
都市からフィールドへのラウンドトリップ。各務原アルプスと「アークテリクス 名古屋ブランドストア」を訪れる1日旅
PEAKS 編集部
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束の間の休日に、ふと思い立ってやってきた名古屋の街。
それは、行ってみたいと思っていた場所を訪れるデイトリップを楽しむため。
都市を起点としてフィールドに繰り出し、ふたたび都市へと戻る——ふたつの空間を行き来するラウンドトリップの1日旅へ、さあ出かけよう。
文◉PEAKS
写真◉吉本悠哉
衣装協力◉アークテリクス

ケンスタ|登山の魅力を等身大で伝えるアウトドアクリエイター。「初心者でも楽しめるアウトドア」をコンセプトに、登山の知識やスキルを学ぶアウトドア企画「山学(さんがく)」を主宰。親しみやすい動画をとおして、自然への一歩を踏み出すきっかけを広く発信している。今回はアークテリクスのウエアとギアに身を包み、名古屋の都心部から岐阜県にある各務原アルプスへと、都市とフィールドをボーダレスに行き来するデイトリップに臨む。(Instagram:@ken__studio)
“モーニング”からはじまる名古屋の朝。都市を出てフィールドに向かうひととき
深夜にポツポツと降っていた小雨は、今朝には止んだらしい。昨日、今日とやってきた束の間の休日。アウトドアクリエイターのケンスタは、昨夜ふと思い立ち、荷物を詰め込んだバックパックひとつだけで名古屋にやってきた。というのも、名古屋からほど近いロケーションにある、とあるフィールドに行ってみたいと思っていたから。
用意してきたウエアに着替え、身支度を進める。「長く歩く一日になりそうだな、今日は」。そんなことを思いながらハイキングシューズに足を入れ、紐を結ぶ。バックパックを背負い、宿を発った。
まず目指すのは、老舗の喫茶店。早起きをしたつもりだったが名古屋の朝はもっと早く、開店直後のその店前にはすでに列ができている。「お店でゆっくりしたいところだけれど……」——そう、今日はファストに動き回る一日。この土地に根づくモーニング文化を肌で感じながら、ホットブレンドコーヒーとフードをテイクアウトし、ふたたび街に出た。

フードは、小倉バナナサンド。がぶりと口に含み、次いでコーヒーをひと口すする。雨上がりで少し肌寒いなか、コーヒーの温かさがうれしい。朝の活力を得て、体が目覚めていくのを感じる。

朝食を終えたその足で、ケンスタは目的地へと歩みを進めた。せわしない朝の時間帯。人々が縦横に行き交うターミナル駅、名古屋駅から鉄路を行く。
電車は一路、北北東へ。背の高いビルは徐々に減り、車窓には住宅街と田畑が広がってくる。小一時間ほど揺られ、電車は終点に到着した。天気は相変わらずの曇り。でも、そのお陰で暑さにうだることなく山時間を満喫できそうだ。予報によれば、雨ももう降らない。バックパックを背負いなおし、駅を出る。
住宅街のなかを歩いて標高を上げていくと、ふと目的地のフィールドが視界に現れた。

「各務原アルプス」——。岐阜県の各務原(かかみがはら)市と関市、岐阜市との境界に稜線を延ばす、標高350m級の山々はそう呼ばれる。尾根は東西方向へと続き、縦走コースはおよそ15km。
「鉄塔が立っているってことは、あそこだな」。ひとつ奥の尾根に鉄塔が1本立っている。これが今日のルートの最高地点、標高380mの明王山。まだまだ先は長そうだ。

山に向かって歩き進んでいると、石畳の道に出た。歴史のにおいがする。ヒントを求めて右や左を見てみると、歴史案内板を発見。そこには「中山道」と「うとう峠」という文字が。どうやらこの道は、江戸と京都を結んだ五街道のひとつ、中山道のようだ。
しばらく歩いていくと古道の石畳は途切れ、トレイルに移り変わった。ところどころで登山道の道標や、お手製感のある案内標識に目が留まる。よく整備され、踏みならされているトレイルをたどり、徐々に標高を上げていく。
シダのトンネルを抜けて大展望の山頂へ!各務原アルプスを全身で味わう山タイム

