
【神保町】古書店・鳥海書房で見つける植物にまつわる本|図鑑・写真集&雑誌編
ランドネ 編集部
- 2026年09月07日
INDEX
山へ行かない日、植物に思いを馳せるなら、書店へ。知らない植物や意外な生態に出会えば、山の植物がもっと好きになるはず。東京・神保町の古書店で、植物の本を探してみました。
教えてくれたのは、神保町の古書店「鳥海書房」
鳥海書房 鳥海 洋さん
「神田古書センター」3階。植物・動物・釣り・食物の本を、江戸期和本から最新刊まで揃える。鳥海さんは考古学専攻から江戸の動植物に魅せられ、家業を継いだ。

住所 東京都千代田区神田神保町2-3
TEL 03-3264-4450
営業時間 平日10:00〜18:30、日曜・祝日11:00〜17:30
定休日 年中無休(年末年始除く)
図鑑・写真集
草花を見分け、生態を知りたいときに頼りになるのが図鑑と写真集。図鑑は、古いものほど細かな分析データまでびっしりと載っている場合もある。
高山植物を知るならこの一冊!
1987(昭和62)年に初版刊行。800ページ超のボリュームで、生育環境がよくわかる美しいカラー写真とイラストとともに、各高山植物の細やかな解説を収録。日本種、外国種ともに相当数を網羅し、現代でも十分に役立つ。
原色高山植物大圖鑑
小野幹雄、林 弥栄 監修
北隆館

定番図鑑をバックパックに
『原色高山植物大図鑑』を底本に、その内容を再構成したコンパクト版。底本のB5判に対し、ふた回りほど小さなB6判。持ち歩きやすく、バックパックに入れておけば、気になった花をすぐに調べられるのがうれしい。
原色高山植物図鑑
Ⅰ コンパクト版11、Ⅱ コンパクト版12
小野幹雄、林 弥栄 監修
北隆館

山の花を広く知りたい人にはこちら
山が好き、という「牧野富太郎博士のことば」から始まる本。ルビ付きで、理解しやすい文章で花々が紹介されている。目的の植物を調べるのに便利な図鑑に対して、こちらは幅広い植物を知るのに便利。挿絵もわかりやすい。
牧野富太郎植物記3 山の花
佐竹義輔 監修/中村 浩 編
あかね書房

憧れの飯豊連峰を写真と文で
1981年刊行。広大な稜線やお花畑、雪景色が美しい飯豊連峰のさまざまな表情を収めた大型の写真集。花の写真も豊富で、読みごたえがある。初版は二重函入り(本を入れる内函と、保護する外函の構成)の装丁で豪華。
写真集 飯豊連峰 山と花
小荒井実 写真・文/藤島 玄 監修
誠文堂新光社

名図鑑に秘められた牧野富太郎の人間ドラマ
植物学者・牧野富太郎氏と、前ページの『普通植物図譜』を手がけた村越三千男氏。かつてふたりは組んでさまざまな図鑑を世に送り出したが、やがてライバル関係に。そんな牧野氏と周囲の人の歩みや人柄、葛藤を描いた一冊。
牧野植物図鑑の謎
俵浩三 著
平凡社

大きな写真と読みやすい文章で高山植物を広く知る
東京大学の附属施設・日光植物園の技官だった久保田秀夫氏と、写真家の会田民雄氏による一冊。ページの半分以上に写真が大きく掲載されており、花や葉の特徴がわかりやすい。ぱらぱらとめくるだけでも新しい発見がある。
原色 高山の花
保田秀夫、会田民雄 著
家の光協会
▲絶版となった本もいろいろ発掘できます
雑誌・その他
マニアックな専門誌や植物をめぐる随筆など、図鑑や写真集にはない切り口で、草花の世界を覗かせてくれる本を紹介。データだけでは出会えない味わいがある。

▲多彩な雑誌のバックナンバーが揃っています!
好きな植物を特集した雑誌を探すのも楽しい
1962〜1990年に発行されていた園芸雑誌。専門性の高い特集が特徴。ときどき山の植物に関する特集を行なっていたようで、鳥海書房では大雪山の高山植物を紹介する号(1972年発行)を発見。おすすめルートの紹介も。
ガーデンライフ
誠文堂新光社


植物の呼び名にも地域差あり
おなじ植物でも、土地によって違う名で呼ばれていることが意外と多い。本書は、そんな各地の呼び名を一冊にまとめたもの。なぜそう呼ばれるようになったのか、その背景を考察するのも楽しいひととき。
日本植物方言集[草本類篇]
本田正次、佐藤達夫、松田 修 監修/日本植物友の会 編
八坂書房


小屋番による花の物語
霧ヶ峰の「ころぼっくるひゅって」を営んでいた手塚宗求氏の一冊。高原の花々に寄せる著者の思いや、人との交流、季節の移ろいをつづった一冊。図鑑とは異なり、暮らしのなかに花が息づいているようすを味わえる。
高原の花物語
手塚宗求 著
恒文社

山の特集は、山岳雑誌の外にも
1973〜1993年に発行されていた雑誌。自然史をテーマとして、幅広い動物の生態や自然観察、ネイチャーフォトを特集していた。ガーデンライフと同様に、山にまつわる特集もいくつか発見。写真の一冊は、1989年発行号。
アニマ
平凡社

【コラム】古書店の楽しみ方
ニッチで深い本を見つけよう
多くの古書店はそれぞれに専門分野をもつため、一般の書店では出会えない本が揃う。鳥海書房には、うどん・そばの本だけでもずらり。技術はもちろん、俳句や唄から味わう一冊まで、切り口がさまざまでおもしろい。

元の持ち主の痕跡があるかも
取材中、スミレの本に、スミレの押し花がそっと挟まれているのを見つけた。手書きのメモが残されていたり、余白に書き込みがあったり。前の持ち主が本とすごした時間ごと受け継げるのも、古書ならではの醍醐味。

昔のトレンドに思いを馳せる
1980年代に発売された雑誌内で、自然観察登山に役立つ便利グッズを集めたページを発見。当時ならではのトレンドや、懐かしいアイテムが顔を覗かせる。最新の道具と比べながら、その移り変わりをたどってみては。

植物にまつわる本は、まだまだたくさん。一枚の絵として愛でる「植物図譜」で見つけた本は【植物図譜編】でご紹介。特集の全ラインナップは、ランドネ 2026年8月号 No.144でチェック!
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ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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