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【2026年版】「北アルプス混雑回避ガイド」快適に利用するために知っておきたい|PEAKS 2026年9月号

夏から秋にかけて、多くの登山者でにぎわう日本有数の人気エリア・北アルプス。「小屋泊じゃなくてテント泊だからゆっくりすごせる」という考えは要注意だ。近年のテント泊人気とともに、各テント場の混雑も目立ってきた。北アルプスのテント場で混雑を回避するための基礎知識を確認しておこう。

文◉編集部 Text by PEAKS

テント場の予約制度とは?予約制と先着順の違いを知っておこう

近年のテント泊の人気の高まり、さらに2020年からのコロナ禍を経て、一般的になってきたのがテント場の予約制度。設営スペースが少なく、さらに人気のテント場を中心に導入されているが、人が多く集まるテント場でも予約制ではなく、先着順のところもめずらしくない。ある山小屋では「予約制にして最適な設営数に絞っても、利用者のテントのサイズによっては張りきれなかったり、逆に余裕が出てしまったりすることもある」という事情があるなど、各テント場で最適なオペレーションが異なるためだ。この記事ではテント場利用時の注意点を、基本的なことから個々の話まで紹介していく。快適なテント泊を楽しめるようにしっかり準備しておこう。

STEP1 予約が必要か確認する

人気のテント場は早めに予約する

大前提として確認しておくべきなのが、テント場の予約が必要かどうか。たいてい管理している小屋のホームページに記載があり、WEB上で予約状況がわかることも多い。ただ、人気のテント場の場合、連休が絡むタイミングなどは予約開始からすぐに予約が埋まっていくので、予定がある場合はなるべく早くチェックしておこう。なお、「予約していなくても張らせてもらえるかも……」と思って向かうのは厳禁。状況によっては特別な対応をしてくれるケースもあるかもしれないが、基本的には利用できないと思っておくべきだ。

大人気の燕山荘のテント場は40張程度と、設営数はあまり多くはない。このように設営数に対して登山者が多く訪れるテント場は予約制のところが多い (Photo by Koichi Yamamoto)

STEP2 予約不要なテント場の状況を調べる

タイミングによっては設営が厳しいことも

意外と気をつけないといけないのが、予約不要のテント場。混雑する時期でも比較的ゆとりのあるテント場もあれば、設営場所がほぼなくなるような大人気のテント場もある。混雑状況を把握するためには、事前に登山者の山行記録などをチェックするか、わかりにくい場合は管理している山小屋に確認しよう。なお、涸沢、雷鳥沢、剱沢などの大きなテント場はどこも予約不要で、時期によっては非常に混み合うが、キャパが大きいだけになんとか張れるということが多い。だが、快適に利用するためには混雑時期を避けるようにしたい。

混み合う槍・穂高周辺でも、比較的混雑しにくいのが北穂高小屋のテント場。混みそうな場所でも意外と利用しやすいところもあるので事前に調べておこう (Photo by Doryu Takebe)

STEP3 混雑を避けるためのプランを考える

混雑日をずらせば快適に楽しめる

予約不要な人気のテント場を利用する場合、到着時間が遅くなると設営場所の条件がどんどん悪くなってしまうので、早めの到着を心がけよう。だが、無事に設営できたと思っても、状況次第で張り直しが必要になったり、隣が近すぎて落ち着かなかったり、さまざまな不測の事態が起きることもある。ベストは、土曜泊など混雑する日を1日でもずらすこと。土日が絡んだとしても、それで混雑はだいぶ緩和される。もちろん休みの都合などでそれが難しいことも多いが、その場合はなるべく混雑しにくいテント場を選ぶようにしよう。

混雑の代名詞ともいえる紅葉の涸沢でも、混雑日を避ければこれだけゆったりテントを設営することができる。ここぞという日は、積極的に休みを取ろう! (Photo by Maribe)

予約不要な人気テント場の混雑状況

予約不要で人気の高い北アルプスのテント場は、時期や到着時間によって混雑状況が大きく変わる。槍ヶ岳山荘や穂高岳山荘など、代表的な7つのテント場について、設営数の目安や混雑時の注意点、万一のときの代替プランを紹介する。