雨に濡れそぼった木立の間を抜けてゆく、気持ちのいいトレイル歩きが続く。すると前方にやや開けた、明るいところを見つけた。それは、シダが繁茂しているスポットだった。
まるで“シダトンネル”。雨を浴び、かしげた枝葉がトレイルに垂れかかっている。曇天は相変わらずだが、先ほどまでの鬱蒼とした森とは対照的な、心地のいい暗がり。「なんだか、祝福や励ましを受けているような、そんな感じだ」——こころ動く、美しい光景を前にして自然と笑みがこぼれる。
しかし“シダトンネル”を抜けた先で待ち受けていたのは、手のひらを返したかのような急登。グングンと登高し、標高を一気に稼いでいく。暑さにたまらずウインドシェルを脱ぎ、水分補給。それからはひと息に登りを詰めていくと……頭上を覆っていた木々の枝葉がまばらになり、展望が開け、大きな鉄塔が現れた。「明王山の山頂だ!」

正直、この曇天のなかだから展望はどうかな……と期待はあまりせずにいた。でも、どうだろう。南方を眺めると、濃尾平野を東から西に悠々と流れる木曽川、奥の方には名古屋の都心部にそびえる高層ビル群を見渡せる。2~3時間ほど前にいた場所だ。目を凝らすと、天守が国宝に指定されている犬山城も発見できた。この地域ならではの景観を前にして、都市とフィールドの近さを感じる。
北側を眺めると、しめ縄のように太く連なった厚い雲の上に、大きな峰がひとつ空を突いている。「あの大きな山は……御嶽山だ」。
濃尾平野のところどころから眺められるという、名峰の姿も垣間見ることができた。いい意味で期待に反した大展望。しばしのリラックスタイムののち、準備を整えてふたたび歩き出す。

息づく信仰、伝わる文化を知る——。都市とフィールドのあわいを歩く

明王山から八方山、迫間山と短距離のプチ縦走を楽しんだ後、下山路をとり標高を下げていくと、やがてトレイルは舗装路に移り変わった。ここは、平安時代の823年創建と伝わる「迫間(はさま)不動尊」の参道。今日2回目となる石畳歩き。整然と整備されたそのたたずまいから、地元の人々に親しまれているという信仰の場のありようが伝わってくる。そういえば、トレイルを歩いている最中にも、地元の方と思しきハイカー数人とすれ違ったことを思い出す。
そうだった、この山々は「各務原アルプス」——親しみを込めた愛称が付けられたご当地アルプスなのだから、“地元愛され山”に違いない。そんな感慨を抱きながら、市街地へと下るロードを進んでいく。


道中、道端に目をやると道標が。そこには「東海自然歩道」と記されている。東海自然歩道とは、東京の高尾から大阪の箕面までの約1,200km、11都府県にまたがって1974年に開通した、日本における長距離自然歩道の第1号。ロングトレイル旅へといざなうロマンを感じながら、ロードを伝ってさらに下っていく。
市街地に出てしばらくすると、歴史ある街並みの通りに行き合った。案内板によれば、ここは「鵜沼宿(うぬまじゅく)」と呼ばれているようだ。街並みの一角にある「町屋館」に立ち寄ると、ボランティアガイドの可児(かに)さんにお話を聞くことができた。
鵜沼宿は、アプローチの際にその一部をたどった中山道上の、江戸・日本橋から数えて52番目の宿場町で、かつては松尾芭蕉や伊能忠敬も立ち寄ったことのある歴史ある場所だという。いまは「町屋館」となっているこの建物も、江戸時代には旅籠だったそう。人々が行き交い、各地の特産品が東西に運ばれた往時の活気を想像しながら、可児さんの説明に聞き入った。

