉福瀧智子
写真◉加戸昭太郎

夏の北アルプステント泊 はじめの一歩と装備計画①「テント泊装備の基本構成」編|PEAKS 2026年5月号

夏の北アルプステント泊 はじめの一歩と装備計画①「テント泊装備の基本構成」編|PEAKS 2026年5月号

2026年04月14日

<教えてくれたのは>

ヨシキ&P2・吉野時男さん

ヨシキスポーツ取締役社長。幼少期から大学までは競技スキーに打ち込み、現在は仕事を含めあらゆる登山スタイルで年間130日近く山に入る。本企画では時男さんと呼ぶ。

<PEAKS読者モデル>

下田 翔さん

職場仲間の誘いで登山を始め、現在6年目。北アルプスを中心に日帰り登山に打ち込んでいたが、テント泊熱が抑え切れず読者モデルに応募。好きなブランドは山と道。

吉野美紀さん

元ワンゲル部で、前穂・奥穂や立山などのほか、海外登山も経験があるが、テント泊は未経験。きっかけづくりに今回応募。使いやすさが一番のモンベル好き。職業は栄養士。

<SHOP INFORMATION>登山者を現場目線で導く「ヨシキ&P2」

千葉県習志野市にある山とスキーの専門店。登山やクライミング、BCスキーなどまで山遊びの道具を網羅し、実践で磨かれた目線で選び抜いたウエアやギアが並ぶ。
通好みの品揃えと確かな提案力で、マニアも唸るお店だ。

住所:千葉県習志野市谷津1-13-17
TEL.047-470-8090
営業時間:11:00~19:00
定休日:火曜日、第2・第4水曜日
アクセス:JR津田沼駅 南口より徒歩約5分
駐車場:なし(近隣にコインパーキング多数あり。商品購入で料金補助もあり)
HP:https://yoshiki-p2.com/

ふたりの装備棚卸し ~買い足すべきもの流用できるもの~

ふたりの現有装備を徹底的にリアル診断。流用とアップデート項目を精査して実践主義「ヨシキ&P2」時男流の視点で再構築!

下田 翔さん

<買い替え>
ULパックは今回は除外。ベアフット系シューズもテント泊登山では足の負担大。キャンプ用ダウン寝袋はかさ張る。

<流用できる!>
レインウエア上下、高効率バーナー、保温ボトル、ヘッドランプ、エマージェンシーキット、トレッキングポールは流用決定。「エマージェンシーキットは本人以外も中身を確認しやすいよう、赤色など目立つ色のポーチに」とアドバイスを受けた。

<購入すべきものはこれ!>
●ミレー/サースフェーNX 50+
¥39,600
堅牢なつくりと安定した背負い心地を両立。縦走からテント泊まで幅広く対応する信頼の50Lモデル

●アゾロ/フレネイEVO GV Men’s
¥47,000
岩稜帯でも安定して立ち込める高い剛性を備えるライトアルパインブーツ。セミワンタッチアイゼン対応

吉野美紀さん

<買い替え>
女性向けに設計された愛用のマムートの28Lパック。テント泊装備を入れるには容量が足りず、買い替え対象に。

<流用できる!>
山小屋利用で北アルプスを歩いているため、登山靴やトレッキングポールなどは問題なく流用可能。「保温・保冷性能が高いサーモスは季節問わず便利。冷たい沢水を汲んでおいて、流水麺で夕飯を作るのもオススメですよ!」と教えてもらった。

<購入すべきものはこれ!>
●オスプレー/オーラAG 50
¥53,900
女性専用設計で体に沿う高いフィット感を実現。背面メッシュ構造で通気性にも優れ、重荷でも快適に背負えるモデル。

2人共通の購入すべきもの

【ダブルウォール】
●アライテント/SLソロ
¥63,800

ダブルウォールながら約900gの超軽量設計。過酷な稜線でも安心感の高い、メイドインジャパンの信頼の山岳ソロテント

【自立式ツエルト】
●プロモンテ/UL-10 3S
¥59,400

最小重量680g。テント泊に慣れたあとの次なる選択肢となる、驚異の軽さを誇る超軽量自立式シェルター。前室付き

●モンベル/シームレスダウンハガー800 #3
¥29,500

シームレス構造で保温性を高めた800FPの高品質ダウンの寝袋。軽量かつ高い収納性を備え、夏の北アルプスのテント泊に適した安心の一枚だ

【エアマット】
●マジックマウンテン/デナリベース・ショート
¥20,900

内蔵した熱反射ポリエチレンフィルムの効果で地面からの冷気を遮断する、人気の軽量ショートエアマット

【クローズドセル】
●ヨシキ&P2/Y.S.ウルトラライトスリーピングマット100
¥3,080

超軽量&コンパクトを実現した携行性に優れるウルトラライト仕様。縦走に適したヨシキ&P2オリジナルマット

読者モデル2人のコメント

<下田 翔さん>
SNSの情報やキャンプ経験からテント泊も大丈夫と安易に考えていましたが、今回直接ギアや食事などのアドバイスをいただき、専門店で知識のある方のから話を聞くことも大切だと改めて感じました。時男さん個人のテント泊山行がワイルドすぎて、その話もおもしろかったです!