TENT SITE 1 槍ヶ岳山荘

(Photo by Taro Muraishi)

稜線のため設営数は約40とそこまで多くはないが、槍ヶ岳を目指して多くの登山者が訪れるため非常に混雑しがち。混雑する時期は午前中の早めの時間からテント場がいっぱいになることも。混み合うことが予想される場合は、東鎌尾根からであればヒュッテ大槍、槍沢からであれば殺生小屋あたりで槍ヶ岳山荘に電話をして混雑具合を確認し、状況次第で殺生小屋にテントを設営するようにしよう。飛騨沢から登る場合は、槍平小屋にテントを設営して最小限の荷物で槍ヶ岳を往復するというのもおすすめ。また、槍ヶ岳を経て大キレット方面に向かうのであれば、南岳小屋を利用するプランも検討しよう。

殺生小屋のテント場は設営数80 ~100張程度と、槍ヶ岳山荘に比べ余裕がある。槍ヶ岳山荘までは約40分 (Photo by Taro Muraishi)
槍平小屋のテント場は約60張設営が可能。稜線ほどは風の影響を受けにくく、テント泊ビギナーにもおすすめ (Photo by Maki Matsumoto)

TENT SITE 2 穂高岳山荘

(Photo by Maribe)

約60張と設営数はそれなりだが、混雑時はキャパを大きく超える登山者が訪れることも少なくない。状況次第では設営場所の条件があまりよくないことも。土曜日や連休など事前に混雑が見込まれるときは早めの到着を目指し、到着が遅くなりそうな場合は涸沢を利用するなど、別のプランも想定しておきたい。

TENT SITE 3 西穂山荘

(Photo by PEAKS)

設営数は30張で、タイミングによっては非常に混雑する。設営場所の区分けがなくテントのサイズによって設営できる数が変わるので、テントはなるべくスペースを取らないもの、またペアやグループであれば共同装備でテントを減らすのがベスト。小屋に聞けば混雑状況を教えてくれるので心配な際は確認を。

TENT SITE 4 岳沢小屋

(Photo by Maribe)

設営数は30~40張程度。設営場所に余裕がなく、混雑時は設営自体が難しいこともあるので注意が必要。上高地から近いからと油断せず早めの到着を目指し、到着が遅くなりそうな場合は上高地の小梨平キャンプ場の利用も検討しよう。遅めの到着が見込まれ混雑状況が気になる場合は、小屋に電話をすれば確認できる。

TENT SITE 5 蝶ヶ岳ヒュッテ

(Photo by Yuzuki Ogaki)

槍・穂高の展望がよい人気のテント場だが、設営数は約30張とあまり多くない。連休や天気がよい日などは非常に混み合い、設営場所に余裕もないので、利用したい場合は早めの到着を。登り始めると混雑時に別のテント場へ退避することが難しい場所なので、混み合う時期はできれば日程をずらすのを推奨する。

TENT SITE 6 針ノ木小屋

(Photo by Keita Ohori)

設営数は20 ~30張。連休や土曜日などは非常に混雑し、午前中からスペースが厳しくなることも。利用者が多すぎて張れないというケースはほとんどないが、設営場所の条件は悪くなっていくので早めの到着を推奨。1泊で来る人も多い場所で土曜は安定して混むため、なるべく土曜の利用は避けたほうがベター。

TENT SITE 7 太郎平キャンプ場

(Photo by Koichi Yamamoto)

設営数は4人用テントで100張程度。比較的広めだが、薬師岳、雲ノ平、黒部五郎岳への中継地点となるため夏や秋の連休は非常に混み合う。到着が遅くなると設営場所の条件が悪くなるので、早めの到着を。区分けがないので多くの人が張れるように、テントは省スペース&少ない数にまとめるのを推奨する。

 

※この記事はPEAKS[2026年9月号 No.180]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
※最新の情報を直接ご確認の上ご計画ください。

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