鵜沼宿に別れを告げ、お昼ご飯をいただくべく訪れたのは、鵜沼宿近くにある「ホカルノコーヒー」。
ランチメニューのどれにしようか悩みどころだが、お肉の定食ランチをオーダーする。しばらくののち、お待ちかねのランチプレートが運ばれてきた。「さあ、いただきます!」
スピーディに行動した今日のルートも、かれこれ11kmほど歩き詰め。さすがにお腹が減っている……。そんな気ではなかったが、いつもよりハイペースで食べ進めてしまった。食後のホットアメリカンコーヒーでひと息つき、帰路に就いた。
フィールドから都市へと回帰。行ってみたいもうひとつの場所へ

電車に揺られ、名古屋へ。ケンスタには名古屋でもうひとつ、行ってみたい場所があった。
名古屋最大の繁華街・栄の中心地にオープンした「アークテリクス 名古屋ブランドストア」。移転前はここからもほど近い場所に路面店として構えていたが、6月11日にグランドオープンしたラグジュアリーモール「HAERA(ハエラ)」2階に増床移転オープンした新ストアだ。
中に入ると、トップメゾンや名だたるラグジュアリーブランドがストアを構えるモールだけあって、とてもゆとりのある空間設計がなされている。エスカレーターに乗って2階に上がると、始祖鳥をモチーフにしたアークテリクスのブランドロゴが目に入ってきた。

ストアに入る前から感じるのは、その広さ。店舗面積は364㎡で、前ストアより27%拡張されている。“ワンフロア”のため横方向に十分な広がりがあり、空間に十分なゆとりを感じられる。


ストアに一歩踏み入っても、実際に感じられるのはワンフロアゆえのゆとりあるスペース感。余裕のある陳列幅でプロダクトが整然と並び、フロアをはじめ、ベンチやテーブルといった什器には木材を用いているため温かみがある。柱や壁面といった垂直方向には一転、グレー基調の岩を模した意匠などが施され、クライミングギアの製造・販売から始動したブランドのDNAを感じさせる。
上方向への抜けも感じられ、天井高はおよそ4m。横方向の余裕に加え、この上方向への余裕のあるスペース感も、ゆとりある印象に間違いなく作用している。ところどころに配された観葉植物という“緑”の要素も、その印象を手助けしているのだろう。
ゆとりある動線設計の新ストア。装いも新たになった「アークテリクス 名古屋ブランドストア」

ライティングの基調は暖色系。ブランドのフルラインナップを見て回ることができ、ブランドを代表するプロダクトであるハードシェルジャケット「アルファ SV ジャケット」もその例に漏れない。
メンズとウィメンズのアパレルエリアはシンメトリーに配され、フットウエアやバックパック、小物&クライミングギアのエリアと、スペースはカテゴリーごとに大まかに3分割されている。ゆとりのある空間でじっくり選べるのもうれしい。
モールのラグジュアリーな雰囲気は、フィッティングルームも踏襲。室数はあえて2つに抑え、それぞれに三面鏡を設置。心理的なゆとりを感じながら、大切な一着を吟味することができる。また、ブランドの歴代プロダクトを紹介するアーカイブパネルや、始祖鳥の化石標本のレプリカなど、随所に散りばめられたビジュアルを見つけるのも楽しい時間だ。

およそ10年前の2017年、国内4店舗目、路面店としては3店舗目のブランドストアとしてオープンした「アークテリクス 名古屋ブランドストア」。アークテリクスが日本国内で本格展開されはじめた、その始動期の空気感を受け継ぐブランドストアが装いも新たに生まれ変わった。
名古屋を訪れる際には、ぜひ立ち寄り、そのラグジュアリーな空気感を感じてみよう。

■ストア情報「アークテリクス 名古屋ブランドストア」
- 営業時間:HAERAの営業時間に準ずる(基本的に10:00~20:00予定)
- 所在地:愛知県名古屋市中区 錦3丁目 25-1 HAERA 2階
- 店舗面積:364㎡
- 取り扱い:パフォーマンスアパレル/フットウェア/バックパック/アクセサリーなど
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。



















