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ヴィットリア「コルサネクスト」試乗レビュー|“コルサか、それ以外か”の溝を埋めるミドルグレード

ヴィットリアのロードタイヤは長らく「コルサか、それ以外か」だった。コットンケーシングのコルサが放つ独特の走りと、その下のナイロンケーシングモデルとの間には、埋めがたい性能差があったからだ。その溝を埋めるために送り出されたミドルグレードが、ヴィットリア史上初めてナイロンケーシングで「コルサ」を名乗ったコルサネクストである。28Cのクリンチャーを実走した結果を、自転車ジャーナリスト安井行生さんがお伝えする。

ヴィットリアの「コルサか、それ以外か」という歪なラインナップ

ヴィットリアといえばコルサである。

コットンを配合したコアスパンをケーシングに用いたその作りと、それがもたらす転がりの軽さと独特の走りは、「コルサか、それ以外か」と言いたくなるほどのものだ。筆者もその性能に魅了された一人であり、四半世紀を超えた自転車人生で一度も欠かしたことがない。今もコルサプロクリンチャーの28C&30Cを愛用中である。

しかし、そのモデル名が示すとおり(corsaはイタリア語でレースの意)、それはあくまで性能を追求した競技専用タイヤだ。耐久性、繊細なサイドウォール部、そしてもちろん価格など、「走りの軽さ&上質な乗り味」と引き換えに犠牲になるものもある。

そんなコルサの性能があまりに特異であるためか、ヴィットリアロード用タイヤラインナップでは、コルサ以外のモデルの存在感が薄かった。ケーシングにコットンを使ったコルサシリーズと、その下に位置するナイロンケーシングを用いたルビノシリーズとの間に、大きな性能差があったのだ。ヴィットリアのロードタイヤラインナップは、少々歪(いびつ)だったとも言える。ヴィットリアのなかでも「コルサか、それ以外か」だったのである。

ナイロンケーシングで初めて「コルサ」を名乗った1本

コルサネクストは、そのギャップを埋めるため2022年に発表されたミドルグレードである。コルサという名前を冠するが、ケーシングは100TPIのナイロン繊維。ちなみに、ナイロンケーシングモデルに「コルサ」の名が与えられるのはヴィットリア史上初である。サイズは24~34Cの偶数刻み。今回は28Cのクリンチャーを試す。

コンパウンドはグラフェンにシリカを配合した新世代のもので、クリンチャーとチューブレスレディが用意される。チューブレスレディでは、フックレスリムにも対応する(28C以上)。
トレッドパターンはトップグレードであるコルサを継承した縦溝パターン。トレッド下部には高密度のプロテクションベルトが配されている。100TPIのナイロンケーシングはセンター部が3層、サイドウォール部が2層という一般的なレイヤリング。

CORSA N.EXT

価格:8,998円(税込/クリンチャー)、10,450円(税込/チューブレスレディ)

  • カラー:ALL BLACK
  • タイヤタイプ:クリンチャー(Foldable)/チューブレスレディ(TLR)
  • サイズ(重量)クリンチャー:700x24C(190g)、700x26C(200g)、700x28C(210g)、700x30C(220g)、700x32C(235g)、700x34C(240g)
  • サイズ(重量)チューブレスレディ:700x24C(260g)、700x26C(285g)、700x28C(300g)、700x29C(310g)、700x30C(310g)、700x32C(330g)、700x34C(340g)
  • ケーシング:ナイロン 100TPI
  • コンパウンド:グラフェン+シリカ
  • 耐パンク構造:センター部ナイロン3層+プロテクションベルト
  • フックレス対応:チューブレスレディの28C以上

詳細はこちら

試乗レビュー 自転車ジャーナリスト安井行生

ミドルグレードではあるが、加速に重ったるさはほぼなく、スムーズに転がり始める。巡航性能も悪くなく、トップグレードとは別物になってしまうミドルグレード以下も多いなか、コルサネクストは引けを取っていない(さすがにコルサプロのような超絶滑らかな転がり方はしないが)。

実はデビュー直後に試乗した際は、コルサネクストのグリップ感に癖を感じたのだが、当時は26Cで空気圧も高め。今回は28Cで空気圧が低くなり、リム幅も広がったからか、グリップ感の印象が好転した。ハンドリングも自然で、コルサプロ譲りだと感じたほどだ。これならレーシーな走りでも安心してコーナーを攻められる。

スペックから想像するゴツゴツ感は皆無

さすがにコットンケーシングのような天国の減衰性はないものの、快適性は明らかに平均以上で、「ナイロンケーシング、100TPI、トレッドセンター部3層、耐パンクベルトあり」というスペックから想像するようなゴツゴツ感は皆無である。

価格や耐久性含め、レーシングタイヤとしてバランスがとれた1本。今までは、ナイロンケーシングモデルになるとヴィットリアは走りも快適性もいきなりがくんと落ちるという印象だったが、その溝を上手く埋めている。コルサプロの性能に近づいたコルサネクストは、ヴィットリアのそんな「歪なラインナップ」を是正し整えるという大役を見事にやってのけたのである。

問:ブイ・ティー・ジェイ https://www.vittoriajapan.co.jp/

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PROFILE

安井行生

安井行生

大学卒業後、メッセンジャー生活を経て自転車ジャーナリストに。現在はさまざまな媒体で試乗記事、技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆する。今まで稼いだ原稿料の大半を自転車につぎ込んできた。

安井行生の記事一覧

大学卒業後、メッセンジャー生活を経て自転車ジャーナリストに。現在はさまざまな媒体で試乗記事、技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆する。今まで稼いだ原稿料の大半を自転車につぎ込んできた。

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