<吉野美紀さん>
テント泊に憧れていましたが、なにから始めればよいか、なにを揃えればよいのかわからなかったので、大変勉強になりました。快適性と軽量化、どちらを取るか悩ましいですが、せっかくのテント泊なので快適性を優先し、山でテントで眠る魅力に浸かりたいと思います!

ふたりの挑戦ルート ~学びを力にこの夏いざ本番へ~

じっくり吟味し選び抜いた装備を背にこの夏は北アルプスを目指すふたり。その挑戦に向け、準備はいよいよ最終段階へ。

下田 翔さんのルート

黒部源流の楽園「折立~雲ノ平」

<魅力>
折立は富山県側から入る北アルプスの主要登山口。樹林帯から稜線、薬師沢の深い谷を経て、雲上の庭園のような雲ノ平へと至るダイナミックな縦走路だ。穂高のような高度な岩場は少なく、技術的難易度は高くない一方、体力が求められる。「景色のスケールが大きく、歩くほどに表情が変わるのが魅力」と時男さんもイチオシ。水場やテント環境も整い、北アルプスとして挑戦しがいのあるルートだ。

<初心者の注意点>
折立から雲ノ平までは行程が長く、累積標高差もある体力勝負のルート。初心者は薬師峠キャンプ場で1泊する計画が現実的だ。また、薬師沢から雲ノ平への急登は岩や苔で滑りやすい。樹林帯を抜けると日差しも強く、稜線は風と寒さにさらされる。「防寒着とレインウエアは必携です。初心者は食料を軽量化し、水は太郎平や薬師峠で補給などの工夫を」。混雑期は早着も心がけたい。

吉野美紀さんのルート

立山の奥座敷「室堂~五色ヶ原」

<魅力>
黒部立山アルペンルートを利用して歩く室堂から五色ヶ原へは、立山火山の溶岩台地に池塘が点在し、夏は高山植物が咲き乱れる“天空の楽園”を進むルート。立山連峰から後立山連峰、槍穂高まで望む大展望がつづき、景色の変化も豊かだ。「ずっと絶景のなかを歩ける贅沢なコースが延びています。五色ヶ原キャンプ場は水場やトイレも整い、初心者でも安心してすごせる環境が整っています」

<初心者の注意点>
室堂~五色ヶ原のコースタイムは標準で5~6時間だが、実際には7時間以上かかる例もあり、累積標高差も大きい健脚向けのルート。ザラ峠や獅子岳周辺はザレた急下降がつづき、慣れないテント泊装備では不安を感じやすい。夏でも雪渓が残る年があり、滑り止めが必要な場合も。「稜線は遮るものがなく、日差しと風への備えも重要です。気温差も大きく、防寒対策は万全に」。

事前にしておくとよいこと3

1.山行計画とテント場情報をしっかり調べておく
テント泊は「装備があればOK」ではない。ルートの距離や標準コースタイム、水場の位置、テント場の設備や予約の有無、行動時間の見積もり、撤退ポイントまで事前に確認を。余裕を持った行動計画を立てておくことが安全への第一歩。

2.パッキング+歩行練習で装備の重さに慣れておく
テント泊装備を実際に詰め、想定重量のまま近所の低山や階段を歩いてみよう。重さのバランスや揺れ、肩や腰への当たり具合を事前に体感し、パッキングの基本も確認。重さに慣れておくと本番の歩行ペースが安定し、疲労も軽減される。

3.テントの設営・撤収を事前に練習しておく
テント泊のトラブルでもっとも多いのが基本操作の不慣れ。いきなり本番に持ち込まず、自宅やキャンプ場で設営・撤収の練習を。ポールの通し方やペグ打ち、フライの張り具合を体で覚えておけば、風や雨のなかでも落ち着いて対応できる。

読者モデルの素朴なギモン

【Q】アウターなど装備が雨で濡れた場合、テントでどう乾かしますか?

【A】水分をタオル等に分散して、翌日また着られる状態にします。
濡れたまま放置せず、衣類をタオル等で拭いたり巻いたりして水分を分散し、翌日また着られる状態にします。テントのなかで完全に乾かない場合は、翌日天候がよければ着用して行動開始。体温や風で乾くことが多いです。

Photo / T.Okano

雨で濡れてしまったウエアやギアは、雲間から差す陽光と風で乾かすことも。山では太陽と風が頼もしい味方だ。

【Q】着替えはどの程度必要ですか?

【A】行動着と着替えで基本は合計2着。翌日も同じ行動着を使います
着替えは、行動着とは別に予備を1式持てば十分です。汗や冷えに備えるためのセットで、翌日も行動着を使います。増やしすぎると荷重がかさむため、速乾素材を活用しつつ最小限に抑えましょう。帰路やお風呂上がりの着替えに兼用できれば効率的です。

 

※この記事はPEAKS[2026年5月号 No.177]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

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